「バグマゲドン」とは?AI時代のサイバー攻撃と攻めの防御

政府は、企業などへの不正アクセスが相次いでいることを受け、総理大臣官邸が主導して対策の検討を急ぐ方針を示しています。一方、不正アクセスを受けたGMOインターネットグループは、10月24日に「能動的サイバー防御」の適用を政府に要請しましたが、適用については慎重に判断する構えです。10月26日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、国と企業の受け止めの違いや、AI時代のサイバー攻撃の実情について解説しました。
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連日のように報じられている、不正アクセスやサイバー攻撃の被害。
日本は諸外国に比べて対策が甘く、遅れている部分もあるため「いざというときに何ができるのかをしっかり固めなければならない」と石塚は話します。
GMOインターネットグループなどの企業は、能動的サイバー防御による対応を政府に要請しました。
石塚「国がやろうとすることと、企業が今やってよって言ってること、若干温度差がありますよね」
国が担うべきなのは、基幹インフラへの攻撃があったとき、あるいはありそうなときの防御です。
手当たり次第にはできない
防御は本来守ることですが、「能動的サイバー防御」は、政府が攻撃元のサーバーに入り込んで動きを封じるなど、こちらから積極的に出ていくものです。
石塚「守るためにこちらから積極的にやっちゃいましょうよってことだから、慎重にならざるを得ないことはあると思うんですよね」
攻撃が数多くあるからといって、手当たり次第に実施できるものではありません。あくまで基幹インフラを守るための措置で、企業が攻撃を受けるたびに寄せられる「助けてください」という声に、その都度応えるものではないからです。
それでも、やらなければならないことに変わりはありません。
能動的サイバー防御は、企業からの要請を受けて実施する仕組みにはなっておらず、政府関係者は「実施すべきかどうかは調査や解析が必要になる」と指摘しています。
もはやSFではない
能動的サイバー防御の関連法は昨年5月に成立し、10月1日に施行されたばかりです。こうした措置が可能になったその月に、今回のような事態が起きてしまいました。
石塚は、最近使われ始めた「バグマゲドン」というキーワードを挙げます。これは、終末戦争のハルマゲドンにかけた言葉です。
もともと虫を意味するバグは、コンピューターやインターネットの中での欠陥や障害のこと。このふたつを組み合わせたバグマゲドンは、ネットやコンピューター上のバグが世界の終末につながることを表しています。
石塚「そんなことSFの世界だよと言うわけにはもういかない。まあAIの発達と裏表ですよね」
攻める側が有利
サイバー攻撃にAIが使われるようになり、人間だけでは対応が追いつきません。日本では特に、そうした事態に対処できる人材の養成が急がれています。
攻撃する側がAIを使えば、防御する側もAIを使わなければなりません。いわばAI対AIの状況です。そうなると、それを理解できる人がいるのかという問題も出てきます。
石塚「同じAIの能力のAIを使うとしたら防御のほうがやっぱ大変なんですよね。どこへ攻撃されるか分からないとこ全部防御しなきゃいけないから」
その意味では攻撃する側のほうがやりやすく、大変な時代になりました。能動的サイバー防御の運用が始まった今、国の守りのあり方が改めて問われています。
(minto)
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