寄附額の11.5%が運営サイトへ。問われる「ふるさと納税 」制度改訂
5月12日、ふるさと納税の仲介サイトを運営する事業者に対し、全国の自治体が2024年度に支払った手数料は総額1,379億円だったという調査結果を総務省が発表しました。自治体の間で寄付獲得の競争が加熱する中で手数料の支払いが重荷になっているとして、総務省は月内にも事業者に引き下げを要請するとのことです。13日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員がふるさと納税の問題点などについて解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと山本衿奈です。
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1,379億円にものぼる手数料ですが、これは寄付全体の11.5%ほどにあたります。
以前自治体から総務省へは3~5%程度という報告が上がっていましたが、今やかなりの額になっているようです。
運営サイトを通さずに各自治体が直接ふるさと納税の受付を行うことはできないのでしょうか?実は、運営サイトのあるなしでは寄付額に圧倒的な差が出るのだそう。
本当にかつて自分が住んでいた場所などであれば、直接その自治体のサイトを見に行くでしょうが、全国のいろいろな返礼品を比較する時点で、運営サイトが必要となります。
それゆえ、9割以上の自治体が大手4社に依頼しているとのことです。
手数料が多くなれば、それだけ実際に受け取れる寄付額は減るので、自治体は手数料の引き下げを求めたいところ。
ところが事業者から契約を打ち切られてしまうため、国から手数料引き下げの声明を出してもらわなければならなくなったわけです。
ふるさと納税の意義
そもそも「ふるさと納税」の意義は何だったのでしょう?
例えばかつて住んでいた故郷から就職で東京や名古屋などの都会に移ったとしましょう。その都市への住民税を払うと、故郷では人口が減り税収も減ることになるのです。
そのため住んでいるところとは別の自治体に対してお金を回すのが目的です。
しかし実際には返礼品の競争によって、故郷とも現住所とも関係なくお金が回っていくのが現状となっています。
さらに大手4社の利益が上がるからといって、都会以外に広くお金が落ちるというわけでもありません。
ふるさと納税の制度が始まってから15年以上経ちますが、制度のあり方については今後も検討していく必要はありそうです。
今後の対策
今までに返礼品競争を問題視する総務省が、何度か運用の改善を自治体に求めていて、最近では返礼品の調達費用や事務費用などは寄付額の上限50%とするなど、制約を課してきました。
本国会で改正地方税法が成立したことに伴い、段階的に上限を引き下げ、2029年度には40%未満とするという対策を政府も取っているとのこと。
ただ、私たちもふるさと納税の返礼品をいろいろと考え、運営サイトを活用しているのも事実。
永岡は最後に「魅力ある企画だからこそ、丁寧にしたいところですね」とまとめました。
(岡本)
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