「高額療養費制度」の月額上限額は引き上げられるのか!?
本年度予算案が参議院本会議で成立する一方、立憲民主党と公明党は、高額な医療費の患者負担を抑える高額療養費制度の月額上限額引き上げ凍結などを盛り込んだ修正案を提出する方針です。議論される医療費負担額の世代間ギャップ、公平性はどう確保するのでしょうか?4月7日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、「高額療養費制度」について、アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美先生に尋ねます。聞き手は西村俊仁アナウンサーです。
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高額療養費制度とは、大きな手術、大きな怪我、あるいは長い入院期間があったりするとお世話になる、意外と身近で大事なものです。
まず、高額療養費制度とは何でしょうか?
正木「各月、1日から月末までの1か月の間に、窓口で払った保険適用の医療費、これに関して自己負担額が、年齢、所得に応じて上限額が定められますが、その限度額を超えた場合には、後日戻ってきたり、認定書を出すと窓口に払わなくてよくなるという自己負担を軽くする制度となります。
新たな枠組み
この制度が今回の改正で世代ごとで額が変わってくる、あるいは合算されているものがされなくなる、という新たな枠組みができるわけですね。
正木「現役世代については負担額がすごく大きくなるということで、所得の区分がありますが、それを細分化する。それによって二段階で自己負担額をあげていこうという形です。
引き上げの対象が見込みでは660万人ですが、医療費制度の8割の方に影響する変更だと言われています」
医療費1070億削減
正木「今までだったら、例えば3か月に渡ってこの制度が使えていたが、限度額が上がることで、すべての月で使えなくなる。かなり大きな負担が増えるということがあります。
あとは、現役並みの所得がある高齢者の方についても負担を相応に求めていく。あらゆる世代で負担が大きくなると言われています。
所得が全然上がらない中で、そういう負担だけが上がる。もちろん、医療費の制度を恒常的に維持しないといけないとか、自分の相応な負担をしてくださいねとか、さまざまな分野でその流れがあり、その一環ではありますが、こんなに負担ばかり上がっても払えない、医療費1070億削減といわれていますが、じゃ、生活できないんじゃないの?
場合によっては治療を中断したり、受診を抑制する、生活が困窮する。本来治療で治る方が治らなくなったり、重症化するということが不安視されています」
医療費の逼迫
医療はなるべく負担は小さく、かかる期間も短く、早く治したい、早く社会に復帰させたほうがいい、そのための保険制度だと思いますが、それからいうと、逆の方に行ってないかとも見えますが。
正木「これから超高齢化社会を迎えるにあたって、医療費の逼迫が叫ばれている。そうするとどういう形でこの制度を維持するのがいいのか。こういう形で相応に負担をどんどん求めていって、制度を維持するのがいいのか。公費をもっと投入することも言われています。
どういう形の制度設計がベストなのか、本当はしっかり議論しないといけないと思います」
時代の流れ、人口の年齢構成が変わってきたことによって、この制度も変えていかないと。
正木「それに経済成長もない中で、当然、国民から入ってくるお金は少ない。なかなか制度設計が難しいところでありますが、本末転倒なところがあるのかな、と思います」
なにより安心して生活できるという形をとってもらうのが一番ですね。
正木「世界に誇るべき国民皆保険という制度であるので、使いやすく、日本の医療制度は維持して欲しいと思います」
(みず)
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