50年前の日本で何があった?田口トモロヲ監督の新作が熱い
3月27日公開される映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の田口トモロヲ監督が、3月22日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』にゲスト出演しました。約50年前の音楽ムーブメントを描いたこの作品。田口監督の本作にかける思いを小堀勝啓が尋ねます。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く副題を付けた理由
小堀「役者であり、ミュージシャンであり、映画監督であり。才能全開です」
田口「好きなことを絞り出してるだけです(笑)」
田口監督はNHK『プロジェクトX』のナレーター、パンクバンドばちかぶりのボーカルなどで活躍しています。
小堀「好きなことが奥が深くて素晴らしいと思います」
まずは映画タイトルの話。『ストリート・キングダム』というタイトルから、キッズたちのバイオレンスに満ちた映画かと思った小堀。
『キングダム』も入っていて、これでは他の映画と同じでマズいと思って、副題『自分の音を鳴らせ。』とつけたそうです。
ニューヨークと東京
原作は写真家・地引雄一さんの自伝『ストリート・キングダム』。「東京ロッカーズ」と総称された日本のパンクロック・ムーブメントの黎明期を描いた映画です。
田口「僕自身も『東京ロッカーズ』ってアルバムを聴いて、日本にもこういうパンク・ニューウェーブバンドが出てきたんだと思いました」
1979年、群雄割拠していた当時のバンドが多数出演したライブが『東京ロッカーズ』というタイトルでレコード発売されました。
その前にアメリカ、ニューヨークから発信された『ノー・ニューヨーク』という当時の人たちのオムニバスアルバムを聴いていたそうです。
田口「東京でも同じようなムーブメントが始まってんだなと思ってわくわくしました」
ピンク・レディーの対極
「東京ロッカーズ」というムーブメントの中で登場してきたバンドは、どれも個性的でバラバラな魅力があったそうです。
当時はレコードをリリースするならメジャーになるしかない時代。田口監督は映画を作るために調べると、東京ロッカーズシーンの対岸にはピンク・レディーなどがいたそうです。
田口「東京ロッカーズって、本当に局地的な活動ですよね。辺境と言ってもいい。歴史を紐解いてみたらびっくりしました」
1977年12月5日~1978年11月27日付オリコンのシングルTOP50では、1位ピンク・レディー「UFO」。2位ピンク・レディー「サウスポー」。3位ピンク・レディー「モンスター」でした。
田口組最終兵器
脚本は宮藤官九郎さん。主演は峯田和伸さん。田口監督第一回作品『アイデン&ティティ』の時のふたりです。
田口「田口組最終兵器、大集合ですね」
小堀「この人たちなくしてできない映画」
大森南朋さん、中村獅童さんも『アイデン&ティティ』に出演していました。他には間宮祥太朗さん、仲野太賀さんなど。メジャーの主演級の人ばかり。
小堀「役者の皆さんは、演じてるというより半分憑依してるみたいな感じがありますよね」
田口「俳優ってすごいなあって思いましたね」
小堀「ご自分も俳優さんじゃないですか」
田口「ですよねえ。それは皆に言われました(笑)」
役者陣に感謝
田口「役者陣は当時の人たちのスピリットを演じようっていう風になってくれて、本当に素晴らしい仕上がりを見せてくれました」
役者たちは、約50年前の東京ロッカーズというムーブメントが、こんなに前衛的且つポップで個性的なことを知っていくうちにどんどんのめり込んで行ったとか。
小堀「表現者として嫉妬するぐらいのものが、あの時代のパンクロッカーたちにあったんでしょうね」
田口「あの古い時代にみんな完成されてるじゃないですか。それを演じる役者は大変さもあるけれど、それを上回る喜びと高揚があったはずです。それを映像で鷲摑みにしました」
50年前を描いた時代劇
小堀「仲野太賀さんは、いままさに大河ドラマ『豊臣兄弟』をやってますが、似たとこがありますよね」
田口「革命的な瞬間を描いてるわけですから、両方とも時代劇だと思えば時代劇ですね」
当時の衣装やヘアスタイルなど、できる限り再現したそうです。しかしオリジナルには勝てないという田口監督。
田口「今の人が再生させる意味と意義、それはスピリットだと思うんです。単なるそっくりショーにはしたくなかったんですよね」
さらに田口監督の創作の秘密が垣間見られる言葉も聞けました。
田口「僕が影響された人たちの背中を見ながら、自分もこういう活動を続けているので、そういう人たちに育てられたんです」
小堀「何て謙虚なんでしょう」
田口監督には、自分に影響を与えてくれた人たちに恩返しがしたいという気持ちがあるんだそうです。
田口「じゃあ自分で何ができるんだって言ったら映画だと。で、今回もそういう思いがきっかけのひとつでしたから」
『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』は3月27日公開です。
(尾関)
番組紹介
読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。



