ドラゴンズにも意外な縁が?山本由伸投手で注目の「サイ・ヤング賞」
大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手ら日本人選手も活躍し、メジャーリーグのワールドシリーズで連覇を果たしたドジャース。11月3日、大谷選手がMVPの最優秀候補になり、山本投手がサイ・ヤング賞の最終候補に選ばれたことが発表されました。もし山本投手が受賞すれば日本人選手初の快挙となり、期待が高まっています。5日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員がサイ・ヤング賞について解説しました。聞き手は西村俊仁アナウンサーと三浦優奈です。
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サイ・ヤング賞はメジャーリーグの最優秀投手に贈られる賞であり、日本プロ野球で同じような賞としては沢村賞がありますが、まずは2つの賞を比較してみました。
まずはそれぞれの名前の由来ですが、沢村賞は戦前に活躍した投手、沢村栄治氏から来ていますが、サイ・ヤング賞も同じく名投手の名前が由来です。
沢村賞は毎年1人決まりますが(該当者なしの場合あり)、サイ・ヤング賞はア・リーグとナ・リーグそれぞれから選ばれます。
サイ・ヤング賞の選び方は、それぞれのリーグで30人の取材記者が投票権を持っていて、ベスト5の投手を選びます。
上から7点、4点、3点、2点、1点と点数が付けられますので、仮に1人の投手に対して全員が1位をつければ、210点となります。
そして合計点が最も高い人が、サイ・ヤング賞獲得となります。
実はもう決まっている
山本投手含め最終候補は3人いますが、選ばれたのは前述の点数が上位3名。
実はあらためて決選投票が行なわれるというわけではありません。
つまり受賞者、つまり最高点を誰が獲得したのかは決まっているのです。
いきなり受賞者を発表するのではなく、3人に絞って発表まで盛り上げる演出がなされているのです。
なお投票はシーズンが終わると締め切られるため、ポストシーズンである優勝決定戦などは対象外となっています。
これはポストシーズンは出られるチームが限られるため、その期間を考慮するのは不公平であるためです。
山本投手の活躍が特に目立ったのはポストシーズンなので、結果が気になるところです。
サイ・ヤングは本名ではない
ところで、名前がついているサイ・ヤングはどのような投手だったのでしょうか?
野球の世界に入ったのが1890年(明治23年)とかなり昔で、クリーブランド・スパイダーズに入団。
1年目の成績はそれほどではなかったのですが、2年目で27勝、その後も年に20勝以上が当たり前という成績を出し続け、42歳に引退するまでに通算511勝を記録。これは歴代1位の記録です。
なお、本名はデントン・トゥルー・ヤングで、「サイ」はサイクロン、つまり暴風のようにすごい速球というイメージから来ています。
最初の受賞投手とドラゴンズの関係
そして、1955年(昭和30年)に88歳で亡くなった翌年、設立されたのがサイ・ヤング賞です。
最初に受賞したのは、ドン・ニューカムという黒人の投手。
当時はメジャーリーグで黒人が活躍するのが難しい時代でしたが、実力が評価されて受賞を果たしました。
実はこのドン・ニューカム選手、1962年(昭和37年)にはなんと中日ドラゴンズに入団しています。ピッチャーとしてではなく外野手として1シーズン出場しましたが、帰国後再び来日することはありませんでした。
これまでダルビッシュ有投手や前田健太投手が2位に付けたことがありましたが、果たして今回こそ山本投手が受賞するのか?現地時間12日の発表が楽しみです。
(岡本)
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