何歳から祝う?めでたいけれどちょっと複雑な敬老の日

9月15日は敬老の日でした。「元気で長生きしてほしい」という願いを込めて、高齢者をねぎらったりお祝いしたりする祝日です。9月16日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』には、家庭や職場で、もしくは地域で、さまざまな立場や環境で敬老の日を過ごしたリスナーから投稿が寄せられました。ところが意外と多かったのは「お祝いされたくない」の声。いったい何歳からお祝いするのが良いのでしょうか?つボイノリオと小高直子アナウンサーが投稿を紹介します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く人口の30%が65歳以上
敬老の日にちなんで総務省が発表した人口推計によると、65歳以上の高齢者は3,619万人で、全体の29.4%を占めているとか。この高齢者の割合は、人口4,000万人以上の国の中ではトップのようです。
また、働いている高齢者の数も930万人と21年連続で増加し、過去最多を更新しています。
働いている人のうち7人にひとりが高齢者となり、元気なお年寄りが増加しているとともに、少子化による働き手不足も背景にあるのではと予測されています。
さらに人口推移によると、65歳以上の男性は1,568万人、女性は2,051万人で、総数は前の年より5万人減っています。マイナスとなるのは1950年以降、おととしに次いで2回目なのだとか。
しかし国立社会保障・人口問題研究所は、高齢者の人数は中長期的には増加するとしており、2040年には3,908万人となって総人口の34%になると推計しているようです。
現役の高齢者たち
働く65歳以上の高齢者は930万人以上。会社勤めをしている人は、60歳の定年を過ぎた後も再雇用の制度を利用して働き続ける選択を取る人が多いように思います。リスナーの中にもそういった方が多く見受けられました。
「働く高齢者の数も過去最多ということで、ふと自分もその中に入っているのだと自覚しました。いつも仕事をしながら聞いています」(Aさん)
「還暦を過ぎた実感がありませんでしたが、気が付いたらもう67歳。お荷物の高齢者にならないよう節制して、つボイさんを目標にして頑張ります」(Bさん)
今年76歳のつボイも元気に働いており、その姿に力をもらっている高齢者も多いようです。
つボイ「働かざるをえないと言いますか(笑)。私の年金は月々5万か6万くらいです。5万で生活できていければいいんですけどね、ちょっと厳しいのでこうして働ているわけです」
高齢者が健康なことや少子化による働き手不足に加えて、回復しない景気や物価が上がり続けるこの現状も、働く高齢者の増加に拍車をかけているのかもしれません。
「敬老」って言わないで
めでたい敬老の日ですが、意外と「お祝いされたくない」という声も。リスナーからはこんな投稿が寄せられました。
「敬老の日ですが、何歳からお祝いされるのでしょうか。60歳からならあと5年ですが、まだ敬老と言われたくないです」(Cさん)
「我が家では祖母が嫌がるので敬老の日をお祝いしません。来年も無事迎えられるよう元気に長生きしてほしいと願っています」(Dさん)
身体も元気なら心もはつらつとした人が多く、一般的には老人のくくりになっても「年寄り扱いされたくない!」と考える人が多いようです。
小高「テレビで「お祝いされるのは何歳からだと思いますか」というアンケートを取っていましたよ。還暦からという人も多かったけど、70からとか定年退職をきっかけに、という答えも多かったです」
孫は特別
敬老の日自体には、具体的に「何歳から」という定義はありません。各家庭の価値観やライフイベントに合わせたり、お祝いされる側の気持ちを尊重したりして、相手に合わせたタイミングでお祝いするのがよいとされています。
そんな中、こんな投稿も届きました。
「敬老の日ということで、小学校3年生の孫が私たち夫婦にプレゼントを届けてくれました。焼き菓子と『じいじ、ばあば長生きしてね』との手紙も添えてありました。この子の花嫁姿を見るまでは長生きせねばと思っています」(Eさん)
小高「おじいさん、おばあさん扱いされるのはちょっと嫌だと思うんですけど、やっぱり孫は別格ですね」
つボイ「孫は可愛い。孫がいるという事は、自分はジジババという事ですからね」
若々しく元気な高齢者が多い昨今、年寄り扱いをするのが若干はばかられるようになった「敬老の日」。それでも可愛い孫の前では、皆さん等しく「じいじ、ばあば」になるのかもしれません。
(吉村)
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