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過酷!軍事パレードの行進の裏側

過酷!軍事パレードの行進の裏側

テレビのニュースなどでたびたび取り上げられる中国、ロシア、北朝鮮の軍事パレード。9月12日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、パーソナリティの竹地祐治アナウンサーが、その精密すぎる行進について解説。「いったいどうやってあんな動きが可能になるのか」と素朴な疑問を抱いたことがきっかけで、その裏側を調べたそうです。

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中国のパレードは秒単位の精密さ

中国・人民解放軍のパレードでは、兵士の歩幅は75センチ、1分間に110~116歩という厳格なルールが存在します。
特に天安門広場でのパレードでは、96メートルの距離を128歩・1分6秒で通過しなければならないという、まるで数学のような精密さが求められているとのこと。

訓練にはメトロノームや地面の線、レーザーセンサーなどが使われ、頭から足先まで一直線に揃えるよう徹底的に指導されます。
姿勢を矯正するため、体に糸を張るという物理的手段すら採用されるのだとか。

さらに驚くべきは、兵士の選抜条件。
身長は173~180センチ、体重は約60キロと、均整の取れた体格で揃えられており、「でこぼこのない美しさ」が徹底されています。 

ロシア・北朝鮮は伝統のグースステップ

ロシアや北朝鮮では、足を高く蹴り上げる「グースステップ」が特徴。
これは18世紀ドイツのプロイセン陸軍に起源を持つ行進方法で、特に北朝鮮では足を地面と水平になる90度まで上げることが求められます。
北朝鮮はこれを「国家の力の象徴」として、対外的に映像を発信しています。

ロシアでは、身長185センチ以上という厳しい基準に加えて「好ましい容姿」という主観的な条件も存在。
兵士の見た目も演出の一部のようです。

軍事パレードは個性を消した芸術

竹地はこれらのパレードについて「国家の統制美学を極限まで追求したもの」と語ります。

そこには個人の個性を消し去ることで生まれる集団美があり、まるで兵士一人ひとりが「部品」として機能しているような印象すらあると表現しました。

一糸乱れぬ行進を可能にするために、兵士たちは数ヶ月から一年という長期間、過酷な訓練に耐え、軍靴を何足も履き潰します。
竹地はこれを「地上版アーティスティックスイミング」と称し、その訓練の厳しさに驚きを隠せない様子です。

技術に重点を置くアメリカ

一方、アメリカでは軍事パレードが行われることもありますが、その中心は戦車や戦闘機といった最新鋭の装備の披露。
兵士の行進そのものにはあまり重きが置かれていません。
これは「兵士の行進美」ではなく、「軍事技術の先進性」が主眼に置かれているためです。

最後に竹地は「軍事パレードを見るときには、兵士たちの足元や姿勢に注目してみてほしい」とリスナーに呼びかけました。
狂いのないその動きの裏に、半年以上の厳しい訓練と、国家の体制が反映されていることを知れば、単なるパフォーマンス以上の見方ができそうです。
(ランチョンマット先輩)
 

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