初出場で世界2位!エアギター日本代表・須藤雄大さんが語る「世界平和の瞬間」

愛知県豊田市出身の須藤雄大さん(31)が、8月22日にフィンランド・オウル市で開催されたエアギター世界選手権に初出場し、見事2位に輝きました。9月8日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、ステージネーム「SUDOちゃん☆」として決勝の舞台に立った須藤さんに、エアギターの魅力と世界大会での感動的な体験について尋ねました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く1996年から続く伝統の大会
エアギター世界選手権は1996年にスタートした国際大会です。
各国の優勝者と前回大会の王者は決勝に直接出場でき、それ以外の選手は現地で行なわれるダークホース予選で1分間の演奏を行ない、その上位数名が決勝に進出できるシステムです。
今年は13~14か国から参加があり、ダークホース予選の応募者数は過去最高を記録。須藤さんは6月の日本選手権で優勝し、日本代表として決勝に進みました。
わずか0.1ポイント差の熱戦
採点は5人の審査員が独創性、ステージング、そして「エアネス」という独特の基準で評価します。
須藤さんによると、「エアネス」とは演奏者からにじみ出るオーラのようなものを指すとのこと。審査ではこれらの項目を4.0点~6.0点で採点し、その合計点によって優勝者が決まる仕組みです。
須藤さんの演奏は、体を大きく反らしたり、ステージ端からジャンプしたりと、ダイナミックなパフォーマンスが特徴。
優勝した地元フィンランドの選手とは、わずか0.1ポイント差という僅差での2位でした。
きっかけは高校の先生
須藤さんがエアギターを始めたきっかけは、高校時代の先生でした。
バンドをやっていた先生のライブを見て音楽にはまり、卒業後もライブに通い続けていた須藤さん。2016年、その先生から『お前ちょっとエアギター大会出てみない?』と声をかけられたのがきっかけになりました。
「多分パンクバンドなんで、僕が最前で暴れ狂ってたのを見て」と須藤さんは笑います。
畳の部屋で自撮り練習
エアギターを始めて約10年。練習方法は、「脳内でひたすらイメトレ」とのこと。
音楽や映画が好きで、好きなアーティストの演奏や俳優の演技に何度も心を震わされてきたという須藤さん。世界大会での1分間のパフォーマンスには、須藤さんの好きなものすべてを詰め込んだといいます。自分自身も観客も一緒に楽しめるようにすることをコンセプトにしたそうです。
近くにスタジオがないため、畳の部屋でスマホを使って自撮りしながら練習を重ねました。音楽に合わせて演奏するため、指の動きが音と合っているかも重要な評価ポイント。中には、本当に弾いているように見える人もいるといいます。
世界平和を実感した瞬間
世界選手権で最も心を打たれた瞬間について、須藤さんはチャンピオン発表の場面を挙げました。
エアギター世界選手権は「世界平和の祭典」という理念を掲げていますが、競技である以上、順位がつく一面はあります。各国の代表や予選を勝ち抜いてきた参加者たちは、仕事や日常の合間を縫って練習を重ね、プレーを仕上げてきた人ばかり。そんな強い思いを持った選手たちが、チャンピオン発表の瞬間に見せた反応に須藤さんは感動したそうです。
須藤さんは「多少は悔しがったり涙を流す方がいるのかなと思ったら、みんな一目散にチャンピオンに抱きつきに行くんですよ。満面の笑顔で」と振り返ります。
「それを見た瞬間に、本当にこの舞台に立たせてもらってよかったなって心から思いました。エアギターって世界を平和にできるのかもなって、本当にちょっと思いましたね」
初出場で2位という快挙を成し遂げた須藤さん。エアギター世界選手権の舞台は、まさに「世界平和」を感じられる最高の時間だったようです。
(minto)
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