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杜撰な書類の管理が与える、事業承継でのリスク

杜撰な書類の管理が与える、事業承継でのリスク

少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者難が大きな経営課題となっています。そして、元気なうちに資産の管理や、次世代へのスムーズな承継について考えていく必要性も高まっています。CBCラジオ『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツにズバリ」では、事業承継と資産承継について専門家をゲストに学んでいきます。2月26日の放送では、事業承継時に明らかになる書類管理の大切さについて北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ 経営承継支援 はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。

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経営悪化が理由ではなかった

今回藤原さんは、関東にあるリフォーム工事の会社の事例を紹介しました。どのような会社だったのでしょう?

藤原「年商は2億円ほど。社長さんは30代半ばと若く、従業員さんは10名弱でした」

なぜM&Aをしたのでしょう?

藤原「まだ社長さんが30代とお若いので後継者不足というわけではなく、また経営が悪化しているわけでもありません。理由は…マネジメントすることに疲れてしまったそう」

北野「10人くらいの従業員のマネジメント疲れって、まあまあ大変」

買い手はどのような会社だったのでしょう?

藤原「年商5億円弱の医療関係の製造をされている会社さん」

北野「医療関係ですか…ということは異業種ですね?」

藤原「そうです」

M&Aで杜撰な書類管理が明らかに

なぜ、そのような会社が挙手したのでしょう?

藤原「買い手企業さんは、新規事業を模索されていました」

リフォーム市場の規模は6.5兆円前後あり、今後は7兆円に成長すると評価されているので業界にも興味を持たれたそうです。
では、この会社をM&Aするメリットは何でしょう?

藤原「ゼロから新規事業を立ち上げるよりも、既存事業に参入することですぐに事業をスタートさせることができます」

北野「既存の会社がある方が楽ですもんね」

M&Aはスムーズに進んだのでしょうか?

藤原「それが…売り手の社長、営業は抜群にうまかったけど、経理や契約書関連の管理がめちゃめちゃ杜撰で…」

北野「ありがちや!」

最初のマッチングを行う前の段階で、顧客の売上データの作り直しや請求書の整理などの時間を要して、藤原さんは大変苦労をされたようです。

北野「ありがちやねん、どんぶり勘定。やはりそのあたりはキチンと整理しておかなあきまへんよね」

銀行の融資も受け取れない状況になる

契約書などの資料が整理されていなかったり、決算内容が正確ではなかったりする場合は、どのようなリスクが生じるのでしょう?

藤原「金融機関に相談に行っても、時間がかかったり融資がおりない可能性がある」

いざという時に融資をしてもらえないと、望むような条件で取引ができなってしまします。これから会社の譲渡を検討している社長にとっては重要なことだと、藤原さんは念を押しました。

藤原「資料を事前に整理して、決算もきちんと説明できるように、顧問税理士さんと日々管理して理解しておいてほしい」

北野も買い手側も不安になるので、書類関係はきちんとしたものを準備してあげた方がよいと繰り返しました。
(野村)
 

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