「名二環」の集中工事に潜入!アスファルト舗装に隠された秘密とは
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は特別企画!バイクで日本を2周したこともある道マニア歴27年の松村真人さんが、名古屋の交通を支える「名古屋第二環状自動車道」の集中工事の現場に潜入します。
「名二環」の工事現場に潜入!アスファルト舗装の雨水対策とは
松村さんと一緒に潜入するのは、一般の女性。2人が訪れたのは、愛知県清須市(きよすし)。
(道マニア・松村真人さん)
「『名二環』で行われている集中工事の現場を、特別に見学させてもらえることになりました」
名古屋を囲うようにして走る「名古屋第二環状自動車道」、通称「名二環(めいにかん)」は、1970年に工事が始まり、2021年5月に全線開通しました。そんな「名二環」がつながっていく様子を、20年以上に渡って観察してきた松村さん。今回の特別企画にワクワクが止まりません。
工事現場を案内してくれるのは、NEXCO中日本 名古屋保全サービスセンターの隅田さんと岩﨑さん。
「名二環」の中でも、1988年に開通した名古屋西JCTと清洲西ICの外回り区間の舗装現場を見せてもらいます。アスファルトのない現場に辿り着くと…
(NEXCO中日本 名古屋保全サービスセンター・隅田さん)
「これが、剥き出しの床版(しょうばん)」
床版は車両を支えるのに重要なコンクリートの床部分で、現在は雨水などの影響で傷んだ場所の補修作業を進めているとのこと。
(NEXCO中日本 名古屋保全サービスセンター・隅田さん)
「雨による影響を少しでも予防するために、水が浸透しにくいものを含めた材料を作って施工している」
現場で舗装していたのは、雨水から床版を守る防水成分を含んだアスファルト。水が染み込みやすい透水性アスファルトと床版の間に、防水性が高いアスファルトを舗装することで、路面に水が溜まるのを防ぎがなら、床版を守って排水しているのだとか。
アスファルトの舗装は、温度が重要。クッカー車によってアスファルトの温度を195℃程度に保ちながら運搬しているそう。
床版に防水アスファルトを流し込んだら、その後は手作業。道具を使い、厚みをそろえながら平らにならし、気泡を潰していきます。
防水アスファルトを舗装した後は、その上に透水性アスファルトを舗装し、最後に白線を引いたら工事完了。この作業を10日間の集中工事で2車線分、約2kmの道路を施工します。
高速道路が人の緻密(ちみつ)な作業で造られていることを感じた2人は、感心しきりでした。
「名港西大橋」は「名二環」の予定だった?「名二環」が環状ではない理由とは
続いて2人が訪れたのは、愛知県名古屋市の名古屋港。松村さんが「『名二環』を語る上で欠かせない」と言う場所へ向かいます。
「名二環」は環状になっていない不可思議な構造をしており、名古屋港のあたりから「伊勢湾岸道(=伊勢湾岸自動車道)」に合流しています。
「名古屋港に架かる橋に注目すれば、円になっていない理由がわかる」と松村さんが案内してくれたのは、名港中央ICから飛島ICを結ぶ「名港西大橋」。
(道マニア・松村真人さん)
「橋の裏を見ると、(上り線と下り線では)構造や幅が違う」
高速道路「伊勢湾岸道」の「名港西大橋」は上り線と下り線で分離しており、上り線はもともと「名二環」になる予定で建設され、1985年に開通。下り線は、「伊勢湾岸道」の規格で造られ1998年に開通しました。
(道マニア・松村真人さん)
「『名二環』の建設が凍結している間に『伊勢湾岸道』ができ、『名二環』のつながっていない部分は『伊勢湾岸道』になった」
当初、「名二環」はその名の通り環状になる予定でしたが、一部の反対運動の影響などもあり工事は中断。
名古屋の発展による物流量増加に対応するため、「名港西大橋」を一足先に開通させましたが、「名二環」の工事が中断している間に、「名港西大橋」は「伊勢湾岸道」の一部に組み込まれ、その後下り線も建設されました。
5月14日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より