波の浸食で崩落…荒れ果てた海岸沿いの廃道 断崖をくり抜いたトンネル群も
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は全国800か所以上の道を巡ってきた道マニア歴18年の石井あつこさんが、北海道にある“廃道”を巡ります。※安全対策をしてロケをしています。廃道は危険ですのでむやみに立ち入らないでください。
柱状節理が美しい!日浦海岸に面する断崖絶壁の「道南金剛」
石井さんと一緒に旅をするのは、お笑い芸人のひょうろくさん。
(道マニア・石井あつこさん)
「北海道ならではの奇形・絶景の廃道を紹介したい」
2人は石井さんが立ち寄りたいという場所を目指し、函館市の東に位置する日浦海岸へ向かいます。国道278号から道道41号をしばらく進むと、あたりは集落から海が広がる景色に。
(道マニア・石井あつこさん)
「ここは、“サンタロナカセ”と言われる岬」
昔、この地に漁師の三太郎とその息子夫婦が暮らしており、ある日息子が漁に出たまま帰らず、海を見ながら泣き続けた三太郎と息子の嫁が岩になってしまったという民話から、海岸沿いにある奇岩は「サンタロナカセ岩」と呼ばれているそう。
すぐ近くのトンネルも、民話に基づいて「サンタロトンネル」と名付けられています。さらに走ること10分。目的地に到着。
(道マニア・石井あつこさん)
「この景色は、私以外の人が見ても興奮できる大パノラマ。40年ぐらい前まで採石場だった」
そこに広がるのは、函館市の指定文化財に登録されている断崖絶壁の「道南金剛(どうなんこんごう)」。
「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と呼ばれる特徴的な形状をしており、火山活動で出たマグマなどが冷えて固まった時、柱状に亀裂が入ってできたものだとか。
ダイナミックな景色は壮観です。
海岸沿いの廃道に眠る!連続する素掘り隧道
(道マニア・石井あつこさん)
「次は、日浦トンネルができた後に廃止になった道」
2人が向かうのは、現在は廃道となっているかつての「日浦海岸道路」。安全対策を施して、灯台の先にある廃道区間へ入って行きます。
「ちょっと待って、これ…」と言葉をつまらせるひょうろくさんの目の前に広がるのは、足場に困るほどの崩れた道と岩の塊。昔の地図では確かに存在していた道ですが、今では路盤が散らばっている道なき道になっています。
荒れた岩場を進むと、現れたのは昭和3年竣工の「原木第七隧道」。ゴツゴツとした岩肌がむき出しになっている素掘りの隧道で、2人は感動しながら通り抜けます。その先すぐにも隧道があり、中に入ると波の浸食によって岩が削られてできた横穴から波の音が聞こえます。
(道マニア・石井あつこさん)
「自然の海食洞ですね。非常にレア」
さらに荒れた道を進むと、現れたのは連続する隧道。
(道マニア・石井あつこさん)
「ここは3連隧道。短いですけど、美しい隧道の連続。落石よけの鉄骨も残っている」
廃道区間に7つもの隧道が残っており、3連隧道を抜けると、見えてきたのは原木集落。現役で使われている旧道とつながります。
9月12日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より