“廃参道”を巡る旅!明治時代に10年間かけて造った隧道が出現 廃線となった鉄橋跡も
ミキの昴生と亜生の2人がMCを務める『道との遭遇』。全国の道に特化したVTRをミキが様々な視点で楽しんでいきます。今回は800か所以上の道を巡ってきた道マニア歴17年の石井あつこさんと、新潟県にある今は使われなくなった“廃道”を巡ります。
山の中に眠る隧道!米山薬師堂に続く“廃参道”
石井さんと一緒に旅をするのは、実演販売士のキングダム中野さん。
(道マニア・石井あつこさん)
「明治時代に集落の人の渇望から新道が生まれて消えていった、彗星のような道を紹介したい」
熱い思いを胸に2人が訪れたのは、日本海が一望できる新潟県柏崎市。石井さんのイチオシ、日本三大薬師の一つである米山薬師堂までの“廃参道”を目指します。
国道8号の分岐の道をしばらく進み、柏崎市が管理するエリアへ。ここからが廃道で、許可を得て特別に入らせてもらいます。
道なき道を歩き続けると、分岐する2つの道を発見。1つが江戸時代に使われた古道、もう1つが明治時代に造られた新道で、どちらも米山薬師堂へ参拝に行くために使われていたそう。2人は新道を進み、その先にある住民たちが掘ったとされる「谷根隧道」を目指します。
GPSで現在地を確認して地形図を見ながら、辺り一面に生い茂る藪の廃道を歩き続けます。そして3時間半後、ついに谷根隧道に到着!
有料道路となった隧道 今では大量のコウモリの住みかに
谷根隧道は、明治13年に荷車などが峠を越えられるようにと、谷根集落の村長が中心となり工事に着工。住民たちが10年の歳月をかけて開通させました。
しかし工事の費用で私財のほとんどを使ってしまったため、しばらくの間は有料道路だったと言います。
石井さんは1人で隧道の奥へ。入口付近は軽乗用車が入れるくらいの広さです。しかし奥に進むにつれて徐々に狭くなっていき、大量のコウモリの住みかとなっていました。
方向を間違えて掘られた導坑が見つかり興奮し、あふれ出る道愛が止まらない石井さん。道が塞がれたところで引き返しましたが、大満足の様子でした。
そして隧道前で待機していたキングダム中野さんと下山し、近くにある集落へ移動して地元の方に当時の話を伺いました。
(地元の方)
「谷根隧道は今から60年ほど前に使っていた。(隧道に)入る前、拾った杉の枝に火をつけてたいまつ代わりにして通った。田んぼから稲を持ってきたり、荷馬車が通ったり」
隧道から集落へ向かう古道は、毎年整備されていることも判明。上杉謙信公も通った歴史ある道ということもあり、集落の人から今も大切にされています。
神秘的な東赤谷連続洞門 その先には廃線となった鉄橋跡が
続いて2人が訪れたのは、新発田市にある「東赤谷連続洞門」。
昭和中期まで蒸気機関車で鉄鉱石を運ぶ専用鉄道として線路が敷かれていましたが、現在は整備された公道になっています。道はドーム状のスノーシェッドに覆われ、差し込む光が神秘的な空間を演出します。
東赤谷連続洞門を抜けると、廃線になった鉄道の鉄橋跡が出現。当時の枕木が残ったままの姿で川の上に架かっています。
まるで秘境のような光景に、キングダム中野さんも感動の様子。蒸気機関車が煙を上げながら走っていたことに思いを馳せたところで、廃道巡りは終了です。
9月13日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より