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秋に急増する「食中毒」…見た目そっくり食べ間違い?“秋の食中毒”原因や対策

秋に急増する「食中毒」…見た目そっくり食べ間違い?“秋の食中毒”原因や対策
CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、東京女子医科大学 感染症科 特任教授 医学博士 菊池賢先生です。

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今回のテーマは『〜食欲の秋に潜むワナ!〜意外な食中毒の原因とは?』

細菌による食中毒の月別発生件数で最も多いのは気温がピークを迎える7月ですが、その次に多いのが10月。細菌の多くは室温約20℃でも活発に増殖するため、暑さが和らいだと油断しがちな秋こそ、気を引き締めた食中毒の予防が大切だそうです。そこで今回は、実際の経験談をもとに秋に起きやすい「食中毒」の原因や対策を専門医に教えてもらいました。

食中毒とは?

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

食中毒は、細菌・ウイルス・寄生虫・有害な物質がついた食べ物や飲み物を口にすることで起こり、下痢・吐き気・腹痛・発熱など様々な症状を引き起こすそうです。

秋に起きやすい食中毒事件FILE(1)チャーハンで起こる食中毒

清原みずかさんは、前日の夕食に作ったチャーハンを翌朝食べたところ、繰り返す強い吐き気や腹痛・頭痛などの症状が約8時間続きました。先生によると、これは「チャーハン症候群」と呼ばれるものだそうです。

<チャーハン症候群の原因「セレウス菌」>
セレウス菌は、土や川の中など自然環境に広く存在し、様々な食材に付着する可能性がある細菌。食べ物を栄養にして増殖すると同時に、「セレウリド」という毒素を作り出します。セレウス菌やセレウリドが体内に入り広がると、胃腸の粘膜が刺激され、激しい嘔吐や下痢を引き起こすのだとか。なかでも、炭水化物が分解されてできる糖を栄養に増殖するため、おにぎり・焼きそば・パスタ・うどんなど、米や小麦粉を使った食べ物であれば同様の食中毒を引き起こす可能性があるそうです。

<セレウス菌は12時間でどれくらい増える!?>
卵・長ネギ・ニンジン・ハムを使用したチャーハンを用意し、東京都の10月前半の最高気温に近い25℃の環境で、3つの保存方法を検証。3時間ごとに各チャーハンを採取し、チャーハン1g中のセレウス菌の数を計測したところ、以下の結果になりました。

(1)皿に移しラップをかけ室内保存した場合(※1g中10,000個で危険値)
保存時間3時間:陰性 
保存時間6時間:5,000個 
保存時間9時間:50,000個   
保存時間12時間:60,000個 
 
(2)フライパンにフタをして室内保存した場合(※1g中10,000個で危険値)
保存時間3時間:陰性 
保存時間6時間:80,000個 
保存時間9時間:80,000個   
保存時間12時間:230,000個 

(3)保存容器に移し冷蔵庫で保存した場合(※1g中10,000個で危険値)
保存時間3時間:陰性 
保存時間6時間:陰性
保存時間9時間:陰性 
保存時間12時間:陰性

<フライパンにフタをして保存した時に最も菌が増えたのはなぜ?>
フライパンにフタをして保存すると調理の際に温められた熱が逃げにくく、フライパン内で高温多湿の状態が続きます。セレウス菌が最も増殖しやすい28〜35℃の温度が長く続きやすいため、菌の数が多くなったと考えられるそうです。

<冷蔵庫で保存する時のポイント>
先生によると、食中毒を防ぐためには、冷蔵庫で保存することが不可欠。ただし、調理後10〜50℃の間であればセレウス菌は増殖するため、粗熱を取ったあとすばやく10℃以下にすることが大切なのだとか。量が多い場合は、すぐに冷えるよう小分けにして保存するのがポイントだそうです。

<セレウス菌の恐ろしい特徴>
先生によると、多くの細菌は加熱による殺菌が有効ですが、セレウス菌は加熱の際に熱に強いバリアのようなものを形成するため、90℃で60分以上加熱しないと死滅しないとのこと。さらに、毒素であるセレウリドは、120℃で60分加熱しても壊れないそうです。そのため、菌や毒素が一度増えてしまうと、炒め直しても意味がないのだとか。料理が余った際には、すぐに冷蔵庫で保存し菌を増やさないようにしましょう。

秋に起きやすい食中毒事件FILE(2)「ツブ貝」で食中毒に

白濱領一さんは、殻付きで買ったツブ貝を加熱調理し晩酌で5〜6個食べたところ、食後30分〜1時間で食中毒を発症。めまいや頭痛、視界が銀色になるなどの症状が朝まで続いたそうです。

<誤った下処理が原因!?ツブ貝で食中毒>
白濱さんの食中毒の原因は、ツブ貝の唾液腺に含まれる「テトラミン」という毒素。
テトラミンは、神経毒の一種でめまいや視界のゆがみといった症状を引き起こすことがあるそうです(※貝の個体差や体調などによって症状が異なります)。テトラミンは加熱しても壊れない物質なので、調理前にテトラミンが入っている唾液腺を破らずに取り除く下処理が大切。発症した際は、こまめな水分補給を行い、医療機関へ連絡し受診してください。

<ツブ貝の正しい下処理>
アイスピックなどを使い殻から身をはずします。貝のフタを下にしてまな板に置き、真ん中の部分に切れ目を入れます。切れ目の部分を広げると左右に白い脂肪のような塊(唾液腺)が現れるので、唾液腺を破かないよう指などで取り除いて水洗いすれば下処理は完了です。調理後は必ず手を洗い、アイスピック等を使用する際は手元のケガに十分ご注意ください(※軍手等の着用をおすすめします)。ちなみにスーパーでは、あらかじめ唾液腺を取り除き、スライスした状態で販売されていることが多いですが、旬の時期には殻付きで下処理をせずに販売されている場合もあります。そのため、各販売店や保健所では注意喚起をしているのだとか。ツブ貝を調理する際は、唾液腺の処理を忘れずに行いましょう。

<テトラミンを持つツブ貝>
ツブ貝の種類の多くは肉食で、小魚を捕食する際しびれさせるために毒があります。テトラミンを持つツブ貝には、エゾバイ科の「ヒメエゾボラ」「エゾボラモドキ」「チョウセンボラ」等の巻貝があるそうです。

秋の旬の食材に落とし穴!サバ・サンマで起こす食中毒

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

秋が旬のサバやサンマには、「ヒスチジン」というアミノ酸が含まれています。ヒスチジンが含まれた魚を生のまま常温で置くと、細菌によってヒスチジンが壊され、ヒスタミンという物質に変わります。ヒスタミンを摂取すると、数分〜1時間以内に重いアレルギー症状が引き起こされるそうです。もしも身体に異変を感じた場合は、直ちに食事をやめて医療機関へ連絡し受診してください。

<ヒスチジンが含まれる魚>
ヒスチジンは、サバ・サンマ・イワシなどの青魚やカツオ・マグロなどの赤身魚に多く含まれています。購入後は常温に置かず、冷蔵庫で保存してください。

秋に急増する食中毒 「見た目がそっくりの食べ間違い」

<「シイタケ」と「ツキヨタケ」>
見た目がよく似ている「シイタケ」と「ツキヨタケ」。有毒のツキヨタケは食べると激しい吐き気や下痢を引き起こし、幻覚など神経症状も出るのだとか。どちらも山に生えているので、キノコ狩りに行ってシイタケと間違えて食べてしまう恐れがあるそうです。

<「長芋」と「グロリオサ」>
長芋とよく似ているのが「グロリオサ」の根。グロリオサは、イヌサフラン科の植物でコルヒチンやグロリオシンという猛毒が含まれています。自宅に観賞用として植えているのを長芋と食べ間違えてしまうケースがあるのだとか。実際に日本では4人くらい死亡例が報告されているそうです。

<「ハスイモ」と「クワズイモ」>
「ハスイモ」は、サトイモ科の植物で茎の部分が食用として使われる野菜。四国・九州・沖縄などで栽培が盛んな地域があり、生産地ではスーパーでも売れられている身近な食材です。「クワズイモ」は、ハスイモと同じサトイモ科で、四国・九州・沖縄などに広く自生している有毒な植物。クワズイモには、不溶性の「シュウ酸カルシウム」という小さな針状の結晶の毒が多く含まれているため、口の中で刺さると腫れやしびれなどの症状が出るそうです。植えた覚えのない植物が庭先に生えていても、決して口にしないよう注意しましょう。

<「ハスイモ」と「クワズイモ」の見分け方>
ハスイモとクワズイモの葉と茎は、一見しただけでは見分けがつかないほどよく似ています。見分けるポイントは「葉」。クワズイモの葉は表面がツルツルとして光沢があるのに対し、ハスイモの葉には光沢がないのだとか。間違えてクワズイモを食べてしまうケースはあとを絶たず、2025年までの10年間で40人以上の食べ間違いの事例が報告されています。自然毒を持つ植物での食中毒としては、「スイセン(※ニラやネギと食べ間違い)」「ジャガイモ(※芽や皮が緑に変色したものは毒が含まれる)」に次いで3番目に多く、厚生労働省でも注意喚起しているそうです。

秋の食中毒を防ぐために

感染症対策として調理する前には手洗いをしっかり行いましょう。先生によると、冷蔵保存はとても大事ですが、冷蔵庫に保存しても増える菌はあるとのこと。そのため、「冷蔵庫に入っているから大丈夫」と過信せず、調理後はなるべく早く食べきることが大事だそうです。

(2026年10月4日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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