冬の「心筋梗塞」命を守るポイント…どんな人がなりやすい?“心筋梗塞の前兆”と正しい対処法

2023年12月10日(日)放送 【第584回】
冬の「心筋梗塞」命を守るポイント…どんな人がなりやすい?“心筋梗塞の前兆”と正しい対処法

サマリーSummary

ゲスト:渡辺いっけい
ドクター:川崎幸病院 川崎心臓病センター 循環器内科主任部長 医学博士 桃原哲也
突然、胸を締め付けられるような強い痛みに襲われ、最悪死に至ってしまう病「心筋梗塞」。年間約3万2000人が亡くなっており、今からの寒い時期は特に注意が必要だそうです。そこで今回は、心筋梗塞の前兆や命を守るための対処法などを専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは川崎幸病院 川崎心臓病センター 循環器内科主任部長 医学博士 桃原哲也先生です。

今回のテーマは「〜生還者に学ぶ〜心筋梗塞の意外な真実と対処法」

突然、胸を締め付けられるような強い痛みに襲われ、最悪死に至ってしまう病「心筋梗塞」。年間約3万2000人が亡くなっており、今からの寒い時期は特に注意が必要だそうです。そこで今回は、心筋梗塞の前兆や命を守るための対処法などを専門医に教えてもらいました。

心筋梗塞の基礎知識

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<心筋梗塞とは?>
心臓の血管が詰まる心筋梗塞は、心臓の筋肉に酸素と栄養を送る冠動脈にできたプラークが破裂し、血栓を作って血液の流れを遮断する事で起こります。すると、酸素と栄養が十分に届かなくなった部分が壊死を起こし、最悪の場合心肺停止となり命を失う事もあるそうです。

<突然死につながる恐れも!?>
心筋梗塞を発症した人のうち約70%は生存、約20%の人は病院に着く前に亡くなってしまうというデータがあります。例年12月〜1月に死亡者が最も増えるといわれているのだとか。先生によると、発症から1〜2時間以内に亡くなる事もあるので、一刻も早く救急車を呼び病院に向かう事が大切だそうです。

冬の心筋梗塞から命を守るポイント

(1)発症は朝の時間帯に要注意!
先生によると、朝は血圧が上がりやすく朝目覚める前後に血圧が急激に上がる事を「モーニングサージ」と言うそうです。これにより心臓に負担がかかり、心筋梗塞を発症しやすい傾向にあるのだとか。実際に、心筋梗塞の発症時間を調べた統計では8〜12時がピークになっています。そのため、朝は特に注意が必要だそうです。

(2)冷や汗が出ると心肺停止のリスク
心筋梗塞の症状は、一般的に胸が締め付けられるような激しい痛みだそうですが、息苦しさや圧迫感など、痛みとは違う場合もあるそうです。さらに、胸の痛みに伴って冷や汗が出る場合は要注意。冷や汗をかく場合は、血圧が下がり心肺停止をするリスクが高い状態なのだとか。そのため、一刻も早く病院へ行く必要があるそうです。

(3)生死の分かれ道は身近な人に伝える
心筋梗塞は時間との闘い。いかに早く病院へ行き治療を受けるかが命を守る鍵となるそうです。その時に大切なのが、身近な人に知らせる事。番組に出演された心筋梗塞から生還した3名の方々も、身近な人に伝える事で九死に一生を得ていました。命を守るために、身体に異変を感じたらすぐに身近な人に伝えましょう。

命を守る正しい対処法

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<目の前で心筋梗塞を発症した人がいた時は?>
目の前で心筋梗塞を発症した人がいた時は「救急車を呼ぶ」「周りの人を集める」事が大事だそうです。人を集める事で、救急車を呼んだり、AEDで応急処置をしたりなど、役割を分担する事ができるのだとか。そして、倒れている人が呼吸をしていない場合は、胸骨圧迫(心臓マッサージ)をする事で救命率が約2.5倍になるといわれているそうです。

<簡単!ペットボトルで胸骨圧迫の練習>
自宅で簡単に胸骨圧迫の練習ができる方法をご紹介します。使用するのは、500mLの空のペットボトル。実は、胸骨圧迫に必要な力は空のペットボトルを押す力とほとんど同じだそうです。(※手にとった時にボトルがつぶれるほど薄くて柔らかいミネラルウォーターのペットボトルが推奨されています)
▼両手を組み 手首を少し上げる
▼手のひらの付け根でひじをまっすぐにして垂直に圧迫
▼圧迫するリズムは1分間に約100回程度
≪ポイント≫
圧迫時にボトルが2cm程度の厚みになるくらいが目安。ポンプを押して血流を送るイメージで行うと良いそうです。

心筋梗塞の前兆

心筋梗塞を起こした人の半数ほどが、数日前に何らかの前兆を感じているそうです。その症状は、「チクリとした胸の痛み」「息切れ」などが一般的ですが、症状を感じても数分程度で治まるそうです。

<前兆を見逃さないポイント>
先生によると、ちょっとした胸の痛みでも、症状を繰り返したり、感じる時間が長くなったり、強くなったりする場合は、心筋梗塞のリスクが高まっているそうです。そのため、放置せずに早めに循環器内科などで受診しましょう。

<前兆を感じたらすぐ病院へ>
心筋梗塞の前兆が存在する事を広く知ってもらうために、日本循環器学会では「STOP MI(心筋梗塞)キャンペーン」を行なっているそうです。このキャンペーンは、「前兆を感じた時に病院へ行き治療を受けて心筋梗塞を予防しよう!」というもの。ホームページでは、心筋梗塞の前兆についての解説もあるそうです。

「心筋梗塞」どんな人がなりやすい?

先生によると、心筋梗塞は動脈硬化をベースにした病気なので「高血圧」や「糖尿病」などの危険因子がある人は要注意。また、遺伝についてははっきりしていないそうですが、塩分やカロリーの摂り過ぎなど、家族から食生活の影響を受けている可能性は考えられるそうです。

心筋梗塞を予防する食生活

心筋梗塞の大きな原因の一つは「動脈硬化」。血管にダメージを与える高血圧などにより進行し、血管が狭くなることで引き起こされます。つまり、予防するには減塩が重要だそうです。

<カンタンに実践!減塩の工夫>
(1)鰹節につけたしょうゆで使う量を減らす
鰹節につけた醤油は、風味があるので少ない量でも美味しくいただけるそうです。

(2)ワンプレートで食べる量を制限する
一回の食事をワンプレートに盛り付けると、食べ過ぎを防ぐ事ができるそうです。

(3)野菜多めと海藻類を食べる
「アカモク」「もずく」「めかぶ」などのネバネバ成分であるアルギン酸は、塩分の吸収を抑える効果があり、動脈硬化予防にオススメだそうです。

<太らないための運動も動脈硬化予防に!>
有酸素運動や散歩などの運動は、動脈硬化の予防としても良いそうです。大切なのは持続する事。減塩と運動を継続して心筋梗塞を予防しましょう。

(2023年12月10日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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