「めまい」と「耳鳴り」

2022年3月13日(日)放送 【第498回】
「めまい」と「耳鳴り」

サマリーSummary

ゲスト:藤井サチ
60代以上の3割に見られるという「めまい」。一度起きると何度も繰り返してしまう事が多く、その恐怖から日常生活に悪影響を及ぼす事も少なくないのだとか。また、「耳鳴り」もひどくなると眠れなくなるなど、日常生活に影響を及ぼし健康を害する恐れがあるといいます。そこで今回は、耳が原因で起こる「めまい」と「耳鳴り」を徹底リサーチ。原因や改善法を専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~生活を脅かす恐ろしい病~経験者が語る めまい&耳鳴り

60代以上の3割に見られるという「めまい」。一度起きると何度も繰り返してしまう事が多く、その恐怖から日常生活に悪影響を及ぼす事も少なくないのだとか。また、「耳鳴り」もひどくなると眠れなくなるなど、日常生活に影響を及ぼし健康を害する恐れがあるといいます。そこで今回は、耳が原因で起こる「めまい」と「耳鳴り」を徹底リサーチ。原因や改善法を専門医に教えてもらいました。

耳の基礎知識

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

耳の穴からすぐの場所を外耳道といい、その奥に内耳があります。内耳は、カタツムリのような「蝸牛」と半円形の3つの管がある「三半規管」、そしてその間にある「耳石器」。この3つの器官から成っているそうです。

<内耳の器官と役割>
(1)蝸牛
蝸牛は耳で拾った音を電気信号に変える場所。この働きにより、脳は音を認識する事が出来ます。
(2)三半規管
三半規管は、リンパ液という体液で満たされており、頭を動かした時リンパ液も動きます。
このリンパ液の動きによって、頭をどの方向に向けているのか脳で理解しているそうです。
(3)耳石器
耳石器は、ゼリー状の物質の上に耳石と呼ばれる石が無数に乗っている、ちょっと不思議な構造をしています。身体を傾けるとゼリー状の物質も傾き、耳石の位置が変わる事で脳が身体の傾きを感知しているそうです。

めまい患者の約4割を占める「良性発作性頭位めまい症」

良性発作性頭位めまい症とは、めまい患者のおよそ4割を占める最も多い病気。耳石は耳石器から剥がれる事があり、それが三半規管に入ると頭を動かしていなくてもリンパ液が動かされてしまいます。すると、リンパ液の動きで脳では頭を動かしていると認識。実際の頭の位置と脳の認識にズレが起きるため、めまいになってしまうそうです。先生によると、三半規管に入ってしまった耳石は、三半規管から排出されたり細かくなったりして、通常2週間~1か月ほどでなくなっていくそうです。

<耳石が剥がれる原因>
先生によると、耳石が剥がれる原因の1つが「骨粗しょう症」。耳石の主な成分はカルシウムなので、骨粗しょう症になると骨だけでなく耳石もモロくなってしまい、耳石器から剥がれ三半規管に入りやすくなってしまうのだとか。骨粗しょう症患者の約7割は女性なので、良性発作性頭位めまい症の患者の多くも女性だそうです。また、頭部への強い衝撃も耳石が剥がれる原因となり、めまいにつながってしまうとの事。先生によると、良性発作性頭位めまい症の場合は、目の動きを見る事で診断できるそうなので、きちんと診察を受けて原因を突き止めましょう。

<女性に多い理由は?>
女性は、40代以降になると急速に女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減ってしまいます。エストロゲンにはカルシウムを吸収する作用があるので、減少するとカルシウムをうまく吸収できなくなり、骨粗しょう症が進む事で耳石が剥がれやすくなるそうです。

名医オススメ!めまいの改善法「寝返り体操」

先生オススメの「寝返り体操」をご紹介します。寝返り体操を行う事で、耳石が動いて
三半規管から出たり、耳石自体が細かくなったりするので、めまいを通常より早く改善する効果が期待できるそうです。

<寝返り体操>
▼仰向けに寝て 右に身体を向け10秒そのまま
▼正面を向いて10秒そのまま
▼左に身体を向け10秒そのまま
▼正面を向いて10秒そのまま
▼上記を朝晩10往復繰り返す

耳石以外の「めまい」の原因

<脳出血、脳梗塞>
めまいと同時に、顔や手足のしびれ、ろれつが回らないといった症状がある場合は、脳出血や脳梗塞の可能性があるので、すぐに病院へ行ってください。

<メニエール病>
メニエール病は、内耳全体がリンパ液によって水ぶくれになってしまう状態。激しいめまい・難聴・耳鳴り・耳が詰まった感じなど、さまざまな症状が同時に起こり、何度も繰り返す病気だそうです。先生によると、メニエール病はストレスと関係しているので、ストレスを避けたり、解消したり、睡眠を十分にとって生活習慣などを改善する事で、病気の改善や予防効果が期待できるそうです。

耳鳴りが起こる原因

先生によると、静かな所に行って「キーン」と感じる耳鳴りは、病気ではないとの事。ただし、耳鳴りが続くときは注意が必要な場合もあるそうです。耳鳴りが長引くと、睡眠の妨げになったり、うつ病などさまざまな不調につながったりする恐れもあるので、症状が長引く場合はきちんと診察を受けましょう。

<高い音の耳鳴りが続く場合>
高い音の耳鳴りが続く場合は、聞こえが悪くなっている事が考えられるそうです。そもそも、内耳にある蝸牛の中には、有毛細胞という毛のような細胞があり、これが音の振動を電気信号に変えています。しかし、有毛細胞は、加齢などで高音を感じる蝸牛の外側の部分から失われていくため、聞こえにくくなっていくのだとか。すると、脳は送られてこない電気信号を受け取ろうと過剰に活性化。その結果、聞こえなくなった高い音を脳が作り出し、耳鳴りが起きてしまうそうです。

<低い音の耳鳴りが続く場合>
ゴーといった低音の耳鳴りが続く場合は、有毛細胞の問題ではなく、耳垢で耳の穴が塞がれ蝸牛に音の振動が届きにくくなっている場合や、内耳全体がむくんで音の振動が伝わりにくくなるメニエール病などの原因が考えられるそうです。

<脈拍のような耳鳴りがする場合>
ドクッドクッという脈拍のような音がする耳鳴りの場合は、耳の奥に腫瘍があったり、脳の中に動脈瘤が見つかったりする場合があるそうです。

耳鳴りを予防・改善する方法

<音響療法>
耳鳴りよりも小さな音量で、水が流れる音などをスピーカーから流すと、耳鳴りの音が目立たなくなるそうです。これを「音響療法」といいます。音を流している間は、耳鳴りが気にならなくなるためなるべく長時間聞くようにすると良いのだとか。また、眠る時にも音を流す事で耳鳴りが気にならず、寝付きやすくなるそうです。

<サウンドジェネレーター・耳鳴り順応療法>
サウンドジェネレーターは、耳鳴りのための専用機器。補聴器のような形をしており、音響療法で使う音が常に流れるようになっているそうです。また、サウンドジェネレーターなどを使った音響療法を繰り返し、徐々に耳鳴りの音を意識しないようにする「耳鳴り順応療法」という治療法もあるので、気になる方は一度耳鼻咽喉科で相談してみてください。

~耳鳴りを予防するには難聴を防ぐ事が大切~
先生によると、難聴を防ぐ事が耳鳴りの予防になるとの事。その1つとして、大きな音を聞かない事が大切だそうです。例えば、混んでいる電車など騒音が大きいところでイヤホンを使うと、イヤホンの音量が大きくなりすぎてしまいます。そのため、周りの騒音を打ち消すノイズキャンセリング機能のあるイヤホンを使うと、音が大きくなりすぎてしまうのを防ぐ事ができるそうです。

(2022年3月13日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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