ひざ痛の悩みを名医がズバリ診断!

2021年6月6日(日)放送 【第459回】
ひざ痛の悩みを名医がズバリ診断!

サマリーSummary

ゲスト:麻木久仁子
ゲンキリサーチャー:コカドケンタロウ(ロッチ)
ドクター:お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック 院長 医学博士 銅冶英雄
現在、日本人の約1000万人が悩まされている「ひざの痛み」。潜在的な患者を含めると推定3000万人もいるといわれています。これまで多くの関節痛患者を診てきた先生によると、実はひざの痛みの主な原因の5割以上は、ひざとは別のところにあるのだとか。そこで今回は、ひざの痛みの原因や改善法を専門医に教えてもらいました。

ひざ痛の原因の大半を占める「変形性ひざ関節症」とは?

ひざ関節は、大腿骨・脛骨・膝蓋骨(お皿)の骨で構成され、軟骨で覆われています。軟骨は骨同士の摩擦を減らし、衝撃を和らげるクッションの役割をしていますが、加齢などにより軟骨がすり減ると、そのかけらで炎症が起きて痛みが生じます。これが「変形性ひざ関節症」です。悪化すると歩行が困難になり、安静時でも痛みが取れず日常生活に支障をきたす恐れがあるそうです。40代から増加し、ひざ痛の原因の大半を占めるといわれています。

ひざの痛みの原因①「腰」

先生によると、ひざの痛みに悩む人の5割以上は、主な原因が腰にあるとの事。腰椎(腰にある背骨)は、通常前方向にゆるくカーブしています。しかし、悪い姿勢が続くと、骨と骨の間にある椎間板の中の髄核がズレてしまい神経を圧迫。これが神経を通ってひざの痛みを引き起こすそうです。

<猫背姿勢に要注意!>
ひざの痛みがある方が猫背姿勢を続けていると、腰からの神経痛も加わってひざの痛みが増幅してしまうそうです。そのため、デスクワークで猫背姿勢になる方は要注意。腰の神経が圧迫されて、ひざ痛の原因になっているかもしれません。

簡単体操で腰からのひざ痛を改善!

腰からきているひざ痛の改善が期待できる体操を2つご紹介します。一度すり減った軟骨は元に戻りませんが、痛みが和らぐ方の体操を続ける事で持続的な効果が期待できるそうです。

<猫背姿勢の方におすすめ!後屈体操>
▼脚を肩幅に広げ ひじを伸ばして両手を壁につく
▼ひじとひざを伸ばしたままお腹を前に出す
▼腰を2~3秒反らせて元に戻す
▼これを10回行う
≪ポイント≫
デスクワークをしている方や猫背の方におすすめなのが、こちらの体操。腰を後ろに反らす事で、髄核の位置が修正されて神経の圧迫が減り、腰からきていたひざの痛みが軽減されるそうです。体操の前後で痛みを確認し、少しでも良くなっていればこの体操を続けましょう。

<立ち仕事の方におすすめ!前屈体操>
▼壁を背にして立つ
▼背中を壁にもたれさせ骨盤に手を当てる
▼おじぎをして上半身を前に倒し2~3秒したら元に戻す
▼これを10回行う
≪ポイント≫
先生によると、立ち仕事や接客業の方は、反り腰になりがちなので前屈体操がおすすめとの事。体操の前後で痛みを確認し、少しでも良くなっていればこの体操を続けましょう。

ひざの痛みの原因②「関節包」

先生によると、ひざの痛みはひざの関節周りにある関節包に原因がある事も多いとの事。この部位には神経がたくさん通っているため、正座などでひざに負担がかかると関節包がゆがみ、痛みが生じる事があるそうです。

<しゃがんだ姿勢や長時間の正座に要注意!>
ひざの痛みがある方が、しゃがんだ姿勢や長時間の正座・あぐらを続けていると、ひざ関節の折り曲がる角度が大きくなるため、ひざに大きな負担がかかってしまうそうです。

簡単体操で関節包からくるひざ痛を改善!

関節包からくるひざ痛の改善効果が期待できる体操を2つご紹介します。痛みが和らぐ方の体操を続ける事で、ひざ痛の改善につながるそうです。

<ひざを曲げる姿勢が多い人におすすめ!ひざ伸ばし体操>
▼痛む側の脚を前に出し ひざのお皿の上に両手をおく
▼ゆっくり手に力を入れ ひざ裏が伸びきるように押す
▼2秒押したら力を抜く
▼これを10回行う
≪ポイント≫
正座やあぐら、しゃがむ姿勢が多い方におすすめの体操です。ひざを伸ばす事で関節包のゆがみが修正され、痛みが軽減すると考えられるそうです。

<ひざを伸ばした姿勢が多い人におすすめ!ひざ曲げ体操>
▼痛む側の足をいすに乗せ ひざに両手を添える
▼重心を移動させひざを突き出し2秒キープしたら元に戻す
▼これを10回行う
≪ポイント≫
立ち仕事などでひざを伸ばした姿勢が多い方におすすめの体操です。

ドクターが回答!気になるひざの症状

・ひざがカクカクしたり、ポキポキ音が鳴ったりする事があるけど大丈夫?
散歩中などにひざがカクカクするのは、関節のひっかかりが起きているせいかもしれないとの事。いずれも、痛みが伴わなければ心配はいらないそうです。

・ひざ痛を予防するためにひざを鍛える事はできる?
先生によると、大切なのはひざの痛みが出ないような日常生活を送る事。ひざの筋肉を鍛えるのは良いですが、痛いのに無理して歩くと軟骨のすり減り進めてしまい、却ってひざに悪いそうです。そのため、運動をする際は痛みのない範囲で行いましょう。

足にまつわるもう1つの関節痛「変形性股関節症」とは?

変形性股関節症とは、骨盤と大腿骨の間にある軟骨がすり減り、骨同士が当たって痛みが生じる病気。その患者数は、全国で推定500万人といわれています。立ち上がりや動き始めに痛みが出るのが特徴で、現在痛みがなくても、加齢などで軟骨がすり減るため油断は禁物だそうです。

<変形性股関節症の原因>
変形性股関節症は、特に女性に多い病気として知られています。女性には骨盤と大腿骨のはまりが浅い人がおり、それが大きな要因となっているそうです。放っておくと安静時も痛み、生活自体が困難な状態になってしまう事もあるため注意が必要です。

変形性股関節症の痛み改善・予防に!「フラダンス体操」

変形性股関節症の患者さんは、股関節が凝り固まり、関節の動きを滑らかにするに滑液が出にくくなるのだとか。そこで、先生おすすめのフラダンス体操をご紹介!股関節の軟骨も一度擦り減ると、基本的には元には戻りませんが、体操をする事によって滑液が出て、股関節の動きが滑らかになり、痛みの改善や予防が期待できるそうです。

<ドクターおすすめ!股関節ストレッチ「フラダンス体操」>
▼肩幅くらいに両脚を広げて両手を腰に当てる
▼ひざを曲げて前傾姿勢にして骨盤をゆっくり20回まわす
▼反対側も20回まわす
▼1日3セット行う
<ポイント>
骨盤を回すときは、腰の外側が脚の位置より外になるように大きく回してください。つらい方は、できる回数から始めればOK!朝起きた時や歩く前などに行うと効果的だそうです。

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