まだ間に合う!糖尿病対策

2020年11月8日(日)放送 【第431回】
まだ間に合う!糖尿病対策

サマリーSummary

ゲンキスチューデント:トラウデン直美
ゲンキリサーチャー:レギュラー
ドクター:岐阜大学医学部附属病院 糖尿病代謝内科 教授 医学博士 矢部大介
11月14日は世界糖尿病予防デー。全世界で糖尿病に関する疾患で命を落としている人は、6秒に1人。日本でも5人に1人が糖尿病患者もしくは糖尿病予備軍といわれています。糖尿病の怖いところは、自覚症状がない事。気づいた時には血管がボロボロになり、心筋梗塞や脳梗塞で命を落とす恐れもあるんです。そこで今回は、糖尿病の原因や対策法を専門医に教えてもらいました。

糖尿病の基礎知識

・糖尿病ってどんな病気?
糖尿病とは、本来細胞や筋肉のエネルギーとして利用される糖が上手く使われずに余ってしまい、血液中の糖の濃度「血糖値」が高くなる病気です。血糖値の高い状態が続くと糖は有害な物質に変化し、血管を傷つけて詰まりやすくなります。そのため、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気や、失明、腎機能障害、足の壊疽などさまざまな合併症につながってしまいます。

・糖尿病の種類
糖尿病は、「1型」「2型」の2種類に分かれます。今回は、主に生活習慣が原因で起こり、患者の95%を占める2型糖尿病について詳しくご紹介していきます。
<糖尿病の種類>
「1型」
◎25歳以下で発症する事が多い
◎感染症や遺伝子が原因と考えられる
◎患者の5%が該当
「2型」
◎成人特に40代以降に発症する事が多い
◎生活習慣の乱れが主な原因
◎患者の95%を占める

なぜ血糖値が高くなる?キーワードは「インスリン」

食事をすると、胃の後ろ側にあるすい臓でインスリンが分泌されます。インスリンには、血中の糖をエネルギーとして使えるように細胞や筋肉に運ぶ役割があり、正常に働けば甘い物を食べても糖分は消費され血糖値は上がりません。しかし、何らかの原因でインスリンの分泌量が減ったり、効きにくくなったりすると血液中に糖が余り、血糖値が上がってしまいます。

糖尿病の原因①「内臓脂肪」

脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があり、糖尿病の主な原因となるのが内臓脂肪です。内臓脂肪は、インスリンの働きを邪魔するため糖が使われず血糖値が高くなります。すると、すい臓は血糖値を下げようとフル稼働でインスリンを分泌しますが、やがて疲れてしまい分泌できる量が少なくなってしまいます。内臓脂肪が増える主な原因には、脂質の摂り過ぎが考えられます。また、先生曰く大人になって急に太ると、内臓脂肪が増える傾向にあるとの事です。

糖尿病の原因②「早食い」

早食いもすい臓が疲れてしまう原因の1つ。早食いをすると血糖値が急激に上がり、それを下げようとすい臓が必要以上に働いてしまいます。すい蔵に負担をかけないためには、少なくとも1食に15分をかけるようにすると良いそうです。

糖尿病の原因③「筋肉」

筋肉を動かすと、糖がエネルギーとして消費されます。しかし、筋肉量が少ないと十分に糖が消費できず血糖値が上がってしまうのだそうです。そのため、若い方や痩せている方も油断は禁物!筋肉を増やす・維持する事が大切です。

糖尿病の疑問あれこれ

Q.炭水化物を控えると糖尿病予防になる?
先生曰く、糖尿病の発症に関係するのは炭水化物ではなく脂質。炭水化物を制限すると、短期的には血糖値や体重減少に効果がありますが、長期的な効果・安全性については分かっていないとの事。さらに、極端に炭水化物を減らすと、脳のエネルギーである糖が不足し、集中力の低下やイライラの原因につながるそうです。

Q.痩せていても糖尿病になる?
日本人は、内臓脂肪がつきにくい生活をしていたため、インスリンの分泌量が少ない体質なのだとか。そのため、そんなに太っていない人でも、内臓脂肪が増える事によってインスリンが働きにくくなり糖尿病を発症しやすいそうです。

5分の意識で劇的改善!ダイエットにも!血糖値が改善する簡単食事法

先生が患者さんに指導している簡単食事法をご紹介します。糖尿病の予防・改善だけでなくダイエットの効果も期待できるそうなので、気になる方はぜひお試しください。
(※インスリンを含め糖尿病治療薬を使用されている方は、必ず主治医と相談の上適切に実践してください。)

<ドクターおすすめ!血糖値が劇的改善「5分だけ待っての法則」>
①最初に野菜を食べる
野菜に含まれる食物繊維には糖を包み、腸から吸収されるのを遅らせる作用があります。
②次に肉・魚を食べる
たんぱく質や脂質を摂ると、腸からインクレチンというホルモンが分泌され胃から腸へ糖が流れるのを遅らせます。
③5分経ってから炭水化物を食べる
野菜を食べ始めて5分経ったらご飯を食べてOK!食べ過ぎなければ、メニューの制限もありません。

≪ポイント≫
5分でおかずを食べ切ってしまわないように、よく噛んで食べるのがポイント。インクレチンは、噛む事でも分泌されます。また、カレーライスや丼ものなどは、サラダを添えて先に食べるようにしてください。どうしても忙しい時は、食前に牛乳を飲む事でも効果が期待できるそうです。

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