ヴァイオリニストの高松亜衣が、憧れのピアニスト・菊池亮太と地元・愛知県で共演 唯一無二の表現がまだ見ぬ色に
超絶技巧でファンを魅了するピアニスト・菊池亮太と、愛知県一宮市出身のヴァイオリニスト・高松亜衣らが共演するコンサート「大同特殊鋼 名演奏家シリーズ2024 菊池亮太&高松亜衣 CLASSIC LAND」が、11月17日に、東海市芸術劇場 大ホールで開催される。豊かな表現で1音で聴衆を釘付けにしてしまう2人に、出会いからコンサートへの意気込み、幼少期の音楽体験や、奏者を志したきっかけなどについて聞いた。インタビュー前編では、クラシック曲から、映画音楽など幅広いプログラムで観客を迎える公演に向けた思いを語ってもらった。(取材・文:翡翠、撮影:岡崎雄昌)
初対面は昨年6月 憧れの人との対面に「本物だ!」
――11月17日に高松さんの地元・愛知県で「名演奏家シリーズ」が開催されます。高松さんと菊池さんは、これまでに面識があったのでしょうか。
菊池:はい。最初にご一緒したのは昨年6月に、東京都内で行われた「家族で楽しめる!名曲コンサート」でした。
高松:お互いにソリストとして出演していたので、このときは共演はしなかったんですよね。
――お互いの第一印象について教えて下さい。
菊池:高松さんは、チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲第3楽章」を演奏されたのですが、ものすごいスピードで弾かれているのを見て、きゃしゃな身体のどこからこんなエネルギーがわき出てくるのかと驚きました。
高松:私は菊池さんがYouTubeで動画を配信をされているのを見ていたので、菊池さんにお目にかかったときは「本物だ!」と思いました。ストリートピアノの動画では、歩いている人の足を止めてしまうんですけど、その様子を見て自分もそうなりたいと目標にしているので、お会いできたときはうれしくて「写真撮って下さい!」ってお願いしたんですよね。
リクエストコーナーでは即興で作曲も!
――11月のコンサートでは、菊池さんはガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」のほか、リクエストコーナーを展開予定で11月14日まで応募を受け付けています。高松さんはマスネの「タイスの瞑想曲」を演奏されます。
菊池:リクエストは、僕のコンサートでよくやるんですけど、曲を演奏するのとは別に、その場で好きな「音」を4つくらい挙げてもらって、その4音を元に即興で作曲するということを、名古屋でもやりたいなと思っています。その場でしかできない。聴くことができないことを楽しんでもらいたいです。
高松:演奏する「タイスの瞑想曲」は美しく弾くことを大切にしています。同じ旋律を繰り返していくのですが、ガラッと色が変わるポイントがあって、だんだん盛り上がっていくけれど、最後に小さくテーマを弾くところもあって、その変化を楽しんでいただきたいです。
お互いの表現に驚いた〝神曲〟
――クラシック曲に加え、「オーバー・ザ・レインボー」、「サウンド・オブ・ミュージック」などの映画音楽も演奏されます。ラインアップに入っていないけれど、演奏してみたい曲はありますか?
高松:サン=サーンスの「死の舞踏」を一緒に演奏できたらなと思っています。ヴァイオリンが旋律を奏でていくのですが、ヴァイオリンとピアノの掛け合いがある曲で、菊池さんにどんどん演奏をひき出してもらった感覚がありました。背中にものすごいエネルギーを感じながら演奏して、色がどんどん変わっていく!って感激したんです。ストリートライブなどで歩いている人たちを立ち止まらせてしまうパワーは「これか!」ってびっくりしました。
菊池:そのときのこと、すごい覚えています。軽やかな部分もあるけれど、朗々と弾くところもあって、ヴァイオリンはギターと違ってフレットがないのに、微妙なニュアンスを表現する繊細さがあって。素晴らしいなと感じましたし、低音の構成をどうしようかなどすごく考えさせられた思い出もあります。11月に演奏できたら良いですね!(笑)。
音楽を聴いて受け取った衝撃は、将来かけがえないものに
――11月のコンサートは、開演前にキッズアナウンサーが注意事項を読み上げるなど、楽しい企画がいっぱいです。
菊池:僕が演奏する「ラプソディ・イン・ブルー」は長い曲ですが難解ではなく、映画のような展開がある曲です。今回は子供向けのプログラムではありませんが、大人から子供まで楽しめる内容になっております。〝子供向け〟ということを嫌がるお子さんもいると思うので、音楽の中に見つけた楽しさなど、自分だけが受け取った衝撃をたくさん持って帰ってほしいなと思います。そういう感覚は、成長して思い返した後に、かけがえないものになると思います。
高松:私としては菊池さんが愛知に来る! ということを、もっと皆さんに知らせたいです。絶対聴きに来た方がいいよ! 友達に自慢できるよ!!って言いたいです。親子はもちろん、3世代で楽しめると思います。それぞれ響くところが違うと思うので、家族の思い出を作りにぜひ、いらして下さい!
高松さんが演奏した「死の舞踏」は、今秋TBSで放送されていた日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」(第3話)のオペシーンで流れていたことでも話題を集めた楽曲。アイデア豊かな2人が、お互いの表現に驚いた〝神曲〟の演奏が実現することを心待ちにしたい。
インタビュー後編では、ファンが楽しみにしているYouTubeでの配信について、演奏家を志したきっかけについて聞いていく。
◇「名演奏家シリーズ」とは…
愛知県に拠点を置く、大同特殊鋼株式会社が社会貢献・芸術文化活動支援の一環として協賛し開催しているコンサート。株式会社CBCテレビの企画・主催のもと、演奏者と一体感を味わうことのできる演出やラインアップが幅広い層から支持されている。最近では、ヴァイオリニストの石田泰尚、チェリストの宮田大、ピアニストの亀井聖矢などが出演した。
大同特殊鋼 名演奏家シリーズ2024
「菊池亮太&高松亜衣 CLASSIC LAND」
2024年11月17日(日)15:00開演 東海市芸術劇場 大ホール
公演詳細・リクエスト応募は下記リンク(関連リンク)から!