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三冠王の阪神・佐藤輝明がうらやましい!竜選手の個人タイトル“獲得なし”に涙

三冠王の阪神・佐藤輝明がうらやましい!竜選手の個人タイトル“獲得なし”に涙
最終戦セレモニー:筆者撮影

ペナントレースの戦いが終わり、クライマックスシリーズ真っ只中。リーグ最下位の中日ドラゴンズは熱戦を横目にしながら、さらに、2026年(令和8年)は個人タイトルにもまったく縁がなかった。(敬称略)

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バース以来“虎の三冠王”

三冠王が誕生した。阪神タイガースの主砲、佐藤輝明である。打率3割6厘で「首位打者」、ホームラン39本で「本塁打王」、そして106打点で「打点王」、見事に三冠王に輝いた。村上宗隆が東京ヤクルトスワローズ時代の2022年(令和4年)に達成して以来、4年ぶりの快挙である。タイガースでは、1985年(昭和60年)と1986年に、ランディ・バースさんが2年連続で達成して以来の三冠王である。

まさに“猛虎打線”だった

佐藤輝明の打棒は素晴らしかった。シーズンを通して大きなスランプもなかった。前年は本塁打と打点の二冠だったが、さらに打撃技術に磨きをかけた結果、過去に8人しか達成していない“打撃主要3部門の独占”という高みに到達した。今シーズンはドラゴンズも度々、痛いところで打たれた。連覇を果たした今季のタイガース打線が、文字通り“猛虎打線”だったのは、打率では打撃ベスト5の中に4人、ホームラン数も森下翔太が35本で佐藤に続き、打点にいたっては2位の大山悠輔を加えて佐藤と森下の3人で上位を占めていることが物語っている。

投手部門も阪神ほぼ独占

投手部門でもタイガースの強さが際立っている。何と言っても高橋遥人(※「高」は「はしごだか」)、16勝3敗で、最多勝利と最高勝率のタイトルを手にした。高橋は決して若手ではない31歳、度々のケガに泣き、左ひじのトミー・ジョン手術も経験した。前年は3勝だったが、今季はその5倍以上の勝ち星を挙げた。

タイガースからはこの他、最優秀防御率に村上頌樹、最多奪三振に才木浩人とタイトルを取っている。打撃部門と合わせて、リーグ優勝は当然の結果であろう。ちなみに、今年から創設された「長嶋茂雄賞」は佐藤輝明、投手を対象にした「沢村栄治賞」は高橋がそれぞれ選ばれるだろうと、私見ではあるが早々に予想しておきたい。

淋しい個人タイトル“ゼロ”

細川成也選手(C)CBCテレビ

さて、ドラゴンズである。チームは2年ぶりの最下位となった。過去5年間で4度目の最下位である。低迷のトンネルは長い。監督も交代する。そして、個人タイトルの選手名の中に、ドラゴンズ選手はひとりもいない。もう少し視野をタイトル以外に広げて個人成績を見てみても、評価できそうなのは、細川成也が四球の数で92と、リーグのトップであることぐらいだろう。投手部門では、大野雄大、柳裕也、そして金丸夢斗の3人が規定投球回をクリアしたが、打撃部門で規定打席に達したのは細川と村松開人の2人だけだった。

選手も輝けなかった今季

岡林勇希選手(C)CBCテレビ

チームが最下位になっても、これまでは個人成績では結果を残した選手がいた。立浪和義監督の3年連続最下位だった時代も、2022年には岡林勇希が自身初の最多安打タイトルを取った。2024年には、高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)が最優秀防御率、松山晋也が最優秀中継ぎ投手、そしてライデル・マルティネス(現・讀賣ジャイアンツ)がどちらの年も最多セーブのタイトルを手にしている。そう考えると、球団創設90周年の今季は、チームとしても、選手個人としても、どちらも“輝けなかった”シーズンだったと言えよう。

厳しいオフを過ごしてほしい

バンテリンスタンド:筆者撮影

成績不振を理由に井上一樹監督は辞任した。球団史上で最も多い40回の逆転負けなど、ファンにとって今年ほど、応援していて辛いシーズンはなかった。それが個人タイトルにも、はっきりと表れている。工藤公康さんが新しい監督に決まって以来、老若男女ドラゴンズファンは沸き立っている。しかし、どんな凄腕の監督であっても、グラウンドでプレーをするのは選手であり、ドラゴンズの選手ひとりひとりには、自分の野球人生と向き合い切磋琢磨する、厳しいオフを過ごしてほしいと願う。

来季は個人タイトル一覧が「中日ドラゴンズ」の名前で埋まることを切に願い、工藤新監督の下で進む新たなコーチ陣の編成、ドラフト指名、そしてトレードなどの改革を見守りたい。

【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。

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