「理想だったけど、俺にはそれができなかった」井端弘和氏が脱帽したドラゴンズ福永裕基の“打撃の極意”を大公開
【サンドラを観られなかった全国のドラ友と共有したい番組のコト】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム
このコラム(?)は「サンドラ」を観られなかった全国のドラ友に話したい! との思いから番組の内容を綴る、竜党のみなさんに向けた、竜党による、竜党のためのコラム(?)である。
5月14日の放送回で共有したいトピックスは、ドラゴンズ福永裕基選手と井端弘和さんによるスペシャル対談。ドラフト7位ルーキーの福永選手といえば今まさに竜党に希望を与える存在。キャンプからオープン戦にかけてアピールを続け開幕スタメンを勝ち取ると、主に2番や5番として安定した打撃でセカンドのレギュラー定着をはたした。2度の指名漏れを経て26歳で念願のプロ入りをはたした福永選手の肩書きは“逆襲のオールドルーキー”。対談はこの肩書きについてのトークから始まり、井端さんが福永選手の打撃の秘訣について斬り込んだ。
福永選手の“独特”な打撃の極意とは?
井端氏:“逆襲のオールドルーキー”という肩書きは気に入っていますか?
福永選手:名前を付けてもらうのは覚えてもらうためにも嬉しいことだと思います。
井端氏:去年のドラフトで支配下選手としては最後の指名だったじゃないですか。そこから開幕一軍を勝ち取って(今の活躍を)想像できましたか?
福永選手:現段階ではここまでやれるとは正直想像していなかったです。
井端氏:自分の中で打撃で意識していることはありますか?
福永選手:どちらかというと反対方向を意識してやっていましたけど、内角を攻められることが多くて。内角を引っ張れる(レフト方向に打つ)ようにということを練習では意識してやるようにしていました。
井端氏:ちょっと独特だよね、打ち方が。どうやってバットを出すイメージ?
福永選手:コースによってというイメージで外角に来たらライト方向に。内角に来たら引っ張る(レフト方向に打つ)ぐらいのイメージで振っています。
井端氏:僕が見ている限りでは、まずは全部センター方向に打ちにいっているのかなと思っていたの。
福永選手:そうですね、基本はセンター返しです。
井端氏:センターに打ちにいったのが(タイミングが)ちょっと早ければレフト、遅ければライトに。それ(コースによって打ち方を変える)ができるからすごい。俺はできなかった、それが理想だと思っていたけど。本来、右方向を狙って打った時は体がついていくというか。目線と力がライトに。逆に引っ張った時は顔もレフトに。でも福永選手は顔は正面を向いているのに、打球はレフトやライトに飛ぶ。今の打撃スタイルっていうのは変えるとすべて狂っちゃうと思うので、このまま続けていってほしいなと。そのほうが確率も高いと思うし、今のスタイルを貫いてくれれば。
井端氏が守備の極意を伝授
井端さんも絶賛する打撃でレギュラーの座を掴んだ福永選手だが、すべてが順調だったわけではない。5月3日のタイガース戦で勝敗に大きく関わる“ミス”を犯していた。1点リードで迎えた9回ウラ、一打同点のピンチで福永選手に飛んできた打球は股の下を通過する“トンネル”。これが同点のタイムリーエラーとなり、その後、チームはサヨナラ負けを喫した試合であった。このプレーの振り返りをきっかけに、福永選手が井端さんに守備の極意を尋ねるトークへと展開した。
井端氏:単刀直入に、甲子園のあのエラーはどうでした?
福永選手:あれだけのタイガースの応援があって、9回の緊迫した場面で。足が少し動かなかったというか、止まってしまって。(ボールを体で)止めにいった形になったので、結果的に下を抜けてしまった。なかなか今までの経験上、自分のミスで負けたプレーはあまりなかったので、チームに申し訳ない気持ちと悔しい気持ちで。正直落ち込んだりしたんですけど、プロ野球は毎日試合があるので、なんとか切り替えようとする中でまわりにも沢山声をかけていただきました。そういう事も励みに、今頑張っているという感じです。(井端さんにお聞きしたいのは、守備の)一歩目をどのように切られていたのか・・・
井端氏:一歩目は、(打球の)第一バウンドを見るのが大事。(バットに)当たった瞬間に反応すると打球に合わせづらいから、まずは打球がワンバウンドをした時に合わせてからボールを追っていったほうがいい。(打球を)確認するというか、見る“間”を作るのが大事なのかなと思いますね。ボールとバットが当たった瞬間に動くと、たぶんああいうことが起きる。(打ってすぐに)動いちゃったでしょ?
福永選手:固まってしまいました。
井端氏:ああいうミスは絶対に起きるから。俺もあったし、荒木コーチもあったし、立浪監督もあったと思うし。みんなが通る道だから、それが早めに起きたから良かった。
“逆襲のオールドルーキー”が新人王に向けての意気込み
甲子園のミスから2日後、5月5日のジャイアンツ戦。福永選手は本拠地・バンテリンドームで記念すべき一発を放った。セ・リーグのルーキーでは一番乗りとなるプロ初ホームラン。タイガース戦でミスをした次の日から3試合連続でマルチヒットを記録し、うまく切り替えをしたことでプロ向きを証明してみせた。
井端氏:(プロ初ホームランは)打った瞬間行ったと思った?
福永選手:いや、そんなことないです。切れる(ファウル)かなと思いながら、届くかなという感じでした。
井端氏:嬉しかったですか?
福永選手:嬉しかったです(笑)。やっぱり気持ち良かったです。バンテリンドームで打てたので。
井端氏:福永選手をここまで見ていて、なかなかしぶといなと見ています。0安打で終わる時がなく、きっちりと1安打でも打って終わっているところで今の高打率に繋がっていると思います。新人王に向けてはどうですか?
福永選手:まだ全然意識はないですけど・・・
井端氏:カメラに向かって。
福永選手:(苦笑いをしながら)一日ずつ必死に積み重ねた結果、シーズン通して活躍できて、新人王に届くように頑張ります。
井端氏:逆襲して新人王とれるように頑張ってほしいと思います。
福永選手:はい、頑張ります。
イチ視聴者(筆者)の番組感想まとめ。最後の指名選手が新人王になんて、夢に溢れてかっこよすぎる!!
今回のサンドラを観た感想・・・。対談VTR後にはドラフト指名漏れを経験して活躍をした選手としてカープの栗林良吏投手、ベイスターズ山﨑康晃投手、カープ秋山翔吾選手が紹介されました。しかし、福永選手は社会人で2度の指名漏れを経験し、さらにドラフトの支配下選手としては最後の指名とあって、まさに崖っぷちから夢を掴んだ力強さを感じます。26歳でのプロ入りとあってそれほど時間の猶予がない中でアピールをしないといけないプレッシャーもあったはず。それらすべてを跳ね除けて定位置を掴んだ福永選手にはもっと夢を与えていただきたい。それはズバリ、セ・リーグの新人王!井端さんは福永選手が新人王を獲得する合格ラインとして「今シーズン、全部の試合に出てほしいですね。その中で、結果として3割を打ってくれれば新人王に近づくんじゃないかと思います」と語っていました。井端さんが脱帽した打撃に注目しながら、“逆襲のオールドルーキー”の新人王への道を追いかけたいと思います。
(このコラムを書いたのは・・・サンドラ視聴歴約30年の40代竜党)