160キロ超え宣言のドラフト3位左腕・石森大誠よ、キミは竜のチャップマンになれ!!
【サンドラを観られなかった全国のドラ友と共有したい番組のコト】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム
このコラム(?)は「サンドラ」を観られなかった全国のドラ友に話したい! との思いから番組の内容を綴る、竜党のみなさんに向けた、竜党による、竜党のためのコラム(?)である。
11月21日の放送は、ドラフト3位・石森大誠投手がスタジオ生出演。悲願のプロ入りを果たすまでの成長の裏話や野球を辞めることも考えたという挫折に迫るとともに、プロでの大いなる目標についても語った。まずは石森投手がNPB12球団のスカウトから注目を集めることとなった『火の国サラマンダーズ』時代の活躍から触れていこう・・・。
掴んだ自信は3位指名に満足できなくなるほどに
石森投手がNPB入りを目指して選んだ場所は熊本。今年の2月に九州に誕生した独立リーグの新チーム・火の国サラマンダーズに入団した。石森投手はキャンプインの際に明確な目標を口にしていた。
「自分の目標であるNPB入りを目指して欠かせない時間だと思っているので、その自分の目標に向けて頑張りたいと思います。今年こそはつかみ取りたいと思います」
クローザーを任された石森投手は九州アジアリーグで36試合に登板すると19セーブ、防御率1.73の好成績を残してチームを初代王者に導いた。その活躍はNPBのスカウトの目に留まり、ドラゴンズから3位指名を受けた。印象的だったのは指名後の記者会見。念願が叶ったことに満足していると思いきや、指名順位に正直な思いを明かしていた。
「自分的には順位は上かなって思っていたんですけど、3位でいけたので本当に良かったです。自分は青色が好きなので、中日ドラゴンズで良かったと思います」
指名順位に微妙な感情を抱いたのも自身の成長にたしかな手応えがあったからこそ。投球スタイルは最速155キロのストレートを軸に鋭く落ちるフォークで三振を奪う。まだまだポテンシャルは未知数でMAX160キロを目指す。1年でこれほどの飛躍を遂げた背景にはひとりの人物との出会いによるものだった。
NPB182セーブの名クローザー・馬原監督との出会い
「160キロも全然夢じゃない投手だと思うんですよ。それくらいポテンシャルを秘めたピッチャー」
そう石森投手に最大級の太鼓判を押すのは火の国サラマンダーズで監督を務める馬原孝浩さん。先発で制球に苦しんでいた石森投手の素質を見抜き、開花させた。馬原さんといえばNPBで通算182セーブを挙げた日本を代表するクローザーの一人。馬原さんも現役時代に直球とフォークを武器に活躍しており、石森投手に惜しみなく自身の経験を注ぎ込んだ。
石森投手は「(馬原監督から)『大誠は1イニングを集中して投げるほうが絶対力が発揮できる』と言われて、『プロの2軍が相手でもかする事もない』と言われたのが、今年1年その言葉一つで投げ抜いてこられた」と恩師の言葉が大きな力になったと口にしていた。
飛躍の一年が順風満帆な野球人生のように感じさせるのだが、そこに辿り着くまでは多くの挫折を乗り越えてきた。最初の挫折は竜のある選手が関わっていたのである。
ライバル視するのは敗北感に打ちのめされた竜の同級生左腕
石森投手が石川県の強豪・遊学館高校3年生のときに甲子園に出場した3回戦の対戦相手は神奈川県の東海大相模高校。相手のエース投手は現ドラゴンズの小笠原慎之介だった。石森投手は8回に1死一塁の場面でマウンドに上がると、打席には小笠原。初球に投じたインコースのスライダーをライト線に弾き返され失点。試合も2対11と大敗を喫したのであった。この経験があったからこそ、石森投手はドラフト指名後の会見で特別に意識する相手として名前を挙げた。
「やっぱり同級生でも小笠原投手っていう左のピッチャーがいるので、そこに追いついて、追い越してやっていきたいと思います」
ただ、石森投手にとって本当の意味での挫折はこの先にあった。高校卒業後、大学から社会人チームへと活動の場を移すなかで、その度に指名漏れを経験。ついに夢を諦めることも考えたという。いかにして挫折を乗り越え、今に至ったのか―。当時の心境を語った。
支えてくれた人たちへの思いを胸に・・・
「大学の時は結構期待されているなって感じていたので、大学でプロ行けるかなって思っていたんですけど、結果的に指名漏れになって、本当に挫折に近いような。それこそ本当に野球をやめようかな、諦めようかなってところまでは、結構落ち込みましたね。(もう一度奮い立たせたのは)自分が今まで支えてくれた人にどう感謝を伝えるかってなった時に、やっぱり自分に残された道は野球しかないのかなっていうのが、自分の中で答えが出て。やり切れるところまでやり切って恩返ししたいなっていうのがあって。もう一回踏ん張ろうかなと思いました。(プロ入りが叶ったことで)『最高の親孝行をしてくれてありがとう』と両親に言われました。ちょっとこみあげてくるものがありましたね」
石森投手をプロのレベルへと押し上げた馬原監督は最大級の賛辞でエールを送る。
「僕のセーブ数(182)というものは簡単に超えていくと思うんですけど、しっかりと息の長い選手でやっていって欲しいなと思います」
憧れの投手はイーグルス則本昂大投手
石森投手の素顔に迫る質問では“憧れの投手”として、イーグルス則本昂大投手の名前を挙げた。
「力強いストレート。観ている人を魅了することができるストレートに憧れています」
また“3年後には160キロを出せる”と自信をみせ、そのために「フィジカルトレーニングや体幹、ウエートトレーニングをしています」と現段階の取り組みを明かした。来季、プロ1年目の目標に掲げた“新人王”を獲得するためのイメージもすでにできている。「試合数を多く投げないと新人王はとれないと思うので、60試合を目指して頑張りたい」と具体的な数字を口にした。
球界史上最高クローザー岩瀬仁紀氏も即戦力として期待
石森投手の投球映像を見た今週のスタジオ解説・岩瀬仁紀さんは「投げっぷりがすごくいいので、ストレートで押していってほしいですね」と第一印象。「開幕から一軍でバリバリ投げていると思います」と即戦力としての活躍を予言した。石森投手から“リリーフとして投げる上での心構え”のアドバイスを求められると、「マウンドに上がる前は不安な気持ちが強いと思うんだけど、マウンドに上がったらとにかく自分の力を信じて。やることは野球なんだと、それぐらいに思ってやれば大丈夫」と、日本プロ野球史上最高のクローザーの地位を手にしたレジェンドが秘訣を明かしていた。
ここでふと、筆者は岩瀬さんが評価した石森投手の“投げっぷり”が気になり、映像を見返して思ったことが・・・
イチ視聴者(筆者)の番組感想まとめ。「石森投手のあの“投げっぷり”はチャップマンを彷彿とさせる!!」
今週のサンドラを観た感想・・・。岩瀬さんが評価した石森投手の“投げっぷり”。最初はゆったりとした投球動作から徐々に加速をして、リリースポイントで爆発させるアノ感じ。どこかでかすかに見たような気がして記憶の中から探っていくと・・・いました。MLB史上最速となる球速169キロを記録した世界記録保持者のアロルディス・チャップマン! 記憶の確認をしようと動画サイトでチャップマンの映像を見たら、スミマセン。全然、似ていませんでした、投球フォームが。でも、やっぱり、リリース時の爆発的な感じがダブるんです。彷彿とさせるんです。それはそれは筆者の胸は躍りましたよ。だって、本当に160キロを超すストレートを投げる日本人左腕がドラゴンズのリリーフ陣の一員でいるなんて、こんなにワクワクすることはないでしょう。最初は岩瀬さんと同じようにセットアッパーとしての地位を確立し、ゆくゆくは満を持してクローザーに。岩瀬さんとはまたタイプの異なる左腕の日本人守護神に出会える日が今から待ち遠しい。そういえば、岩瀬さんが入団した年って、たしか、優勝、しましたよね・・・(笑)。
(このコラムを書いたのは・・・サンドラ視聴歴約30年のアラフォー竜党)