場外弾連発の石川昂弥・背水の陣でローテ守った小笠原慎之介 ドラファンが来季期待する選手ベスト5!
「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム
「来年の戦いは今日から始まっているので、勝つために、一軍に上がるため、レギュラー取るため目的意識をはっきりさせて今日からスタートしてください。」
この立浪監督の強い宣言から始まった秋季キャンプ。投手陣の実戦を意識した練習や、野手陣の”手”を意識した打撃指導など新しいコーチのエッセンスが加わり、さっそく選手たちが変身する兆しが見えつつある。今週のサンドラではドラゴンズファンが選ぶ、来季期待の選手ランキングを本人のコメントや、首脳陣、川上憲伸氏の評価を交えて紹介する。
来季期待の選手!投手編 ベスト5
第5位高橋宏斗
「来シーズンは一軍でしっかりと活躍できるようにはしたいと思っている」
ルーキーイヤーの今年は、二軍で防御率7点台で一軍登板なかったものの、フェニックスリーグで11イニング連続無失点と進化した姿を見せた。秋季キャンプでは、投球フォームを修正し来季の一軍出場を目指す。
「自分の投球フォームの特徴として膝が開いてしまう。それを無理に閉じてしまうと投げ方もおかしくので、それを逆に最大限に活かす方法を山井コーチと話しながら色々試している。」
川上氏もスワローズ奥川投手、マリーンズ佐々木投手、バファローズ宮城投手など高卒2年目の選手がエース級の活躍しているので高橋投手にも期待できると一押し。
第4位柳裕也
シーズンフル稼働し、抜群の安定感で自己最多タイとなる11勝をあげ、最優秀防御率、最多奪三振のタイトル二冠を獲得したが油断なく来シーズンへの意気込みを語る。
「今年はもう終わりましたしまた来年やれるという保証はどこにもないので、また練習してまた来年頑張りたい。」
防御率を2人で奪い合えればと語る大野雄大と競い合いながらエースを担い、先発ローテーションを引っ張って欲しい投手なので、まずは離脱することなく継続して結果を出すことを期待したい。
第3位大野雄大
防御率2.95とリーグ3位の成績を残しながらも、7勝11敗と負け越し不本意なシーズンとなった。
「来季開幕戦が東京ドームですし、立浪監督がものすごく気合が入っているのでぼくも開幕ダッシュできるように照準を合わせてやっていきたい。」
第2位梅津晃大
背番号18をつけて臨んだ今年は、制球に苦しみ一軍未勝利。何かきっかけを掴んで欲しいと期待されるエース候補。怪我をせずに投げ抜くことのできる新投球フォームを山井コーチらと模索している。
「不甲斐ない一年になってしまって、結果を出せずに厳しい声が周りから多くなった。そういった人たちを見返して、来年何も言わせないようにしたい。」
試合以外で見せる優しげな表情も魅力的な梅津投手だが、対照的な少し厳しい表情で語る姿に今年経験した意識の変化が垣間見えた。山井コーチとともに掴みかけているバランスの良いフォームとその凛々しい表情でマウンドを支配する姿をファンに見せて欲しい。
第1位小笠原慎之介
去年は1勝に終わったところから、プロ六年目を迎えた今季のキャンプ前に「ここで一緒にやらなかったら野球人生終わると思っているので。」大野雄大の自主トレに自ら懇願して参加した。背水の陣で迎えた今シーズンはキャリアハイの8勝とともに規定投球回をクリアし1年間ローテーションを守り抜いた。
秋季キャンプでは、下半身強化のトレーニングを「グランドでやる練習じゃないぞ」と軽口を交わしながらも立浪監督自ら指導し、コミュニケーションを図っている。
「とにかく長いイニング投げるつもりで、秋季キャンプに取り組んでいる。そのためには下半身の強化が必要ですし、そこが一番重要にしているポイントかなと思います。」
ランキング一位に輝いたことを伝えると、
「期待されるのはありがたいんですけど、プレッシャーがかかって困りますね笑 来年は規定投球回をギリギリクリアするのではなく、余裕で規定投球回到達できるように頑張ります!」
降板後に勝ち投手の権利を失った試合が5試合あり、全部勝っていれば13勝10敗で最多勝もあり得たという。川上氏はもう一歩先に進むには、「もう1イニング多く投げること」をアドバイス。川上氏の現役時代、勝ち星が思うようにつかない時期にバッテリーを組んでいた谷繁元信に相談すると同じようにアドバイスされたという。野球の盤面が動くのが7回が多いため、負けていても投げ続けているピッチャーが試合を作れば逆転して勝ち星がつく可能性が高まるとのこと。実力をようやく発揮し始めた小笠原に、スタミナをプラスして来シーズンの更なる飛躍にも期待したい。
来季期待の選手!野手編 ベスト5
第5位鵜飼 航丞
鵜飼選手は第6位のブライト健太とともに、今年ドラフト指名の2人がランクイン。長打力に定評のある2人に期待もかかるが、プロの実績がない状況でこの順位になるほど今いる選手に対して抜きん出た期待感をファンが発見できていない現状もある。この結果を見返すような野手が現れることを期待しつつ、鵜飼選手、ブライト選手も即戦力として競い合うような活躍を見せてもらいたい!
第4位岡林勇希
高卒プロ2年目にして開幕一軍スタートし出場機会は少なかったが、シーズン終盤には機会を増やし打率.254を残し、身体能力や打撃センスのポテンシャルの高さに立浪監督も解説者時代から評価が高かった選手だ。
「春先見た時よりもずいぶん成長しているなと感じますし、非常に面白い存在だなと思います。」
秋季キャンプでは、レギュラーダッシュへの可能性に向け本職の外野守備に加え、内野守備にも挑戦。
「143試合スタメンで出られるように、この秋季キャンプからしっかりアピールをして体力面などを向上させていきたいと思う。」
走攻守それぞれに魅力ある選手だけに、出場を続けられる基礎の部分をしっかりと築いてもらいたい。秋は追い込む時期だという立浪監督が見守るなか大きな成長が楽しみだ。
第3位高橋周平
今シーズンは打率.259、打点39、併殺打21はリーグワーストと不本意な成績に終わった。その状況を打破するべく、秋季キャンプでは長距離砲として活躍できるよう打撃フォームの改造に立浪監督自ら着手した。もともとホームランを打てるバッターなので、20本は目指して欲しいと監督も期待を込める。現役時代に長打力もみせ主軸を担っていた左バッター森野コーチの指導を仰ぎ進化に向けて模索を続ける現状をこう語る。
「ボールを迎えに行く癖があるので、今までのフォームとは180度違う。バッティングを見直す上でも必要なことだと思う。この時期なので、色々なことをやろうと思う。」
培ったものがある中で、もう一度新たな指導環境の中高橋周平の魅力が発揮できることに期待したい。
第2位根尾昂
自己最多の72試合に出場したが打率は.178と納得いくものではなかった。しかし、バンテリンドームでのプロ初HRが満塁ホームランであったりとその片鱗に光るものはあった。力みがちでバットが出てこないので、動きの中で打つという中村紀洋コーチの指導で打撃を磨いている。根尾選手は目標についてこう話す。
「根尾を使いたいとならないといけないとは思っているので、ここだけは仕留めるというポイントを仕留め切れるバッターにまずはならないといけないなと思います。」
来季はショートというポジションに拘らず、出場機会を狙うと意気込む根尾選手。非凡なバッティングセンスもどう活かされるか楽しみでならない。
第1位石川昂弥
秋季キャンプでは、中村紀洋コーチに下半身ではなく手を意識する指導を受けナゴヤ球場の場外弾も含む柵越えを連発しファンのみならず、首脳陣もワクワクするような打撃をみせている。
「一軍の12球団の中でもあそこまで飛ばせる選手はいないと思う。」と立浪監督も絶賛する。
「バッティングの技術を中村紀洋コーチと森野コーチに教えてもらっている。しっかりと体力をつけてできてるんじゃないかなと思います。(期待の選手トップで選ばれたことに対して)一位に選んでいただいてありがとうございます!開幕一軍でそこからずっと一軍で出続けられるよう結果も出せるように頑張りたいと思います。」
石川選手の場外弾連発のナゴヤ球場では、まるでゴルフ場かのように「フォアー!」と叫ぶ声が注意喚起のためこだましている模様。少しずつ変わり出している。ドラフトでも長打力を補おうという意思が強く感じられ、チームの至上命題となっている。今回名前の挙がらなかった選手も含めて、立浪監督をはじめとした新しい首脳陣の刺激で、変化して、強化された打線が見られることが待ち遠しくなってきた。期待の大きさはあるが、だからこそ焦らずに見守りつつ熱く声援を送りたい。がんばれドラゴンズ!
澤村桃