滝と待機で根尾獲得!球団公認?終身名誉待機アナウンサーのドラフト後記
私の今年の漢字1文字は「滝」です。
大興奮のドラフト会議から約2ヶ月。事前の滝行が功を奏したのか、4球団競合の末、与田剛監督が根尾昂選手の交渉権を獲得しました。今やすっかり「滝の人」と言われ、不特定多数の人に「ありがとう」と感謝されます。CBCラジオ「若狭敬一のスポ音」には「俳優の滝藤賢一さんにちなんで、滝行敬一に改名したらどうか」というメールまで来ました。
事の発端は私が「スポ音」で紹介した5年連続ドラフト取材空振りジンクスでした。
負の連鎖は2013年、桐光学園・松井裕樹投手のくじを外したところから始まり、2014年には山崎康晃投手を取材しに亜細亜大学に向かうも空振り(指名は三菱パワーシステムズ横浜・野村亮介投手)。2015年は県立岐阜商業・高橋純平投手のくじ外し。2016年は作新学院・今井達也投手の空振り(指名は明治大学・柳裕也投手)。2017年の広陵・中村奨成選手のくじ外しと続きました。
最初は「こんなの偶然!」と笑い飛ばし、大阪桐蔭へ行く気満々でしたが、世間の反応は違いました。「行かないで!」、「幽閉しろ!」というお便りの山。「あなたの行為は沖縄県民の声を無視して、普天間基地の辺野古移設を強行しようとする現政権と同じだ」という批判までありました。
さらに一連の流れをスポーツ報知が紹介し、騒ぎは拡大。ついにCBC視聴者センターに「ドラフト当日、若狭アナはどうしますか」という問い合わせまで来ました。
「このままでは大変なことになる」と思った私は名古屋市守山区の倶利加羅不動寺で滝行を決断。身を清めて、悪因縁を落とし、大阪桐蔭に行くことにしました。
「スポ音」では根尾選手への思いを込めた曲をかけました。MISIA「逢いたくていま」、郷ひろみ「逢いたくてしかたない」、林部智史「あいたい」などなど。すると、クレームが来ました。「選曲が重過ぎる」。
目に見えないパワーを感じた1年
CBC上層部が下した結論は社内待機。私もサラリーマン。忸怩たる思いを胸に秘め、命令に従いました。
すると、根尾選手の交渉権を中日がゲット。すぐにスポニチとデイリースポーツが「待機のお陰」とネット記事をアップ。瞬く間にツイッターのトレンドワードで「若狭アナ」がトップ10入り。吉見一起投手、松井佑介選手からも「良かったですね!」とLINEが来ました。
これで一件落着と思いきや、リスナーの用心深さには驚きます。「若狭を根尾選手に会わせるな。まだ交渉権を獲得しただけ。入団拒否される危険性がある」とのお便りが来たのです。
それを知ってか、中日は全ドラフト指名選手の中で最も早く根尾選手と仮契約。会見場の私を見つけるや、米村明チーフスカウトが「会社でじっとしていたんでしょ。ありがとう!」と声を掛けてくれました。
12月、CBCドラゴンズナイター謝恩パーティーでは与田監督が「若狭君が行かなかったから。2人で獲ったね!」と発言。これで私は完全に球団公認の終身名誉待機アナウンサーになりました。
「そう言えば、初詣のおみくじ、大吉だったよな」
ふと財布にしまっていたおみくじを読み返すと、「待ち人」の欄には「来ます」とはっきり。今年は目に見えないパワーを感じた年になりました。来年こそは中日の優勝を願うばかり。皆様、良いお年を。