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山車の上から背負い投げ!男たちが傷だらけになってまで守り抜くものとは?愛知県半田市に春を告げる「乙川祭礼」

山車の上から背負い投げ!男たちが傷だらけになってまで守り抜くものとは?愛知県半田市に春を告げる「乙川祭礼」
CBCテレビ:画像『チャント!』

血気盛んな男たちが、血と汗と涙の大喧嘩を繰り広げ、愛知県半田市に春の訪れを告げる、通称“けんか祭り”。あざや傷を負ってもものともせずに立ち向かう、男たちのアツい思いとは?タレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が取材しました。

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あわや事故!大きな山車をコントロールして神輿を守るキーパーソンとは

CBCテレビ:画像『チャント!』

“半田の春祭り”として市内17地区で行われる祭りの一つ、「乙川祭礼(おっかわさいれい)」。巨大で荘厳な山車が祭りの主役です。山車の役割について、関係者に尋ねました。

(殿海道山 組長・中島明さん)
「(Qこの山車はどう使われる?)『八幡神社』と『若宮神社』の神様が神輿に乗って渡御する。神輿の警護」

全部で4輌ある乙川地区の山車は、高さ約6メートル・幅2.4メートルと、知多半島に存在する100輌以上の山車の中でも最大級の大きさ。地区内の「若宮神社」から「乙川八幡社」までを神輿が渡り移る際、4輌の山車がその警護として曳きそろえられます。

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午前11時、殿海道山(とのかいどうやま)が出発しました。「乙川八幡社」までの道中で難所となるのが、山車を直角に回転させる曲がり角。一気に勢いよく回転させるのに必要不可欠なのが「車掌」と呼ばれるポジションです。

(殿海道山 車掌・広瀬圭さん)
「山車の運行で、かじを切る指示を出す役。思ったように山車が動いてくれないと、電柱にぶつかりそうになったり…」

山車の前後で、曲がる方向やタイミングを的確に指示する車掌は、判断ミス一つで仲間にけがをさせてしまう恐れもあり、重要な役割を担っています。

山車を放置して向かった先は…?祭りの最大のスポンサー「ヤマモトさん」って?

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車掌の指示のもと、電線や道幅に十分注意を払いながら中間地点へ到着。このまま後半戦が始まるかと思いきや、山車を残して曳き手たちが横道へ入っていきました。

(曳き手)
「(Q今からどこに行く?)ヤマモトさんのところ」

突如、山車を残して「ヤマモトさん」と呼ばれる人物のもとへ向かった男たち。しかし、やって来たのは 「イトウさん」のお宅です。なにやら家主らしき男性が、胴上げをされています。

(殿海道山の山本・伊東治さん)
「ヤマモトというのは、山車の一番の本。スポンサー。(Q言える範囲でどれくらいの額?)軽自動車が買えるくらい」

ヤマモトさんは、人名ではなく祭りの運営に関わる費用を最も多く負担した“山車”の“本(もと)”、言わば“スポンサー”のような存在。胴上げやお囃子(はやし)の演奏で、山本さんへの感謝を伝える儀式を行っていたのです。山本さんの家を後にし、祭りはいよいよ後半戦へ。最後の曲がり角を越えると、ようやく目的地の「乙川八幡社」に到着しました。

祭り最大の見せ場!痛々しい傷痕の正体が明らかに

CBCテレビ:画像『チャント!』

「乙川祭礼」最大の見せ場は、4輌の山車による境内までのおよそ100mの坂上げです。

(殿海道山 車掌・広瀬圭さん)
「(山車の)楫棒の先端を最後まで守り切る。それが最後の『坂上げ』。(Q守ることが大事?)大事です。最後に担いでいたやつが一番」

乙川祭礼の坂上げは、男たちによる楫棒の激しい奪い合い。山車ごとに選ばれた“一番楫(かじ)”が持つ楫棒を、他の山車の若衆たちが奪い合います。一方で“一番楫”は、後方の楫棒を最後まで守り抜くことが、何にも代えがたい栄誉とされます。

楫棒を狙う男たちが続々と詰め寄る中、100メートルの攻防戦がスタート。どんなに体が痛くとも、絶対に楫棒から離れまいとしがみつく若衆たち。背中の傷をものともせず、激しすぎる争奪戦を乗り越えた末、楫棒を守り抜くことに成功しました。

(殿海道山 車掌・広瀬圭さん)
「山車を安全に運行すること、若い衆にいかに楽しんでもらえるか。次の世代につなげることができた。満足です」

「乙川祭礼」別名“けんか祭り”は、男たちの熱い戦いと共に幕を閉じました。

CBCテレビ「チャント!」4月3日放送より

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