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「厄」払い過ぎ注意!?バラエティ豊かな5つの厄払いが行われる奇祭「宝光院 はだか祭」とは

「厄」払い過ぎ注意!?バラエティ豊かな5つの厄払いが行われる奇祭「宝光院 はだか祭」とは
CBCテレビ:画像『チャント!』

「はだか祭り」といえば、愛知県稲沢市で開催される「国府宮はだか祭」が有名ですが、岐阜県にもはだか祭りがあります。手を変え、品を変え、やることなすこと全部が厄払い。中には、ゲット出来たら超ラッキーとされるスペシャルなお宝争奪戦まである、まさに厄払いの宝石箱ともいうべき祭り「宝光院 はだか祭」を取材しました。

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バラエティ豊かな5つの厄払い!「聞く」だけでご利益満載なお経

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岐阜県大垣市にある、1200年以上の歴史を誇る宝光院。右目で天を、左目で地を見据え、世の中の全てを見守る「ひだりめ不動」を祀るお寺です。この寺で毎年、2月3日の節分に行われるのが「宝光院 はだか祭」。足を運ぶ老若男女は数千人、あらゆる手段で楽しませる祭です。どんな祭りなのか、住職に尋ねました。

(住職・鈴木孝慈さん)
「いろんな厄払いが行われる祭。今の形になったのは戦後。私の師匠たち(先代住職ら)が地域おこしのために続けてきた」

元々、田園が広がっていたこの地では兵役など第二次世界大戦の影響で、農家の数も激減。この祭りは、そんな疲弊した町を盛り上げようと発展し、バラエティ豊かな5つの「厄払い」を行うようになりました。

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まずは、聞くだけでご利益満載の厄払い。「大般若祈祷」という家内安全や商売繁盛を願う、ありがたいお経を読んでもらえる厄払いです。参拝客は、朝から晩までひっきりなしに訪れます。祭りの準備で既に徹夜明けの鈴木住職が一日中お経を唱え続け、読み上げる名前はなんと、およそ600家族1000人以上に及びます。

(住職・鈴木孝慈さん)
「(Q食事は?)僕はとらない。待っていただいている方がどんどん替わられるので」

ご祈祷を受けたおばあちゃんは85歳。80年間、毎年通っているといいます。元気に自転車で帰っていく姿からは、ご利益抜群な様子がうかがえました。

裸男の川渡り&当たり付きの豆打式!

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続いては祭りのメインイベント、裸男たちが行う厄払いです。裸男は当日参加もOKで、2000円を納めると、特製のハチマキとフンドシがもらえます。今年は、全国各地からやる気に満ちたおよそ100人の裸男が集結しました。中には背中一面に気合の入ったボディペイントを施して臨む人も。さらにムキムキマッチョの男性は…。

(ムキムキマッチョ!若山剛弥さん)
「漢気をもっとつけたい。外面だけカッコよくても中身が漢気がなかったらダメ」

地元の大垣市を出て、大阪の出版社で働いていますが、「内面も強くなれ!」と親に言われて初参加しました。

厄払いがスタートすると、裸男たちはお寺のすぐそばを流れる冷たい川へ。川を人生の荒波に例え、それを乗り越えることで心身を清める「みそぎ川渡り」を行います。「伊吹おろし」が吹きつける大垣、真冬の空の下で極寒の厄払い。約50mの苦行を笑顔で乗り切った裸男たちでした。

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境内では誰でも参加できる厄払いも行われます。豆が入った小袋を撒く「豆打式」です。祭りが行われている間、ほぼ1時間おきに5回開催し、豆が入った小袋の数はなんと、約6000袋。この小袋には「当たり」も入っており、ちょっとした運試しにもなります。

裸男たちの厄を一身に受ける!?祭りの主役「心男」とは

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正午に行われた3回目の豆打式では、裸男たちと同じハチマキをした男が豆を撒いていました。この男性こそ、今回の祭りの主役です。

(髙嶋泰道さん)
「今年、心男(しんおとこ)を賜ります。みなさんの厄を一身に受けて、みなさまが健やかに一年過ごせるように」

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心男はこの後、その年の裸男全員の厄を自分一人の体で受け止める「心男遷座」という衝撃の厄払いを行います。その方法は、裸男たちが心男の体に触れることで、自分たちの厄を心男に流し込むのです。髙嶋さんは、境内を埋め尽くすたくさんの観客の中、たくさんの裸男たちに担がれながら、心男の役目を見事にやり切りました。

(髙嶋泰道さん)
「体感はあっという間。みなさんの一年の健康を祈って、無事過ごせるようにというだけの気持ちで、ただ空を眺めてきれいだった」

午後3時の「心男遷座」が終わると、祭りもいよいよフィナーレ。最後の厄払いは「福徳利剣木授与」です。

稲作が盛んだった地域にちなみ、俵の中には「ひだりめ不動」の剣を模した木製の小さな剣「利剣木」が仕込まれています。それをつかみ取った者は、問答無用で一年間を幸せに過ごせるという超スペシャルな厄払いです。

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通常は2~3分で終わるこの争奪戦、今年は5分経っても出てきません。最終的に勝ち取ったのは、体だけでなく心も強くなりたいと初参加した、ムキムキマッチョこと若山さんでした。

こうして幕を閉じた「宝光院はだか祭」。祭りが終わった後も、参拝客のため鈴木住職は朝から約12時間にわたり、ご祈祷を続けていました。

(住職・鈴木孝慈さん)
「ウチの寺に来て、悲しい顔で帰られる方はこの日は少ない。それが我々にとっての喜びであり、やりがい」

厄を払って新しい一年を過ごしてほしいと話す住職に、アツい手形をいただきました。

CBCテレビ「チャント!」2月14日放送より

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