2023年6月5日に行われた、名古屋市熱田区にある熱田神宮の「熱田まつり」。約25万人の参拝客が訪れる東海地方を代表する厳粛な祭りです。その祭りと同じ日に行われる、もう一つの熱き祭り「熱田まきわら奉納まつり」をタレントの寺坂頼我くんが取材。アツいお祭り女OMATSURIちゃんを見つけました。

女だけで担ぐ「女神輿」！史上初の熱田神宮へ奉納

「熱田まつり」と同じ6月5日に、お隣の南区にある豊田本町神社で行われた「熱田まきわら奉納まつり」。名前に「熱田」がつく通り、熱田まつりの日に提灯のついた「まきわら神輿」を熱田神宮の本宮に奉納します。約50年前、南区・内田橋商店街の商売人たちが、街を活気づけるために始めました。

神社の境内で寺坂くんの目を惹いたのは、盛り髪と法被でキメているド派手な女性陣の姿。

（棒頭のリーダーで二児の母・西坂幾未さん）
「（皆さんは何をする人？）女神輿を担ぐ人。お神輿を女だけで担ぐ」

「熱田まきわら奉納まつり」には、「男神輿」と「女神輿」が存在します。西坂さんも２児の母であり、女神輿のかじ取りをする「棒頭」（ぼうがしら）のリーダーです。

（西坂幾未さん）
「（女神輿は毎年やっている？）そうですね、毎年やっています。熱田神宮に行くのは、ことしが初めて」

豊田本町・南陽北・豊郷町の３つの町が参加する「熱田まきわら奉納まつり」。寺坂くんが訪ねた豊郷町は、人手不足のため例年、男神輿だけが熱田神宮に奉納していました。しかし、町内外から参加者を集め続け、今年は豊郷町史上初となる女神輿の奉納が行われることになったのです。

世代を超えて受け継がれる「女神輿」がいよいよスタート

約30年前、この町で初めて女神輿を始めたというレジェンドを発見しました。

（女神輿の生みの親・瀧佳子さん）
「（女神輿を始めた理由は？）当時の女性は強かった、男に負けたくない！って。女もやれるんだって。」

当時の担ぎ手はわずか10人足らずでしたが、今では約30人もの担ぎ手が集まりました。

初の神宮奉納が叶う今年は、女性陣の気合も段違い。髪型やメイクをばっちり整えて、夕暮れ時の午後5時、いよいよ３町が揃った神輿の担ぎ出しがスタートします。

神輿の先頭で拡声器を片手に、ひと際目立つモヒカン風ヘアで担ぎ手たちを鼓舞する女性がいました。今年、初めて女神輿のリーダー「頭」を担っている、祭り歴約10年の洞口孝子さんです。こぶしの効いた掛け声が勇ましいですが…。

（初めて女神輿の「頭」を担う・洞口孝子さん）
「（（頭は）立候補ですか？）そうですね、やるって言ってた。それをことし、やろうかって任せてもらった。私みたいな世代が、盛り上げていけたらな」

インタビューに答えてくれた声はかなり控えめ。普段の声量は大きくありませんが、神輿を前にすると入るお祭り女スイッチ！若き頭・洞口さんを筆頭に、順調に巨大な神輿が名古屋の町を進みます。

今年は去年の2倍、約30人の担ぎ手が集まったため、女神輿の長さを2ｍ延長し、6ｍに。巨大な神輿を安全に操作するため、本番１週間前に男神輿の担当者から約２時間のレクチャーも受けて備えてきました。

豊郷町の歴史を塗り替えた！女神輿奉納が無事に完了し涙する担ぎ手たち

スタートから熱田神宮までの距離は約2㎞。史上最大となる女神輿を、まず入り口の東門まで担ぎ切ります。まずはここまでたどり着けた喜びを担ぎ手たちは分かち合い、休憩を取りました。

疲労が伺える中、頭を担う洞口さんはラストスパートに備えて喉をいたわります。

（洞口孝子さん）
「大丈夫！まだ（喉）つぶれてはいない！あとは本宮行くだけ！」

担ぎ手たちも励まし合い、いよいよ奉納をする本宮へ向かう時がやって来ました。

本宮へつながる鳥居を超えると、神聖な空間となるため掛け声は禁止。静粛に進んで行く、担ぎ手たちの足音だけが響きます。本宮へ到着すると神主のお祓いを受け、豊郷町の歴史を塗り替えるまきわら神輿の奉納が無事完了しました。

神輿が商店街へ戻ると、まきわら祭り恒例「歓喜の神輿パフォーマンス」が始まります。男神輿も、女神輿も掛け声とともに上下に大きく揺さぶり、みんなで喜びを表現。４年ぶりに完全復活した祭りは、滞りなく終了しました。

今回、寺坂くんが選んだ最も輝いていたアツいOMATSURIちゃんは、頭として先頭に立ち、女神輿を鼓舞した洞口さんです。

（洞口孝子さん）
「みんなが頑張ってくれて、励ましてもらいました。それで自分も頑張れた。本当にみんなのおかげ」

男も女も、祭りに賭ける熱意はみんな同じ。今回は、アツい女OMATSURIちゃんに出会えました！

CBCテレビ「チャント！」6月14日放送より