その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている！ その町で生まれ、根づく愛されフードを加藤愛が全力で調査します。今回は、『三重・亀山市』の『コ・ビアンのチキンカツ』です。

味とボリュームと価格に大満足！ その衝撃価格とは？

聞き込みによると、『コ・ビアン』は店の名前で、そこの『チキンカツ』がサクサクジューシーでおいしいとか。お手頃価格でしっかり食べられて、いつも混んでいる人気店だそう。最近は「ラーメンもやっている」との情報も。

おじゃました『レストラン コ・ビアン』は、アットホームな雰囲気の中、お値打ちでボリュームある洋食が楽しめる店。人気の『チキンカツ』は、ひとくち大のカツが4枚。愛ちゃんは「お肉が本当にやわらかいです。サクサクで、しっかりお肉自体に味がついていますね。サッパリした感じ。」と堪能します。

味の秘密は、自家製のトマトベースのドレッシングに胸肉を一晩漬け込むこと。しっかり味をしみ込ませてから、ひとくち大にカットして、生パン粉をまとわせ、サクサク食感に揚げています。ごはんとみそ汁、サラダも付いた『チキンカツ定食』は、なんと715円（＊放送時の価格）。今のご時世でかなりの低価格なのに「昔はもっと安かったので、声を大きく“安い”とは言えない」と店主はとても謙虚です。というのも、16年前に店を開いた時の価格は驚きの304円（＊消費税5％込み）。オープン記念価格として始めましたが人気が出すぎて引くに引けず、この価格は5年ほど続きました。その後、数年ごとに100円ほどの値上げを繰り返して今の価格になりました。

「真心こめた料理をお値打ちに」本家に負けない愛され店

この店の名前『コ・ビアン』は、かつての修業先の店名をそのままいただいたとか。店主は、東京の大学時代にアルバイトをしていた千葉県我孫子(アビコ)市の老舗洋食店に就職。我孫子を逆に読んでアレンジした店名が『コ・ビアン』です。この老舗洋食店の「手間暇かけた料理でありながら値段は押さえて提供する」という店づくりに感銘を受け、亀山にもこんなレストランがあったら…と思うようになり、2009年に地元で自分の店をオープンしました。真心こめた料理を気取らずお値打ちに…。そのモットーを受け継ぎ、いまや千葉の『コ・ビアン』にも負けない愛され店となりました。

洋食店でありながら、実は…？ 夢を共有し共に歩む兄弟

ところで、愛ちゃんは店の扉の横にもう一つ“さくらいろ”と書かれた看板を見つけていました。それを訊ねると、店主の弟さんが同じ店舗でラーメン店をやっているとのこと。弟の誠さんは東京のラーメン店で修業をし、亀山で店を出したいと地元に戻ってきました。しかし、その頃コロナ禍となり、先行きが見えない中で兄の薫さんから「ここで一緒にやってもいいよ」と言われ、ラーメン用の厨房も作らせてもらってスタート。洋食店でありながら、本格ラーメンも食べられるという、ちょっと変わった形態になりました。

兄弟それぞれが関東で修業をして、故郷の亀山で店を出したいという夢を実現。兄・薫さんは「家族が来て、そのまた家族が来て…。地元のよりどころになればいいなと思う」と、自分たちが思い描くこれからの店の姿を語ってくれました。

（ＣＢＣテレビ「チャント！」3月7日(金)放送より）