その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている！　その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCアナウンサー2年目の松本道弥アナが全力で調査します。

今回は、『愛知県豊田市』です。豊田市駅周辺で愛されている『松丈(まつじょう)のコロッケ』を調査！　街で聞き込みをすると、皆さん、子どもの頃から食べていて、「コロッケといえば松丈」というほど、その知名度は圧倒的。甘くて、カレー味で鶏肉のミンチを使っているそう。

名鉄豊田市駅から歩いて5分のところにある『松丈』。ショーケースの中にたくさんの揚げ物が並ぶ中、常に揚げたての店の名物『チキンコロッケ』は95円。

早速いただくと、「ビックリしました。コロッケなのに、ものすごく甘い！　甘い中にもカレーのようなスパイスがきいています」と松本アナ。この甘さはジャガイモやタマネギ、ニンジンといった野菜の甘みで、さらに引き立てるためにカレー粉を加えているのです。具体的な材料や調理工程は企業秘密ですが、大豆白絞油とラードなどをブレンドした油で揚げ、鶏肉のうまみも存分に活かし、カリッとしたコロッケに仕上げています。

鶏ミンチ入りの珍しいコロッケ。元々、この店は鶏肉専門店で、現・社長の祖母である初代が昭和29年に創業しました。当時、総菜として始めた『チキンコロッケ』は、手軽さとおいしさから瞬く間に店の看板商品に。発売から70年近く経った今でも、その人気ぶりは健在で、昼時には行列ができるほど。市内のスーパーマーケットにも卸していて、多い時には一日に5000個ほど売れるとか。

長年変わらず愛される秘訣を社長に聞くと、「真面目にやっています」との返答が。良いものをなるべく安く提供できるように工夫し、丁寧に心を込めて作っているとのこと。それを支えているのは、製造や調理、販売をする女性スタッフの皆さん。取りまとめる奥さんは、「大変ですけど、大変じゃない。楽しいです！」と笑顔で語ります。子どもの頃から食べていたコロッケの店へ嫁ぎ、「一緒にがんばろう」と決意を胸に歩んできました。社長はさらに、「従業員のおかげで、僕の気持ちをお客さんに伝えられる」とスタッフを労いました。

そんなかけがえのない存在の皆さんが作る『松丈』の揚げ物は、コロッケのみならず人気商品がいっぱい。まず、社長が「プライベートでパクついちゃう」と自負するオススメの商品は、『チキンカツ』（230円）です。「お肉がやわらかい！」と松本アナも絶賛。

そして、鶏の胸肉と北海道産タマネギを刺した『串カツ』（120円）に、鶏のミンチの『メンチカツ』（150円）も人気。どれも値段が手頃で、豊田市民の食卓の強い味方です。

「いつでも買いに来られる手軽な感じがいい」と、地元の皆さんに親しまれている『松丈』。『チキンコロッケ』はこの店を代表する、豊田の愛されフードでした。

★原稿中の「松丈コロッケ」の「松丈」ですが、正式には松丈の「丈」の右上に「、」がつきます。

（1月27日(金)　CBCテレビ「チャント！」より）