癒し系アナが岐阜県笠松町で和菓子『笠松しこらん』を調査! 和菓子職人たちの固い絆で作る硬いお菓子!
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている!その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCアナウンサー2年目の松本道弥アナが全力で調査します。
今回は、『岐阜県笠松町』の『笠松しこらん』です。和の物とも洋の物とも見当すらつかない変わった名前ですが、聞き込みをすると、“雷おこし”に似ているニッキ味のお菓子で、歯が折れそうなほど硬いらしく、町内の和菓子店なら大体販売しているとのこと。
松本アナがおじゃましたのは、明治時代創業の『伊住屋(いずみや)本店』。4代目の店主に案内され店の奥に行くと、笠松町の菓子組合のメンバーが集合していました。実は、町内の和菓子店のご主人が共同で作っている『笠松しこらん』。雷おこしを細く短冊切りにしたようなお菓子で甘いシナモンのような香りがします。松本アナが食べようとしますが、まったく歯が立たず、味わうことができません。雷おこしよりもかなり硬い『笠松しこらん』は、「あめ菓子」に近いとか。材料はシンプルで、もち米のハゼ・水あめ・ザラメ・砂糖・ごま油、そしてニッキ。
製法のこだわりは、水あめの使い方。数十分じっくりと煮詰めることで強度が増しカチカチになるそうです。また、ふんだんに使ったニッキの爽やかな品のある香りも『笠松しこらん』の特長のひとつで、「癖になる味」とよく言われるそうです。煮詰めた水あめともち米を合わせたら、ここからはスピード勝負。140度を超えるアツアツの生地を平たく伸ばし形を整えてカット。なんと、ここまでわずか5分。それを繰り返して作っていきます。
この『しこらん』という名は、豊臣秀吉が命名したと伝えられており、なんと460年もの間、愛され続けているとか。しかし、一度消滅の危機にあったといいます。このお菓子を生み出したのは『太田屋半右衛門』という戦国時代に創業した老舗和菓子店ですが、2004年に16代目が38歳の若さで他界。 地元の人たちからの「何百年と続いたこのお菓子が途絶えるのは残念」という声を受け、菓子組合で継承することとなり、立ち上がったのが町内の和菓子職人の皆さんです。創業以来、門外不出だった製法を遺族から教わり、練習を重ね、戦国時代から続く伝統菓子をしっかりと受け継ぎました。
現在では学校給食にも出るなど、子どもたちにも親しまれています。「メンバー全員で分担して作っても、あめが固まるまでの時間がタイト」と感じるそうで、若くして亡くなった仲間を「よく1人でやっとたな」と改めて労います。受け継いでから12年。今でも毎月、必ず全員が集まって作っているそうです。松本アナは「お店が違うのに…」と皆さんが協力し合うことについて素朴な疑問を投げかけると、「もうベッタリですよ」と絆の深さを語ってくれました。
(9月30日(金) CBCテレビ「チャント!」より)