理不尽、不条理、そして無駄のオンパレード!憲伸・井端が当時を嘆く“高校野球謎の練習”

理不尽、不条理、そして無駄のオンパレード!憲伸・井端が当時を嘆く“高校野球謎の練習”

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」燃えドラch
川上・井端のすべらない話シリーズ プロ&アマ謎練習編

ドラゴンズ黄金時代を支えた投打の両輪であり、97年ドラフト同期でもある川上憲伸、井端弘和が、グラブからマイクに代え、イバケンコンビを結成!燃えドラchというフィールドで球界裏話や同僚、ライバル話を大放出!

大好評の川上・井端のすべらない話シリーズ、今回のテーマは「謎練習」! まずは高校時代、今思い返しても納得いかない謎の練習についてイバケンが回想する。東京から甲子園まで走った!?地獄のランメニュー。憲伸に起きたエンドレス声出しの悲劇、など高校時代の思い出が止まらない!?

一カ月かけて甲子園まで走れ!?

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

今回のお題となった“謎の練習”。
まずイバチンが高校時代、今思い返しても意味不明だった謎の練習について口火を切った!

井端『新チームになって、自分たちの代が一番上になった高校二年の秋だったかな。二年の春はセンバツ出場したけど、夏は予選決勝で負けた。そして秋は早々と負けちゃったの。だから三年のセンバツはもう行けないわけ』

当時の監督から“もうお前たち、甲子園行けねぇーじゃないか”と言われ、突然言われたのが“一カ月で甲子園まで走れ!”なる、とんでもない指令。
それって、どういうこと!?

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

井端『何のことか言っている意味が分からなくて。11月と12月は練習するといってもやることがない。寒いし。どうも計算したら東京から大阪まで計ったら560キロぐらいあるの。約1日20キロ走って甲子園まで到達する計算になるわけ。ましてや土日は練習休みだし』

川上『その分、加算されちゃうよね?』

井端『そうなの!土日の8日間ぐらいを差し引くと、20キロちょい走らなきゃいけなくなる』

川上『1日に走る量が増えるよね?』

イバチンらは監督から指定された20キロのルートと余り分を補うべくグラウンドを10周走れば一カ月で到達すると聞き、こう思ったという。

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

井端『何の意味があるの?』

ガハハ!
そりゃ当然だ!至極同意!

川上『絶対イヤだ!オレ!オレらもあったけど、なんで高校時代って、走る系がやたら多いのだろうね?』

井端『10キロ球が速くなるとか、打球が飛ぶとかなれば成果あったと思うけど、ただ太ももが太くなっただけでね』

川上『それで高校の時って、だいたい疲労骨折するよね、また疲労骨折した時、病院行ってはいけない雰囲気が出て、自作のコルセット作ったりするんだわ』

自作のコルセット!?
なんとも痛々しい!

井端『捻挫した時は、肉はさんで巻けと言われたりね。今やらないでしょ?』

川上『オレなんかスパイクと足の間に板を入れて、テーピングでグルグル巻いて、“オレ、何やってんだ!”と思っていたもん』

そんな板板しい、いや痛々しい姿を見せて練習出ていても、誰も助けてくれなかったと嘆く憲伸さん。まさに時代ですな、時代!

理不尽なる声出し練習

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

野球の練習で下級生の役割といえば、それは声出し。
憲伸さんも例にもれず、他の一年生同様こなしたという。

川上『特に一年生の時は声出しやな。なかった?』

井端『あった!あった!センター後方からでしょ?』

当時の徳島商業高校はセンター奥の100メートルぐらいの位置から全員大きい声で“はい”“押忍”“チワッ”“失礼します”を言い、4つともしっかり聞こえたら“帰ってこ~い!”と先輩から許しがもらえるという、なんとも理不尽なる練習が行われていた。

そして憲伸さんにとって今でも忘れることのできない同級生タケガミ君話が飛び出す。

川上『タケガミ君は毎回“はい!”“押忍!”まで言ったら、“ちちちち…分かりませ~ん!”とか言いだして。なんで緊張するんや!って(笑)。高校の時はそんな理不尽な声出しと…水も飲んじゃいかんとかなぁ』

井端『水も飲んじゃいけないし、堀越高校は高尾にあったのよ。駅からグラウンドまで歩いたら30分ぐらいかかるようなところに上るとグラウンドがあって、帰りは下っていくんだけど…』

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

イバチンの母校・堀越高校グラウンドを学校ホームページでは、JR中央線または京王高尾線の高尾駅下車、バスに乗り換え徒歩数分と書いてあるものの、なななんと!野球部員は駅からバスに乗ってはいけないという不文律があったのだ!
制服のまま野球部特有のドデカいバッグを持って徒歩通学をこなしていたイバチン。
めちゃくちゃ汗をかきながら、革靴を履いて坂を上り下り…考えるだけで地獄やぁー。

井端『それ無駄じゃん!と思うの。バスだったら10分で行けるところを、帰りもわざわざ30分かけて歩いて駅まで行くわけ。行きだったら、他の生徒もいっぱい乗ってるから、野球部は歩けと言われればまだ分かる。帰りのバスは夜でガラガラだからね。それなのに乗れないというこの辛さ』

いやあ、これは不条理極まりない!
それを耐えたから今があるんだ!イバチン!
何の励ましにもなってないか(笑)。

練習ではなく、もはや晒し者!?

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

さらに不条理かつ理不尽なる堀越高校野球部の練習を明かすイバチン。

井端『声出しもあったんだけど、校門をくぐったら校旗に一礼しなくちゃいけないわけ。それは野球部だけではなく、どの生徒もしなくてはいけない。そこで野球部全員は度胸を鍛えるために歌を歌え!という指令が下ったわけ!』

うぐぐっ!多感なハイティーンにとってはなんとも過酷な指令だ!

川上『近所迷惑やんか、そんなもん!(笑)』

井端『歌なら何でもよくて、あまり恥ずかしくない短めの歌を歌うとかさ』

川上『宇宙戦艦ヤマトみたいな!(笑)』

イバチン曰く、“晒しの歌”は無駄の極地。
それで度胸がつくことはなく、ただただ恥ずかしいだけだったと当時を振り返る。

井端『毎回同じ人が聴いているなら“またやってるよ”でいいけど、生徒が1000人以上いるから、必ずまたやっているよではなく、みんな振り向いて“この人何やってんだ!?”ってな表情で見られるわけ。一般生徒と一緒に来て、礼をした後に歌を歌う。“何が始まったんだ!?”ってなるのよ!』

川上『それは厳しいなあ。ある意味、練習じゃないな、これ。でも高校の時って半分以上はそんな感じじゃん!』

思い出せばボロボロと出てくる理不尽練習。
徳島商業高校も負けてはいない!

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

川上『たまに散髪の日とかあって、その日は早く終わるんだわ。そういう日は野球以外のサッカーとかを練習でやらせてくれるんだよね。それで何が起きるかというと、試合に負けた方はとんでもない練習メニューが待っているのよ。オレらは皆、“今日は散髪行く日やないんかい!”ってね』

うむ、憲伸さんが正しい。
負けたチームは散髪どころか、疲れた体でバタンキューに違いない!

川上『負けたら校内30周とか走らされて、サッカーなのに戦争になっとったもんな!途中でスライディングしたりとか』

罰走を免れるためなら、チームメイトの足でも削る!
恐るべし!徳商野球部!

劇団堀越野球部

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

川上『高校の時、ユニホームとかどうだった?オレらの一年生の時は綿じゃないとアカンかった。綿だから今見たいに伸びたりしないからね。太ももあたりに線が入りまくっとった。なんで線が入るかというと…』

井端『綿、分かる!オレ、少年野球の時、綿だった!』

川上『一年生は膝に手をついてはいけない』

井端『ガハハ!それはあるよね!』

これまた理不尽極まりなし!
膝に手をついているとサボっているように見えるのだろうか。

川上『疲れた時に膝に手をついてはいけないから、みんな色んなところを握るんだ。だから綿がだんだん自分の手の味が出てきて、“コイツら、お腹や膝近くを持っているんや!”とか分かって(笑)。綿はホント大変!ビッショビショになるから。重くなって!』

井端『オレらも膝に手をついてはダメと言われていて、それ以外はなんでもいいと言われていたから、みんな倒れていた。倒れるのはOKと言われてた(笑)』

堀越高校、訳わからんぞー!

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井端『(倒れたら)結構監督に褒められるんだよ。“倒れるまで真剣に走ったんだな”って。みんなガァーと走ったら、そのままの勢いで、上を向いて倒れて。みんな“劇団”って言われていたもん!それを見て監督はニコニコしながら満足げに頷きながら喜んでたね』

ガハハ!
きっと大袈裟に振る舞った、新劇チックな劇団だったのだろうね!(笑)

川上『高校の時はホンマ多かったなぁ。鉄棒ぶら下がって、3分×何セットとかいって、その度に体重軽いヤツが絶対得やなぁと、いつも思ったもんなぁ』

これもまた早く落下した部員はご多分に漏れず、罰走が待ち受けていた。

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

川上『また走るんだわ。なんせ走るっていう。サッカーゴールの外側を通りながら、10周走らされて。暗くなってくるとサッカーゴールが監督の方から見えんなと思って、ちょっとカットするとそれがしっかりバレるんだわ!そこまで監督がやって来て、“誰や!この足跡は!”って(苦笑)』

今となっては笑って話せる監督と野球部員の心理戦。
ただ当時、部員にとっては生きるか死ぬかの日々だった…大袈裟かっ!(笑)

(竹内茂喜)

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