ストーカーによる凶悪事件が後を絶ちません。3月26日にも東京池袋のポケモンセンターで、アルバイト店員の女性が元交際相手の男に刃物で刺され死亡する事件がありました。女性は警察に「別れた元カレがつきまとってくる」と相談していましたが、惨事は防げませんでした。なぜストーカーによる事件はなくならないのでしょうか?4月14日放送の『CBCラジオ#プラス!』では、アディーレ法律事務所の正木裕美弁護士がこの問題について解説します。聞き手は西村俊仁アナウンサーです。ストーカー規制法ストーカーを規制する法律を挙げる正木弁護士。正木「もちろん殺害に至れば刑法の殺人罪もあり、関連するさまざまな法律があります」「ストーカー規制法」について解説します。正木「これ自体は、身体や自由、名誉に対する危害の発生を防止しようとの目的で、ストーカー行為が何かを定義したり、加害者に対する規制、被害者に対する援助など諸々定めている法律です。できたのは26年前の2000年です。その後も何度か改正されました」ストーカー行為とはそもそもストーカー行為とはどんな行動を指すのでしょうか。正木「これが該当するには3つの大きな条件があります。目的、誰を対象者とするか、何をするかという観点で分けられています。まず目的。特定の方に関する恋愛感情、好意の感情にもとづくもの、もしくはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情、これが大前提として必要です。次に誰に対してやるかですが、無差別にやるのは対象外です。特定の方、もしくはその方の配偶者、同居親族、会社の方など密接な関係を有するものに対して行なう。これが第二の条件です。何をしたらストーカーになるか。大きくふたつあって、付きまといと位置情報を承諾を得ないで取得することです。付きまといは待ち伏せ、立ちふさがる、行動を監視していると告げること、面会しろ、付き合えという義務のないことの要求、乱暴な言動、無口電話、連続した電話、メールなど。これらが付きまとい等として規制されます。もうひとつがGPS関係で、位置情報を無承諾で取得するという行為。また、GPSを取り付ける行為などです」加害者への罰則加害者に対する罰則はどんなものがあるのでしょうか?正木「第一段階として警告を出すことができます。あとは公安委員会がこういうことを繰り返すと思ったら禁止命令を出すことができる。警告、禁止命令を受けているかによって罰則が変わってきます。ストーカー行為だけなら1年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金ですが、禁止命令がでていたのにストーカー行為を行なうとなると2年以下の拘禁刑、または200万円以下の罰金という形になります。あとは禁止命令に違反したというだけで罰則があって、6か月以下の拘禁刑、または50万以下の罰金が科されるとなります」相談件数の増加池袋の事件でも明らかですが、何度イエローカードを出しても止められない印象があります。正木「ストーカー禁止法によって、警告、禁止命令を出したからといって、首に縄がつながれるわけではないです。本人の自覚、自省、警察の働きが大きく関わってきます。被害者の防御策も関わってきます。実際、ストーカー規制法に関するストーカー事案の相談件数はずっと増えています。昨年は23,000件弱、前年より約17%増えています。検挙件数も昨年が最多になっています。禁止命令も過去最多です」根本的な解決は?正木「警察は大きな事件を防ぐために、禁止命令を積極的に出して守ろうということもあります。その後、また加害者への連絡を行なったり、カウンセリングや治療につながるような働きかけをしています。しかし、なかなか実現が難しいです。本人が真剣に向き合おうとしなければカウンセリングもいかないので、そもそも自分に必要ないと思っている被疑者には効果はないです。根本的な解決にはカウンセリングや治療が一定の効果があるとは言われています。それに関して警察は努力していますが、自分に必要ないと思っている方がお金を払って医療機関に行くことはありません。義務化や公費で払うことも検討されるべきですし、今後の根本的なストーカー対策をどうするかという問題になってきます」(みず)