香川県三豊市の港から船で15分行ったところに粟島という島があります。この島には届けたくても届け先のわからない手紙を受け取る郵便局があるそうです。郵便局とは、送り先が誰かわかってそれを配達するものです。いったいどういうことでしょうか?2月24日放送の『CBCラジオ#プラス!』では、光山雄一朗アナウンサーがこの「漂流郵便局」について、現代美術家・久保田沙耶さんに話を聞きます。アート作品郵便局の紹介ということですが、久保田さんは現代美術家です。どういうことでしょうか。久保田さん「漂流郵便局は日本郵便とは関連のないものです。実は2013年に私が瀬戸内国際芸術祭で作品として製作した作品がそのまま続いていて、漂流郵便局という名前になっています」「漂流郵便局」というアート作品なんですね。久保田さん「届け先のわからない手紙を受け付け続けて、12年目になります。今、6万8千通のお手紙をいただいていて、前の局長の息子さんである、中田達夫さんを中心に、毎週土曜に開局をしています」流れ着いてもともと日本郵便の郵便局だったところに、現代のアートプロジェクトとして作ったということですか?久保田さん「そうです。2013年に招へいされた作家として行きまして、港にいっぱい漂着物があるなと思いながら島に入っていったら、捨てられてしまった元の郵便局、旧粟島郵便局があって、中が元郵便局長さんによってきれいに管理されていて、入ってみたところ自分もそこに流れ着いてしまったなと思った経緯があります。そんな思いが重なっていくような郵便局を作れたらいいなと思って『漂流郵便局』という名前にしました」どんな手紙が多い?6万8千通の届け先のわからない手紙とは、具体的にどういう手紙なのでしょうか?久保田さん「亡くなった方宛ての手紙が一番多いですが、中いはボイジャー1号とか、自分の抜けた歯に宛てたものとか、70歳のおばあちゃんが80歳の自分に宛てたお手紙とか、いろんなお手紙をいただいています。手紙が自分宛てだと思ったらお持ち帰りいただけるシステムにしているので、お孫さんが持って帰った例もありましたね」宛先の住所どこに投函すればいいのでしょうか?久保田さん「ここの漂流郵便局内に漂流私書箱を設けていまして、手紙を1回入れるとどこにあるのかわからないシステムになっています。時間の海に手紙を投げていただくボトルメールのような形で、郵便局の住所にお送りいただけると、それを直接私たちが保管をしておくという形です。今からでも送っていただけるので、住所を申しあげます。769-1108香川県三豊市詫間町粟島1317-2漂流郵便局留め〇〇〇〇様でお送りください。こちらで保管いたします」10年後の光山へという手紙を書いて今の住所に送ったら、アートの郵便局で保管をしてもらえるということですね?久保田さん「そうです。10年後受け取りに来ていただいてもかまいません」読める手紙保管はどうしているのでしょうか?久保田さん「私書箱がいっぱいになってきてしまったときに、元郵便局長であった中田勝久さんという方に局長をお願いしていましたが、局長OB、OGの方が仕分け棚を送ってくださって、今は、その仕分け棚の中にたくさん手紙が埋まっています」いつ見られるのでしょうか?久保田さん「毎週土曜日の開局時間内に来ていただければ、お手紙を読むこともできますし、郵便局内で書くこともできます。自分宛のお手紙を探しに来られた方が読んでいる間に自分の気持ちが変わっていった方もいらっしゃいました」「漂流郵便局」、ロマンチックで少しせつない響きです。あなたも届け先のない手紙を書いてみてはいかがでしょう。(みず)