貯め過ぎも良くない?老後に向けた貯金の心得
『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)の「ズバリマネー相談室」では、貯蓄や税金、保険、節約などのお金にまつわる悩みを募集し、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナーが回答しています。9月7日の放送では伊藤勝啓さんが、老後のために貯金をしておくことのメリットだけではなく、デメリットについても解説しました。聞き手は北野誠と大橋麻美子です。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く「DIE WITH ZERO」という考え方
今回、番組で紹介した質問は次のとおりです。
「私は50代ですが心配性な性格もあり、老後のお金のことがものすごく不安です。年金はどうなるかわからないですし、しっかり生活していけるのか自信がありません。
一応、貯蓄もしていますが、それもいくらあれば良いのかあやふやなまま貯めている状態です。
心配しすぎて今を楽しめていないのもなんだかモヤモヤしていますが、よいアドバイスがあれば教えてください」(Aさん)
この質問に、「DIE WITH ZERO」という考え方を紹介する伊藤さん。
ゼロで死ぬ、つまり資産をゼロにして亡くなるということですが、1円も残さずこの世を去るという意味ではなく、「お金を貯めること自体を人生の目的にしない」という考え方だそうです。
将来が心配だからと旅行や趣味を我慢して、最後にたくさんのお金が残っても、「元気なうちに好きなことでお金を使っておけばよかった」と後悔することもあり得ます。
平均貯蓄額に惑わされない
現在の日本の金融資産は高齢世代にかなり偏っていているようです。
内閣府が発表した令和7年版高齢社会白書によれば、世帯主が60歳以上の世帯が保有する金融資産は全体の63.5%にものぼります。
さらに総務省が発表した家計調査報告2025年平均結果では、世帯主が70歳以上で2人以上の世帯の場合、平均貯蓄額は2,471万円。
伊藤「あくまでも平均ですので、資産が多い一部の世帯が平均を押し上げているので、70代の世帯なら皆さん2,000万円以上持っているわけではありません」
続けて「大切なのは世間の平均はいくらかではなく、ご自身でいくら必要なのかということを考えるのが必要」とアドバイスします。
使うタイミングを考えよう
「働けるうちに貯めておいて、退職してから好きなことを始めよう」と思っても、例えば海外旅行を60歳で行くのと80歳で行くのとでは、かなり体力的な負担が異なります。
ダイビングなど、年齢制限によって体験できなくなるものもあります。
そのため「何歳までに何をしたいかを決めて、そのためのお金を老後資金とは別に貯めるべき」と伊藤さん。
では老後に向けて、どれぐらいお金を貯める必要があるのでしょうか?
生活費が月25万円の方が年金20万円として、差し引き5万円、年間で60万円不足します。
厚生労働省の2025年簡易生命表によれば、60歳時点の平均余命は男性が平均23.86年、女性が29.07年。
男性は84歳、女性は90歳近くまで生き続けるということになるので、ライフプラン上は90歳、場合によって95歳や100歳まで生きることを想定して計画を立てた方が良いとのこと。
必要なお金の3要素
さらに不定期な出費も考えておく必要があります。
家の補修工事費、電化製品や水回りの修理などもいつか必要となってきます。
他にも歳をとれば介護に向けた費用なども必要になってきます。
こう考えると、貯金は多いに越したことはありません。
ただ、老後に向けたお金だけではなく「毎日の生活を守るお金」「何かあった時のお金」「人生を楽しむためのお金」の3つが大事、とまとめる伊藤さんでした。
(岡本)
番組紹介
読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。



