戦後最長の景気拡大の真っ只中なのに、なぜか実感がわかない
政府が7月の月例経済報告で、「景気が緩やかに回復している」との前月の判断を維持する見通しとなったことが23日に判明したと共同通信が報じました。景気拡大期間が74か月に突入し、戦後最長といわれた「いざなみ景気」の73か月を超える公算が大きいとのこと。とはいえ、景気が拡大し続けているという実感がまったくないという方も多いはず。どのような根拠で景気が拡大し続けていると判断されているのでしょうか?7月25日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、中京大学経済学部客員教授でエコノミストの内田俊宏さんが解説しました。聞き手は北野誠と加藤由香アナウンサー、大川興業総裁の大川豊です。
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現在まで6年以上も景気が拡大し続けているとのことですが、この根拠はどこから来ているのでしょうか?
これは内閣府が毎月発表している景気動向指数が基となっており、景気循環の谷から山に向かって上がっている時期が景気拡大期間とされています。
今回の景気拡大期間の最初となる谷、つまり底の時期は2020年5月で、政府が緊急事態宣言を発出し、経済活動を止めた時期。
7月も引き続き景気が緩やかに上がっていると判断されれば、戦後最長となります。
ただ、この時から上がっているといわれても、単にコロナ禍で起きた底からのリバウンドのようにも感じられます。
内田「特に回復初期はドーンと落ちてますから、そこからリバウンドで戻ってるけれども、回復感はあまりないという状況だったと思います」
また、ここ1、2年は景気が上がっているというよりも、単に下がっていない、停滞しているようにも感じます。
内田「明確な景気後退期がないということであれば、消去法的に緩やかに回復しているということになります。水準としては横ばい圏で、一進一退を繰り返してる状況だと思います」
家計に実感が湧かない理由
この景気、コロナ禍よりはマシだが最近は単に下がっていないだけ、という実感を持つ方も多そうです。
北野「このニュースをスマホで観た時、スマホを投げつけたくなったぐらい実感が湧かない」
数値上は景気がいいのに、なぜ実感が湧かないのでしょうか?
内田「それはある意味正しいというか、現行の景気動向指数というのはいろんな指標を組み入れてるんですけれども、一般の消費者や家計に近いところよりは企業活動に関する指標が多く組み込まれてますので。
ですから家計があまり調子が良くなくても、企業の生産とか輸出が伸びていれば、全体としては景気が回復しているという判断になります。
家計に回復の実感がなかったのは、実質賃金がマイナスの月がだいぶ多かったので」
いくら給料が上がったとしても、それを上回るほど物価が上がると、結局は実質賃金としてマイナスになってしまいます。
大企業では年5%の賃上げを実施していても、企業の規模や業種、雇用形態によって上がり幅は異なるので、も景気の実感が湧く人と湧かない人に分かれてしまいます。
景気動向指数の中身
景気動向指数のひとつである「CI一致指数」は10の系列で示されていて、そのうち家計に近い数値は小売業と卸売業の商業販売数と有効求人倍率、労働投入量で、これらは全体の3、4割程度。
その他は企業活動に関するものであるため、やはり企業に関するほうがウエイトが高いとのこと。
もちろんすべての企業が調子が良いわけではなく、円安だと輸出業者は景気が良かったり、逆に輸入品が高くて厳しい業者も出てきます。
企業の調子が良いということですので、やはり賃金を増やしてもらって家計に反映されてほしいところです。
(岡本)
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