「休校にする?しない?」教頭はつらいよ、台風時の板挟み

9月4日の未明に奄美大島の東で発生した台風15号は、5日に西日本から関東にかけて猛威を振るいました。5日のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、「朝5時から起きてネットとテレビをチェック」という教頭先生の夫を持つリスナーの投稿で、親からも県からも責められる学校の苦悩が浮き彫りになりました。つボイノリオと小高直子アナウンサーが投稿を紹介します。
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台風接近のニュースで、こどもたちの脳裏に浮かぶのはただひとつ。
それは「休校になるかどうか」ということ。親としても「こんな日に登校させるのは心配」という気持ちになるものです。
通常通り登校させるか、休校にするか。実はこの判断をする側にも苦悩があります。
「うちの旦那さんは高校の教頭をしております。今朝5時過ぎに起きてきて、ネットやテレビを見て、警報などをチェックして、学校をどうするかの判断に悩んでおりました」(Aさん)
暴風警報が休校の目安になるものの、この日は出ていませんでした。しかし、大雨で通学時間に電車が止まると生徒が登校できなくなってしまいます。
休校にするのか、始業時間を遅らせるのか、判断が難しいという状況でした。
県から「なぜ休校にした?」
Aさんの夫は、よく考えた末に「通常登校」と連絡メールを打って出勤したそうです。
つボイ「『今日は通常通りです』。考えに考えた挙句の話で、ということですね」
過去にはこんなこともあったそうです。
「以前、大雨の危険性を考えて休校にしたら、県から『どうして休みにしたのか、その理由は?』と電話がきました」(Aさん)
つボイ「県と学校との考えも一致させとかないかんもんですから」
小高「そういうのもあるんだね」
教頭先生は、様々なデータをチェックしつつ、県の方針とも足並みを揃える必要があるようです。
みんな心の中で叫んでいる
小高「自分のところの家族計画で、ピクニックに行く、ご飯を食べに行く、遊びに行く予定をどうするっていうことだけでもものすごい悩むけど。
学校ってやっぱりいろんな組織も関わってきたり、親御さんの意見もあったり、それもそれぞれだったりするから、決めるの大変!」
つボイ「『こんな日に学校行かせるんか!』いうのも親御さんの心の叫びですが」
Aさんの夫は、県から「どうして学校を休みにしたのか」という電話が来た時に、「危ないからだろう!」と心の中で叫んでいたそうです。
板挟みの学校現場
つボイ「教頭さんも教頭さんで叫んでるんですよ、いろんなことを」
小高「そうね。でも丁寧に説明しなきゃいけないから。うわぁ大変だ」
台風という自然災害を前に、生徒の安全を第一に考えながらも、様々な立場や意見を調整しなければならない学校現場。
親からは「なんで行かせるんだ」、県からは「なんで休みにしたんだ」と責められる。早朝5時から始まる教頭先生の葛藤には、板挟みになる学校現場のつらさが詰まっていました。
(minto)
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