罰ゲームだけじゃない!日本唯一のメキシコ蒸留酒専門店が伝えるテキーラの魅力

名古屋市の大須商店街に日本で唯一のメキシコ蒸留酒専門店があります。7月28日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、店主の小池正人さんに専門店を始めたきっかけや、日本人に誤解されがちなテキーラの真の魅力、意外な飲み方まで幅広く伺いました。
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小池さんが経営する「アガベスピリッツギャラリー」は、メキシコ蒸留酒の専門店。約1,650種類もの商品が展示されています。
メキシコ蒸留酒とは、メキシコ国内で生産された原産地呼称酒で、「アガベ(リュウゼツラン)」と呼ばれる多肉植物を原料とした蒸留酒です。
その歴史は500年前にさかのぼります。スペインがアステカ帝国を征服した時代に蒸留技術が伝わり、メキシコの始まりのお酒「メスカル」が誕生しました。その後、メスカルの一種として発展した「テキーラ」が、その人気から独立したカテゴリーとして確立されました。
メキシコのお酒は、味わいがスモーキーなメスカル、テキーラ、ライシージャ、バカノラ、ソトルなどがあるそうです。
テキーラへの誤解を払拭したい
メキシコ蒸留酒の専門店を始めた理由について、小池さんは「テキーラに対する日本での誤解を解いて、その真の魅力を伝えたいという強い思いがありました」と語ります。
日本ではテキーラが「罰ゲームのお酒」「ただ強いだけのお酒」といったネガティブなイメージを持たれがちですが、海外、特にメキシコではそのようなイメージは全くないといいます。
さらにアメリカではセレブリティな人たちが愛飲するお酒として、じっくりと味わいを楽しむためのお酒として認知されています。実際、多くのハリウッドセレブやスポーツ選手が蒸留所のオーナーとして自身のブランドを展開しているそうです。
「こうした事実を踏まえまして、テキーラの奥深さ、そしてメキシコ蒸留酒の多様性の魅力を日本の皆さんに知っていただきたいという思いで始めました」と小池さん。
テキーラの多彩な魅力
テキーラは「強いお酒」というイメージがありますが、アルコール度数は多くが38パーセントから40パーセント程度。ワインや日本酒などの醸造酒と比べれば確かに高いものの、ウイスキーやジンが40から46パーセントであることを考えると、蒸留酒の中では平均的だそうです。
小池さんによると、テキーラの具体的な魅力は多彩な香りと味わい。良質なテキーラは、柑橘、バニラ、キャラメル、コリアンダー、リコリスなど多様で、本来の甘みなども含めて非常に豊かな香りと味わいを感じられるといいます。
特に樽で熟成させるタイプは人気が高く、ウイスキーやブランデーが好きな人にも好評だとか。
そして、自然素材100パーセントのオーガニックな魅力もあります。
100パーセントアガベテキーラは人工添加物を使用せず、原料のアガベ100パーセントと水と酵母だけで作られるオーガニックなお酒。現在、このプレミアムテキーラが大変なブームになっているそうです。
3年で15年分の熟成効果
さらに、熟成による奥深い変化も楽しめます。メキシコは200日間も雨が降らないような灼熱の国のため、ウイスキーのように樽に入れて熟成させると非常に早く進むと小池さんは説明します。
例えば、3年間の樽熟成でも、ウイスキーに換算すると7年から15年分の熟成に相当するような深みが生まれるといいます。「熟成のコスパが大変よいお酒」ということです。
カクテルベースのお酒として活躍している点も魅力です。有名なマルガリータをはじめとするカクテルのベースとしても非常に人気があります。ライムやグレープフルーツなどの柑橘系との相性は抜群で、爽やかで飲みやすいカクテルが楽しめます。
暑い季節には、ソーダ割りや缶コーヒー割りもおすすめだそうです。
試飲でお気に入りの1本を発見!
通常の酒販店では試飲の機会はほとんどありませんが、アガベスピリッツギャラリーでは現在753種類以上もの試飲を楽しめるそうです。
特に好評なのが「お試し試飲3点セット」で、600円という手頃な価格設定。
スタッフの丁寧な解説を聞きながら飲み比べができて、それぞれの好みにあった1本を見つけるお手伝いをしてくれるそうです。
テキーラの誤解を解き、メキシコ蒸留酒の多様性と魅力を日本に伝えたい。小池さんの情熱が詰まった日本唯一の専門店は、新たなお酒の楽しみ方を提案しています。
(minto)
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