コロナ禍で避難所には行けない!? 防災のプロに聞いた在宅避難に必要な対策とは

2022年8月24日(水)放送

コロナ禍の今、災害時に自宅で過ごす「在宅避難」が必要な場合もあると言われています。在宅避難する場合、気になるのが自宅の防災力です。1歳のこどもの命を守ることができるのか、ママタレントの自宅の備えを、防災のプロが徹底チェックしました。

コロナ禍で避難所の定員が約半分に 国や行政は在宅避難を推奨

CBCテレビ:画像 『チャント!』

いつ襲ってくるか分からない巨大地震から家族の命を守るためには、自宅の防災力を高めることが重要です。

現在は1児の母でママタレントとして活躍している元SKE48・1期生の佐藤実絵子さん(36歳)の自宅の防災力を、防災の専門家がチェックします。

(ママタレント・佐藤実絵子さん)
「この家(今住んでいる家)はまだ新しくて、揺れを吸収する素材を使ったり、防犯ガラスを使ったり、(家の防災対策は)いい感じじゃないかと思っている」

佐藤さんの自宅の防災力をチェックするのは、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さん。多くの災害現場で得た体験をもとに防災に関する書籍を数多く出版している、まさに防災のプロです。

渡辺さんによると、コロナ禍の今は避難所の定員が半分ほどの場所もあり、避難所に入れない人も出てくることを指摘します。

行政や国は、自宅に倒壊などの危険性がない場合は、できるだけ多くの人に避難所ではなく自宅に留まって避難生活を送る「在宅避難」を呼びかけています。

生き残るためには家具の倒壊を防ぐことが重要

CBCテレビ:画像 『チャント!』

安心安全な「在宅避難」をするためには「生き残るための対策」と「生き延びるための対策」の2つが必要です。

地震が発生した際、「倒壊した家によって殺される可能性」と「家具の倒壊によって殺される可能性」があると渡辺さんは言います。

まずは「生き残るための対策」からチェック。

佐藤さんの家は耐震化が施されており、ガラス飛散も対策されています。家具もほとんどが備え付けのため家具に殺される可能性は低いですが、対策はあと1歩だと指摘しました。

渡辺さんが注目したのは、リビングのテレビ。最近のテレビには固定用ベルトが付属しているため必ず固定するよう求めています。ベルトがない人は、100円ショップなどで購入できる耐震マットで対策をするのも有効な手段です。

次に渡辺さんが注目したのは、キッチンの冷蔵庫でした。

(防災・危機管理ジャーナリスト・渡辺実さん)
「冷蔵庫は、震度6の揺れで動きます。最悪倒れます。冷蔵庫の転倒防止はすごく大事」

冷蔵庫は、家庭にある家具や家電の中でも1、2位を争う重さ。倒れた冷蔵庫の下敷きにならないために、家具用の突っ張り棒を2本使った対策が必要です。

冷蔵庫の転倒防止には、もう一つ大きな理由があります。冷蔵庫内には食品や水などの飲料が入っており、普段から自然に備蓄している状態です。冷蔵庫が倒れたり中身が飛び出したりすると、せっかくの備蓄が無駄になるのです。

生き延びるには最低でも家族の人数×3日分の備蓄が必要

CBCテレビ:画像 『チャント!』

続いては、「生き延びるための対策」をチェック。

生き延びるために必要になるのが備蓄です。1歳のこどもを持つ佐藤さんは、オムツやトイレットペーパー・水・離乳食10食分などしか備蓄しておらず、大人の食料はほぼありませんでした。

(防災・危機管理ジャーナリスト・渡辺実さん)
「備蓄用の水は2種類。飲料水、それから生活用水です。生活用水は、お風呂の残り湯をペットボトルに入れても、水道水を入れてもいい。飲むわけじゃないから。でも生活用水を備蓄していないと、飲料水を使わざるを得なくなる」

災害後、生き延びるために最低3日間の水や食料が必要とのこと。ちなみに大人が3日間
「在宅避難」するために必要な飲料水はおよそ9リットルです。

もうひとつ、気にしなくてはいけないのが水や食料の保存期間。備蓄したら、その後メンテナンスと維持が必要です。渡辺さんは毎年必ず9月1日に備蓄品の棚卸をしています。

必ず襲ってくると言われている南海トラフ巨大地震。渡辺さんは、生き残るため、生き延びるために防災対策をしてほしいと話しました。

CBCテレビ「チャント!」8月24日放送より

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