キングカズ移籍で注目が集まるJFL鈴鹿、リアルなJFL選手の日常とは
サッカー元日本代表のキングカズこと、三浦知良選手が移籍した三重県鈴鹿市のJFL鈴鹿ポイントゲッターズ。「アマチュア最高峰」のJFLとはいったいどんな世界なのでしょうか。三浦選手の新しいチームメイトの日常を取材しました。
キングカズが鈴鹿に移籍!
2月5日、三重県鈴鹿市の陸上競技場にできた長蛇の列。
お目当ては、「鈴鹿ポイントゲッターズ」に期限付きで移籍したサッカー界のレジェンド「キングカズ」こと、三浦知良選手54歳。
初めて対外試合のピッチに立った三浦選手に地元のファンは大興奮!
ファン「かっこよかったです。車から降りてきて、ピースしてくれました」
三浦選手は、1993年Jリーグが開幕すると一躍スター選手に。ヴェルディ川崎の中心選手として初代MVPを獲得し、内閣総理大臣賞も受賞。それからおよそ30年、イタリアやクロアチアなど国内外で活躍し、55歳を目前にして、J2の横浜FCからJFL鈴鹿に移籍しました。
三浦選手「JFL(鈴鹿ポイントゲッターズ)という舞台で、戦えるチャンスをくれたチームに感謝しています。30試合90分全部出たい。30点ぐらい取りたい」
地元は早くも期待に湧いています。鈴鹿ポイントゲッターズは現在、「アマチュア最高峰」のJFLに所属。三重県初のJリーグ昇格を目指しています。所属選手は30人。一体どんな生活を送っているのでしょうか。
アマチュア最高峰のJFL選手、その日常は?
チームの守護神、入団4年目の岩脇力哉(いわわき・りきや)選手に、津市の公園での練習に密着しました。
岩脇選手「練習場所が転々とするんですけど、練習は9時から11時ぐらいまでですね」
Jリーグのトップチームと違って、鈴鹿ポイントゲッターズには、専用の練習グラウンドはありません。選手たちの給料もトップチームには遠く及びません。30人のうちおよそ8割が、サッカー選手とは「別の顔」を持っています。
選手たちに聞いてみると?
川森有真選手「建設会社で働いています」
海口彦太選手「チーム(鈴鹿)のフロント営業をしています」
仕事とサッカーの両立。練習も短い時間で効率的に。昨シーズンは、上位に付けながらもJリーグ昇格を逃してしまったため、三浦泰年監督の指導にも熱が入ります。
Jリーグ昇格を目標に走り出す選手たち
選手たちは、2時間の練習を終えた後、それぞれの職場へ向かいます。
岩脇選手「Jリーグの選手は午前中だけで終わりとかサッカー中心の生活だが、僕たちは午後各々働くので、そこはしんどいですけど、それが僕らがいま置かれている状況なので」
英語塾の講師、福祉施設のスタッフなどを兼業しつつサッカーを続けてきた岩脇選手、今の仕事は米農家です。サッカー選手の給料は同世代のサラリーマンの3分の1程度。2足のわらじ生活を続けながらも、家族の支えを受けて鈴鹿を三重県初のJリーグ昇格させるために頑張ります。
地元・鈴鹿市出身の岩脇選手にとって、三浦選手は、幼いころからの憧れです。初めてJリーグの試合見たのが、名古屋グランパス対ヴィッセル神戸戦。その試合に三浦選手が出場したところを父親が「あれカズやぞ」と教えてくれたそうです。今回、三浦選手が同じチームに入ったことに運命的を感じてしまうと打ち明けました。
サッカー界を牽引してきたレジェンドと、JFLの仲間達が共に同じ目標に向かって走り始めました。
CBCテレビ「チャント!」2月16日放送から。