「子どもにスマホ、タブレット、見せてもいいの?」 大学教授に問う
「子どもにスマホやタブレット、見せてもいいの?」。コロナ禍で休園・休校も続き、毎日の家事に育児にてんてこ舞い。ついつい子どもにスマホやタブレットを渡し、「ちょっとだけ」と動画コンテンツを見せてしまうことがありませんか?子どもが集中して静かに見てくれるとありがたいものの、「本当に見せて良かったのかな?」と、悩む気持ちも…。
「子どもとデジタル」、どのように付き合っていけばいいのでしょうか?幼児教育とデジタルメディアを研究している大学教授に聞きました。CBCテレビ古川枝里子アナウンサーが、気になる日常のギモンを解き明かしていく「古川のギモン」。 CBCテレビ「チャント!」2月9日放送から
見せている!見せないようにしている!意見はいろいろ!
児童館で子どもと一緒に遊んでいたお母さんたちに「子どもにスマホやタブレット、見せていますか?」と聞いてみました。
「どうしても手が離せない時は、見せることはあります。ずっと渡すのではなく、一つの動画、写真を見て終わりにしています」
「準備の時間や早めに支度をしたい時は、集中してもらえるので、その間だけ見せています」
「車の中でひまになった時とかに、タブレットを見たいと言われて渡してしまうことがあります」
「料理をしている時、キッチンに来てしまうと怖いので、ガンガン頼っています!」
利用しているお母さんも多いですね。一方で「見せない」というご家庭も。
「基本的にはスマホは見せない。知ってしまったら、動画サイトなどを見たいという欲が出てくるので」
ご家族ごとに、スマホ、タブレットとの付き合い方はさまざまのようです。
はたして、子どもにスマホやタブレットを与えて時間をつぶさせることは、メリット、デメリット、どちらなのでしょうか?幼児教育とデジタルメディアの関係を長年研究している愛知淑徳大学・佐藤朝美教授に聞いてみました。
デジタルは子どもの可能性が広がるツール
佐藤教授 「デジタルのツールは、うまく使えれば、メリットはたくさんあります。モノづくりや表現をする、情報収集をするなど、子どもが自ら主体的に関われば関わるほど、可能性が広がるツールです」
例えば、普段見られなかった世界が見られたり、興味を持ったモノを掘り下げたり、苦手だったお絵描きがアプリを使って表現ができたりと、「デジタルツールの可能性は無限大」と佐藤教授は言います。
大切なのは、「動画を見た後」のコミュニケーション
毎日の家事に追われていると、どうしても自分の時間を確保したくて、動画コンテンツなどに頼りたくなってしまいます。
古川アナ 「息子が2人いますが、動画を見せた時だけ、静かに集中してくれる。ついつい見せてしまいます」
佐藤教授 「子どもが集中している時に、お母さんが声掛けすると、より記憶が定着するという結果が出ています。聞いてあげることも有効です」
与えるだけで何もしないのではなく、動画に合わせて一緒に歌ったり、踊ったり、動画の内容について話したりと、コミュニケーションを取ることが大切なのだそうです。
スマホやタブレットを見せることに罪悪感を持ってしまうというお母さんもいますが…。
佐藤教授 「どんなに対話が重要でも、お母さんのストレスがたまってピリピリしながらでは意味がありません。手が離せない時に使って、見終わった後に『どうだった?』と聞く。それがすごく大事です」
子どもは親の背中を見ている
佐藤教授 「子どもは親の背中を見ています」とドキッとするお話も。情報収集をしたり、アプリで何か作品を作ったり。親がクリエイティブに使っていれば、子どもも同じように使うようになるそうです。親がダラダラと何となく動画を見ていたりすると、子どももそうなってしまうかも。子どもたちのお手本となるように使うことが重要なようです。
『チャント!』は、CBCテレビで毎週月〜金曜日の夕方15:49 - 19:00に放送されている東海3県向けの夕方ワイドニュース・情報番組です。