勘違いから生まれた小さな町の隠れた名物 「ウマコのシフォンケーキ」
のどかな町で隠れた名物を発見!?しっとりしてミルキー、その名も「ウマコのシフォンケーキ」。いったいウマコさんとは何でしょう。名前の由来や、1度食べたらファンになってしまうシフォンケーキの味など、隠れた名店の人気の秘密を探りました。
小さな町の隠れた絶品スイーツ
愛知県の奥三河にある人口およそ2700人の東栄町に2022年5月にオープンした小さなお店「小麦くらぶ」を営む親子がいます。母親の伊藤旨子(よしこ)さん(77歳)と娘の岡田絵理さん(53歳)のお二人です。主に手作りの商品を製造販売するお店で、中でも人気なのは、娘の絵理さんが作る「ウマコのシフォンケーキ」。東栄町の隠れた名物といわれています。
材料はタマゴ、牛乳、薄力粉、サラダ油と一般的なんですが、その分量は秘密です。作り方は、まず卵白でメレンゲを作ります。ピンとツノが立てばメレンゲが完成。そして卵黄に砂糖を加え白っぽくなるまでかき混ぜます。別の容器に、牛乳とサラダ油を用意します。卵黄をかき混ぜながら、分離した牛乳とサラダ油をそのまま投入!これは絵里さん流で卵黄、牛乳 サラダ油が一気に混ざり、調理時間を短縮できます。
次に薄力粉をふるいにかけ細かくしてから卵黄を入れて、メレンゲを少しずつ加えトロトロになるまで丁寧にまぜ合わせます。型に流し込み、十分に余熱をしたオーブンで30分焼きます。温度設定は170度。シフォンケーキの完成です。
(絵里さん)
「今までシフォンケーキはパサパサしているイメージだったけど、このレシピで作ったときに、これはミルキーな商品になるかなと」
直径17センチ、一日で作れるケーキは4ホールが限界です。それをハーフサイズにして水木金曜日に「小麦くらぶ」で販売しています。
ウマコのシフォンケーキの誕生
絵里さんがシフォンケーキを作り始めたのは2012年。母親のよしこさんが立ち上げた「小麦くらぶ」は、今はお店の名前ですが、当時はパンなどの卸売り業で、絵里さんが手伝い始めたのがきっかけです。当初は地元(東栄町)の農産物や特産品の直場所でシフォンケーキの販売を開始したのですが、現在は日曜日のみの販売。リピーターが増えるにつれてファンも多くなり、いつしかウマコのシフォンケーキは、東栄町の隠れた名物といわれるようになったそうです。
訪れていたお客さんも、
(お客さん)
「いつも(JA 東栄直売所に)来ると、たくさん買ってみんなに配る。家族にもあったら買ってきてと言われる。ウマコさん、私の家族にも有名です」
「ウマコ」になったのは客さんの勘違い?
誰もが絶賛する「ウマコのシフォンケーキ」、そもそも娘の絵理さんが作っているのになぜウマコなのでしょうか?実はお客さんの勘違いから始まったそうです。
(絵里さん)
「いつも買ってくれた人が旨子(ウマコ)さんと呼んでいたらしく」
なんとシフォンケーキを毎回のように買っていくお客さんが、生産者シールをみて旨子「よしこ」を「ウマコ」と読んだことが始まりでした。以来、母親の旨子さんはウマコさんと呼ばれることも多くなり、インパクトもあるということで、おととしの9月からウマコのシフォンケーキとして売り出すことにしました。
当の旨子さんは、
(旨子さん)
「だいたいの人はウマコさんと呼ぶから、もう慣れた(笑)」
ウマコのシフォンケーキと呼ばれるようになっておよそ1年半、徐々に東栄町の人気スイーツになりました。
(絵里さん)
「そんなに量は作れないので、無理しない程度に頑張っていきたい」
ウマコのシフォンケーキがバカ売れして、お客さんが殺到したらどうするか聞いてみると、
(旨子さん)
「お店のカギかけておく(笑)」
二人そろってほんわか笑って答えました。お店をオープンして約1か月。これまでウマコのシフォンケーキは知ってはいたものの買う機会がなかった人も、お店ができたことで買えるようになりました。お客さんが殺到する日も近いのかもしれません。
CBCテレビ「チャント!」6月3日の放送より。