糸こんにゃく、あなたは白色派?黒色派?東海地方では圧倒的に黒色が人気!?
煮物や鍋物でよく使われる「こんにゃく」。様々な種類がある中、「糸こんにゃく」と「しらたき」の違いが分かる人は少ないのではないでしょうか。そこで糸こんにゃくとしらたきの違いや色の違いのワケを、老舗こんにゃくメーカーの社長に聞きました。
糸こんにゃくとしらたきの原料は同じ!? 製造方法の違いで呼び方が違う
よく似ている糸こんにゃくとしらたき。原料は同じこんにゃく芋ですが、一体何が違うのでしょうか。
(こんにゃくメーカー・社長)
「作り方はほぼ同じ。昔から関東方面では糸こんにゃくを“しらたき”と言っているんです」
しらたきの製造方法を見れば一目瞭然!シャワーヘッドのような型の穴からこんにゃくの原料が押し出され、細長いこんにゃくが作られます。その様子が滝のように見えることから「しらたき」と呼ばれているそう。
一方糸こんにゃくは、本来固められた板こんにゃくを細く糸状にカットしたもの。しかし現在は、糸こんにゃくもしらたきと同様で押し出す製造方法へと変化。今では糸こんにゃくの呼び名だけが残り、しらたきと明確な違いはないと言われています。
なぜ同じ糸こんにゃくなのに、白と黒があるの?
こんにゃくには、黒色と白色の2種類があります。それにも理由がありました。
(こんにゃくメーカー・社長)
「こんにゃくは昔、原料となるこんにゃく芋を皮ごとすりつぶして作られていたので黒っぽく仕上がっていた。しかし、こんにゃく芋から粉にする技術を江戸時代に考えついたんです」
1700年代後半に水戸藩の中島藤右衛門が、保存が難しかったこんにゃく芋を乾燥させてこんにゃく粉をつくる技術を考案。そのおかげで、こんにゃくを一年中作ることが可能になったと言われています。
こんにゃく粉は真っ白のため、生こんにゃく芋100%使用のこんにゃく以外、粉から作られるこんにゃくは基本的に白くなるそう。しかし、東海地方では圧倒的に黒いこんにゃくの方が人気のため、白いこんにゃくに海藻の粉で着色して黒くしているのだとか。
さらに粗い海藻粉末を入れることで、こんにゃく芋の皮が入っているように見せているそうです。
こんにゃくの種類に合わせたオススメの料理
こんにゃくの太さや形状の違いによって、それぞれに合うオススメの料理があるとこんにゃくメーカーの社長は言います。糸こんにゃくは太くて味が強いので、すき焼きや肉じゃがにオススメ。歯ごたえがあり食感も楽しめます。
また細目のしらたきは汁を吸いやすいので、寄せ鍋など鍋物との相性はピッタリ。さらに結びしらたきは他の具材と絡まない利点を活かし、おでんにオススメとのこと。結び目におでんの汁が染み込み絶品です。
同じ原料・同じ製造方法で作られる糸こんにゃくとしらたき。これからの季節、鍋物などに入れて味わってみてはいかがでしょうか。
CBCテレビ「チャント!」10月25日放送より