「胃腸バテ」一番の原因は?…専門医に学ぶ!夏の「胃腸バテ」対策

2024年7月14日(日)放送 【第614回】
「胃腸バテ」一番の原因は?…専門医に学ぶ!夏の「胃腸バテ」対策 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、ファミリークリニックひきふね 院長 消化器病専門医 消化器内視鏡専門医 医学博士 梅舟仰胤先生です。

今回のテーマは「~食欲不振・胃もたれから感染症まで~夏の胃腸バテの意外な原因」

夏の時期は、胃腸の不調を訴えて病院を受診する人が多いそうです。その原因が、胃腸の働きが低下する事によって起こる「胃腸バテ」。胃腸バテになると、消化不良・食欲不振・胃もたれなどの症状につながるだけでなく、放置すると感染症をはじめ様々な病気のリスクを高めてしまうのだとか。そこで今回は、夏の胃腸バテの原因と胃腸バテ知らずで夏を乗り切る方法を専門医に教えてもらいました。

胃腸バテが感染症につながるのはなぜ?

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

免疫細胞の大部分は腸に存在しているそうです。そのため、胃腸の働きが弱ると免疫力が下がり、夏風邪などの感染症はもちろん重篤な病気のリスクを上げてしまうそうです。

胃腸バテの一番の原因は「自律神経の乱れ」

胃腸バテの一番大きな原因とされているのが、自律神経の乱れだそうです。自律神経とは血管拡張・発汗など、自分の意識とは関係なく働く神経機能の事。胃腸の働きもコントロールしており、胃酸の分泌も自律神経の働きによるものなのだとか。そんな自律神経は、夏に大きく乱れがちだそうです。

胃腸バテにつながる「寒暖差」

室内と室外の寒暖差が5〜7℃を超えると、自律神経が乱れやすくなって身体に色々なストレスがかかり始めると言われているそうです。気象庁の統計では、最も寒暖差は大きいのは3〜5月で朝晩の寒暖差は平均9.5℃。8月の朝晩の寒暖差は平均8.2℃で春より小さいそうですが、近年は記録な暑さが続いているため室内を強力に冷やすようになり、その寒暖差はより大きくなる傾向にあるそうです。

<寒暖差が大きいと自律神経が乱れるのはなぜ?>
私たちの身体は、自律神経が体温を一定に保つことにより機能が正常に働いています。暑い環境では熱を逃がし、寒い環境では熱を作ることで平熱を維持しているのだとか。ところが、エアコンが効いた屋内と暑い屋外を行き来すると、その温度差に対応するため自律神経が休む暇なく働きすぎてしまい、必要以上にエネルギーを消費。その結果、自律神経が乱れ様々な不調につながってしまうそうです。

<自律神経の乱れと胃腸の働きの関係>
先生によると、自律神経の乱れによる不調の中で、大きな割合を占めるのが胃と腸。本来胃は、副交感神経が優位になっているリラックスした状態の時に、うまく消化する事ができるそうです。しかし、ストレスが加わって交感神経が強く働くと胃粘膜への血流量が減り、胃のぜん動運動が低下してしまうのだとか。その結果、胃全体のパフォーマンスが低下し食欲不振・下痢・便秘・倦怠感などさまざまな症状が現れるそうです。

夏の胃腸バテ対策

<名医おすすめアイテム!夏の胃腸を守る「腹巻」>
夏の胃腸バテを防ぐには、大きな寒暖差を感じる回数を少なく抑えていく事が大切だそうです。そこで、先生がおすすめするアイテムが「腹巻」。冬のアイテムというイメージがありますが、1年中買う事ができる通年商品で、冷えを感じる人のために夏用の腹巻も販売されているのだとか。先生によると、おへその周囲の丹田と呼ばれる部位は、肝臓など身体の要となる内臓が多く分布している場所。そこを温める事で血流が良くなり、身体の深部体温を上げる効果が期待できるそうです。

<夏の胃腸バテ対策「湯船に浸かる」>
先生によると、夏場でもしっかり湯船に浸かると深部体温を上げ自律神経を整える効果が期待できるとの事。夏は外気温が高いため入浴前後に合わせてコップ1〜2杯の水を飲み、38℃程度のぬるま湯で10分ほどゆっくり湯船に浸かると良いそうです(※無理のない範囲で入浴してください)。

夏の胃腸バテの意外な原因「猫背」

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

夏の胃腸バテの原因は、寒暖差だけでなく姿勢も関係しているそうです。

<胃腸バテにつながる「猫背」>
食事中、猫背で胃が圧迫されると下におりていくはずの食べ物がおりにくくなり、食道に逆流するという現象が起きやすくなるそうです。また、食事中の脚組みも要注意。脚を組むと猫背と同じくらい胃を圧迫してしまうそうです。

<食事中の猫背改善法>
猫背の人は、食事中必然的にお腹とテーブルの間に距離ができます。そのため、お腹とテーブルの間をこぶし1つ分ほどのスペースに狭める事で姿勢を正す事ができるそうです。

<食後の姿勢も要注意>
食事が終わった後も猫背の状態が続くと、食べ物がおりていかず、逆流性食道炎や胃のもたれ・ムカつきの原因になってしまうそうです。寒暖差と姿勢に気をつけて胃腸バテを防ぎましょう。

胃腸バテに陥りやすい生活をチェック!

下記の5つの項目のうち、3つ以上当てはまる場合は胃腸バテのリスクが高いと考えられるそうです。

(1)エアコンの効いた部屋で長時間過ごしがち
(2)1日に何度も屋外と屋内を行き来する
(3)お風呂はシャワーで済ませる事が多い
(4)身体を動かす習慣がない
(5)夜更かしする日や眠れない日がある

<胃腸バテと睡眠の関係>
先生によると、自律神経の乱れは眠っている時に整えられるのだとか。そのため、よく眠れないと自律神経が乱れたまま翌日を迎える事になるので、より寝つきが悪くなり、自律神経がさらに乱れるという悪循環に陥り、胃腸バテにつながってしまうそうです。

冷たい物が胃腸に与える意外な影響

<胃腸バテにつながる「消化酵素」>
夏に欠かせないアイスや冷たい飲み物は、胃腸の働きを直接的に弱めてしまうそうです。その原因の1つが「消化酵素」。消化酵素は、胃の中で食べ物を分解し栄養素を小腸で吸収しやすい形に分解・変化させる重要な役割があります。この消化酵素が最もよく働く体内温度は約35℃〜40℃。そのため、冷たい物を摂りすぎて胃を冷やしてしまうと、消化酵素の働きが悪くなり、消化しにくくなってしまうそうです。

<冷たい物を摂った後の対策「温かい飲み物で〆る」>
冷たい食べ物や飲み物を摂った後は、1杯の温かいお茶やスープを飲みましょう。温かい物を飲む事で冷えた胃を直接温めて、消化酵素が働きやすい温度に戻してあげられるそうです。

胃腸に大ダメージ!夏にやりがちなNG行動

<夏にやりがちなNG行動「食事を摂ってすぐ眠る」>
食べてすぐに眠ると、胃の中で消化されるはずの食べ物が胃の横の壁に留まり、消化されない状態が続くそうです。食べ物が残った状態で長時間過ごすのは、胃にとても負担がかかるのだとか。夏は夜更かししがちですが、小腹がすいて夜遅くに食べると胃腸バテにつながってしまうので注意が必要だそうです。

<食事の後は最低2時間空けてから眠りましょう>
先生によると、食事と睡眠の間は4時間空けるのが理想的。難しい場合は、最低でも食事の後2時間は空けてから寝るようにすると良いそうです。

朝食を摂る時間にもポイントあり!

朝食を摂る時間は起床後1時間ほど空けると良いそうです。朝起きた後すぐは、身体がまだ温まっておらず、自律神経も整いきっていない状態。そのため、ストレッチなどの軽い運動で体温・血流を上げてから食べるのが理想的なのだとか。胃腸を意識した規則正しい生活で、夏の胃腸バテを防ぎましょう。

(2024年7月14日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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