ひざが曲がったままだとどうなる?「ひざ痛」について徹底リサーチ!健康なひざを保つ方法とは?
サマリーSummary
ドクター:医療法人社団淳朋会 変形性関節症センター センター長 医学博士 渡辺淳也
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは 医療法人社団淳朋会 変形性関節症センター センター長 医学博士 渡辺淳也 先生です。
今回のテーマは「〜簡単チェック法から対策まで〜ひざ痛のお悩みに答えます!」
現在、ひざ痛で悩んでいる患者はおよそ1000万人。潜在的な患者を含めると推定3000万人もいると言われています。ひざ痛の原因はさまざまですが、実はひざをちゃんと見ると自分のひざに何が起きているのかが分かるのだとか。そこで今回は、ひざ痛について徹底リサーチ!自分でできるひざのトラブルチェック法や対処法などを専門医に教えてもらいました。
ひざ下に隙間がある人は要注意!「変形性ひざ関節症」
<変形性ひざ関節症について>
変形性ひざ関節症は、ひざの痛みの代表的な疾患。ひざ軟骨が年齢とともにだんだん削れる事で骨同士が当たり、痛みを引き起こすそうです。
<「変形性ひざ関節症」セルフチェック>
床に脚を伸ばして座り、ひざの下に手が入るか確認してみてください。
手が入る場合は、変形性ひざ関節症が進行している可能性があるとの事。今は痛みがない方も注意が必要だそうです。
<ひざを見ればこんな事も分かる!?>
左右のひざを見比べてみて、シワがないなど腫れたようになっていたら、ひざに水が溜まっている可能性があるそうです。
<ひざが曲がったままだとどうなる?>
ひざ関節は、強い衝撃を受けると軟骨が削れて炎症が起こります。炎症を繰り返す事で硬くなり、どんどんひざが曲がっていくという特徴があるのだとか。ひざが曲がったままだと、軟骨が部分的にしか当たらないため、局所的に剥がれていき、炎症や変形がさらに進行する恐れがあるそうです。
<ひざが曲がっている方おすすめストレッチ>
▼椅子に座る
▼伸びない方のひざをまっすぐ伸ばし かかとを床につける
▼ひざの皿の太ももに近い場所に手を重ねて 人差し指で皿を挟むように置く
▼ひじを伸ばして身体を前に倒し体重をかけながらひざを伸ばすように押す
※無理のない範囲で行いましょう
≪ポイント≫
強さは、少し痛みを感じる程度。まったく痛みを感じないのは弱すぎるそうです。
<変形性ひざ関節症予防に! 簡単筋力トレーニング>
▼平らな所に脚をまっすぐ伸ばす
▼ひざの裏に丸めたバスタオルを入れる
▼大腿四頭筋(太ももの筋肉)を意識してバスタオルを上から下に押す
▼5秒~10秒押し続けて緩める 10回1セット 朝昼晩1セットずつ
≪ポイント≫
大腿四頭筋に力が入っているのを意識しながら行いましょう。現在ひざの下に隙間がない方も、続ける事でひざ痛予防になるそうです。
<変形性ひざ関節症の最新治療法「ロボティックアーム」>
変形性ひざ関節症の治療を続けても痛みが引かないなど、重症の場合はひざの関節を人工の関節に置き換える「人工ひざ関節置換術」という手術を行うそうです。人工関節置換術とは、傷んだ骨を削り金属製の人工関節を設置する手術。その精度は年々良くなり取り付けている事を忘れてしまう人もいるのだとか。精度をさらに上げるため、2019年7月には「ロボティックアーム」というロボットによる人工関節置換術が保険適用となりました。ロボットによる手術は、じん帯を剥がさない分、従来の手術に比べて回復も早いそうです。
ひざの中心からくる痛み!新しいひざ痛の原因「膝蓋下脂肪体」
<近年分かってきたひざ痛の原因「膝蓋下脂肪体」>
膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)とは、ひざの皿の下にあるクッションの役割を持つ脂肪の事。近年、変形性ひざ関節症以外の痛みの原因として注目されているのだとか。変形性膝関節症がきっかけで炎症を起こし、硬くなって更に痛みを引き起こすと考えられているそうです。
<膝蓋下脂肪体の炎症セルフチェック!>
床に脚を伸ばして座り、力を抜いてください。
そして、膝蓋骨(皿)が動くかを軽く触って確認してみてください。
動きが悪い場合は、膝蓋下脂肪体に炎症が起きて硬くなっている可能性があるそうです。
<膝蓋下脂肪体が原因の痛み 軽減マッサージ>
▼平らな所に脚をまっすぐ伸ばして座る
▼ひざの力を緩めると ひざの皿が動くようになる
▼ひざの皿を両手の親指と人差し指でつまむ
▼上下10回 左右10回 1セット 朝昼晩1セットずつ行う
※無理のない範囲で行いましょう
≪ポイント≫
お皿を上から押さないように横から支えてゆっくり動かすのがポイントだそうです。痛みがある場合は、痛みが強くならない程度の強さで軽めに行いましょう。続ける事でひざの中からくる嫌な痛みの改善につながるそうです。
いつまでも健康なひざを保つ方法
先生によると、いつまでも健康なひざを保つためには、適度な筋トレとストレッチを続けて行う事が大切との事。ひざに違和感を感じる方や今回ご紹介したセルフチェックに当てはまった方は、一度ひざの専門医に診てもらうのがオススメだそうです。
(2023年6月18日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)