夏の血圧
サマリーSummary
ゲンキリサーチャー:なすなかにし
ドクター:渡辺尚彦
血圧の基礎知識
・血圧について
血圧とは、心臓から送り出される血液が血管壁に与える圧力の事。心臓が収縮した時が、上の血圧。心臓が拡張した時が、下の血圧です。高血圧になると、血管の壁に強い負荷がかかり続けるため血管がボロボロになり、脳卒中・心不全・心筋梗塞などの循環器系疾患を引き起こします。
・上130、下80を超えたら生活改善を
高血圧と診断する基準値は「上140、下90」ですが、「上130、下80」を超えると、生活習慣の改善が必要です。
・血圧の乱高下が危険
血圧の乱高下を繰り返すと血管へダメージを与えてしまいます。血圧が急降下すると、その反動で急上昇しやすくなるため、急な血圧の低下にも注意が必要です。
普段の生活に潜む「血圧乱高下」の危険ポイント
・寒暖差
夏は外気温が非常に高いため、急に寒い所へ行くと血管が収縮し、血圧が上がります。夏は冷房によって至る所に寒暖差があるので、寒い所へ行く時は上着を羽織りましょう。
・家事
休みなく動き回ると、血圧の急上昇を招いてしまいます。家事の合間に休憩を挟むよう心がけましょう。
・食後
食後は、消化管から出るホルモンの影響で血圧が低下します。それに加え、食後すぐに立ち上がって片付けなどを行うと、起立性の低血圧も引き起こします。急な血圧低下の予防には、食後にコーヒーや紅茶などのカフェインを摂るのがおすすめです。
・二度寝
朝は血圧が上がる傾向にありますが、二度寝をすると短時間で深い睡眠に入るため血圧が急降下し、起床後に大幅な急上昇を招いてしまいます。また、夏の朝は脱水を起こしやすいため、就寝前と起床後の水分補給を忘れずに行いましょう。
・ストレス
緊張や人との会話、仕事などのストレスによって血圧が上昇します。そんな時は、深呼吸がおすすめ。深呼吸をすると血管を拡張させる「ブロスタグラチン」という物質が出て、血圧上昇の予防に。気持ちも安定します。
・飲酒
飲酒後1~7時間は血圧が下がりますが、たくさん飲むほど翌朝上昇しやすくなります。また、お酒には利尿作用があり脱水を招くため、適量を心がけましょう。
~血圧を上げないために~
日頃から塩分の摂りすぎに注意し、汗をかいたらこまめに水を飲みましょう。1日1.5リットル以上の水分補給が目安です。
正しい血圧計の使い方
使い方が間違っていると、正確な数値を測る事ができません。血圧計を正しく使って、日々の健康管理に役立てましょう。
<血圧の基準値>
診察室血圧 上140 下90
家庭用血圧 上135 下85
家庭で測る時の血圧の基準値は、病院で測る時よりリラックスした状態になるので、数値が下がります。
<動脈硬化の発見につながる血圧計活用術>
・上の血圧-下の血圧=脈圧
上の血圧から下の血圧を引いた値(脈圧)が、60以上の場合は動脈硬化の疑いがあります。