元竜のエース・吉見一起が緊急提言!ドラゴンズ逆襲のカギは先発投手陣再編にあり!
【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)
ドラの梅雨明けはいつ?
先週、梅雨明け宣言された東海地方。気象庁の統計開始以来、最短となる2週間での梅雨明け。セミが鳴く前に東海地方はまさに夏到来!先週は毎日35度を超える猛暑日が続いた。しかし我らドラゴンズはいまだ投打とも梅雨真っ只中と思わせる不甲斐ない戦いぶりを見せている。6月はまさかの7勝15敗と大きく負け越し。いつの間にか順位もリーグ最下位と、ファンにとってはため息ばかりの毎日を過ごしたことだろう。
首位を独走するスワローズはなんと7月2日に史上最速となるマジック53を点灯。快進撃はなかなか止まりそうもない勢いを感じさせるが、このまま思い通りの戦いをさせるわけにはいかない。ひとつでもふたつでも差を縮め、独走にストップをかけたい。そのためには今後の戦いについて再分析することが必要となる。
今週のサンドラは巻き返しを図りたいドラゴンズへ向け、コメンテーターの吉見一起さんが緊急提言!投手王国と呼ばれたのも今は昔。現在リーグ5位(7/3終了時は4位)の防御率に苦しむ先発陣立て直しは急務。真夏の反転攻勢へ向け、元竜のエースが古巣立て直しに一役買う!
初回に打ち込まれる今季の先発陣
シーズンも半分を経過し、苦しい戦いが続くドラゴンズ。去年はリーグ2位の防御率(143試合3.37)を誇った先発投手陣も今シーズンはここまで5位(75試合3.88)と低迷。
立ち上がりの失点への対策は?
ローテーション再編成はどうすべきか?
後半戦巻き返しに欠かすことのできない先発陣の立て直しへ、ゲストコメンテーターの吉見一起さんが解説した。
なんといってもここまで先発投手の立ち上がりの悪さが際立つ。7/2終了時点、初回に44点を相手チームへ献上。防御率は5.16とイニング別ワーストの成績を残している。そして初回に失点した時のチームの勝率は.190しかなく、無失点で切り抜けた場合の勝率は.519とグーンと跳ね上がる。初回に点を取られると圧倒的に不利な戦いを強いられるようだ。
初回の防御率には左右のエースも苦しんでおり、大野雄大投手は昨年の初回防御率3.68から今年は4.85へ1点以上も悪く、柳裕也投手にいたっては、昨年2.77から6.92と、立ち上がりに苦しんでいる様子がうかがえる。
初回を無難に切り抜けるポイントとは?
今シーズン、ふたりの立ち上がりの悪さについて吉見さんは、投げているボールに変わりはないというものの、チーム状況の悪さが投球に影響しているのではないかと話す。
吉見「立ち上がりは難しいです。ただなかなか点が入らないとか、打線が弱いという思いを持ち過ぎなのでは?自分自身でできることはバッターを抑えることだけ。それに徹するべきだと思います」
現役時、立ち上がりには万全を期していたという吉見さん。ドラゴンズ先発陣に向け、上手く切り抜けるポイントを挙げた。
吉見「先頭打者をしっかり抑える。シンプルに先頭打者を出すと、点を取られる確率が上がるので。これに徹するべきかなと思います」
試合前のブルペンでの工夫を問われると、ポイントとは矛盾する対策を講じていたことを明かした吉見さん。
吉見「先発する度にブルペンでは常に最悪な状況を想定し、セットポジションで34球を投げていました。一番打者は塁に出るものと考え、二番打者対策を練っていましたね」
初回をスムーズに切り抜けるためには先頭打者を出さないことが鉄則。ただし最悪な状況を考えることによって、ブラッシュアップされたストーリーを作り上げていたという吉見さん。自分自身の投球リズムを良くするためにも初回無失点にするのがベスト。徹底した立ち上がり対策が、負けないエースにつながっていたことは間違いないようだ。
しっかり勝ちを拾うためのローテ再編
シーズンも折り返し地点を過ぎ、巻き返しのために
はローテーション再編成は急務。今後の戦いに向け、吉見さんに再編案を聞いた。変化点は金曜日に松葉貴大投手を起用したことだ。
吉見「松葉投手は立浪監督が中5日で回すと公言しているので、週末カードの頭となる金曜日に回しました」
7月2日に投げた後、中5日で回すとなれば、次回以降は8日のカープ戦、14日のスワローズ戦、そして20日のベイスターズ戦と松葉投手が得意とするバンテリンドームでの先発が続く。ここまで相手エースと投げ合うことが多かった大野投手をカード二戦目に回した。必ず勝利をもたらしてもらう意味も込めて、あえてズラしたことを吉見さんは明かした。
吉見「今は最下位ですが二位は可能かと思います。勝てる試合で良いピッチャーを投入する。勝ちをしっかりモノにしていくことがこれからの戦いに大切となります」
そして今後のキーマンに、吉見さんは小笠原慎之介投手を指名!
吉見「エースとのマッチアップとなり、苦しい戦いを強いられるかとは思います。ただ週の頭を勝つ、勝たないとでは全然違ってきます。しっかりしたボールを投げるピッチャーですから、彼には“勝ち”を持ってきて欲しいですね!」
最後に、気になる根尾昂投手の今後についても言及。
吉見「先発として通用します。ただ今年の先発はないのでは。まだしっかりと先発への段階を踏んでいないので、今年は中継ぎで実績を積み、シーズンオフにはしっかり投げ込んだり、走り込んだりして、“先発の練習”をしっかりこなしたうえで来シーズン、先発のマウンドを踏んでもらいたいと思います」
周平の奮起に期待!
酷暑が続くであろう7月は、9連戦を含む24試合が予定されている。いくら先発そして救援陣が抑えても、点を取らなければ試合には勝てない。“打たない”と酷評され続けている打撃陣の奮起に今月こそ期待したいと願う、いや祈る!
放送中に打のキーマンとして吉見さんが名前を挙げたのが昨年まで左胸にキャプテンマークをつけていた高橋周平選手。高校時代、プロ一年目で見せた広角に打ち分けるホームランをもう一度見たいと思うドラファンは多い。少なくとも私は彼の復活を待ち続けている。
“オレが打たなきゃ、誰が打つんだ!”
というぐらいの意気込みで挑んで欲しい。そして周平だけではなく、打撃陣全員頼むぜ!ホント!
まだまだ終戦なんて思いたくない。一戦一戦しっかり勝利をモノにしていこう!
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
竹内 茂喜