背番号11はドラのエースナンバー!小笠原慎之介、憲伸から受け継いだ竜魂バトン
「【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」
16年目でのセ・パ交流戦中止の知らせ
先週、新型コロナウィルス感染拡大により2005年からスタートしたセ・パ交流戦の開催が中止となり、5月中の開幕断念とともに、今季は143試合実施をあきらめ、交流戦18試合を除いた最大125試合の開催を目指し、仕切り直しとなりそうだ。
中日ドラゴンズは4月12日から17日まで2日ごとに1回休みとし、集団練習では仁村二軍監督発案のもと、感染防止のため手袋をはめてのキャッチボールが始まった。また16日からは2人一組でグラウンドでの練習を25分、筋トレ25分と極力、接触を避けた練習体制へ移行した。そんな中、発表された5月中の開幕断念のニュース。選手たちにさらなるストレスが加わらないか心配でならない。短期間での収束は期待できない中、不要不急の外出を控え、日本国民がワンチームとなることによって、一日でも早く球音が球場に鳴り響くよう、力を合わせていきたいものである。
紹介して欲しい!ドラゴンズの歴史
さて今週のサンドラ。番組にとって肝心要となるドラゴンズに関するニュースがない。ゲームがないどころか、選手のインタピューさえも取れない始末。当然番組作りは苦労が絶えないはず。しかしドラゴンズ老舗番組であるサンドラ。1983年に番組が始まって今年で37年目。膨大なるVTR等、貴重なコンテンツが宝の山となって眠っていると誰もが簡単に想像できるだろう。今週は局に在籍するスポーツアナウンサーがもう一度実況したい試合をピックアップ。思い出のシーンとともに自身の思いを重ねた。最短でもあと1カ月ちょっとは開幕を迎えないプロ野球だけに来週以降もサンドラスタッフは視聴者であるドラゴンズファンに向け、アイデアを振り絞ることになろう。このピンチをいかにチャンスへ変えるか。もしできることならばバラエティ色は少々失うものの、ドラゴンズの歴史を真っ向から伝えるスペシャルコーナーを用意し、多くのドラファンの心の支えとなった数多くの竜戦士を紹介してもらえないだろうか。オールドファンは懐かしみ、また新しいファンにとっては素晴らしい機会となろう。是非とも一考して頂きたい。
背番号物語「back number」
実はサンドラでは歴史企画として、新コーナーを立ち上げている。
「back number」
毎週ある背番号を取り上げ、今まで背負った選手を紹介する、今一番お気に入りのコーナーだ。今週は「11」。現在、11番を背負う小笠原慎之介は球団設立から24代目となる、将来が期待される若手投手に渡される竜の主力番号である。
11番こそ竜のエースナンバー
11番といえば誰を思い出すだろうか。若い世代の方は川上憲伸投手と答えるファンが多いのではないか。1997年、明治大学からドラフト1位で入団すると、ルーキーイヤーから先発ローテ入り。14勝6敗という好成績を上げ、見事新人王に輝いた。2002年には史上70人目となるノーヒッターを達成。その後もシーズンMVP、沢村賞、最多勝等、数々の賞を獲得。3度のリーグ優勝、そして日本一に大きく貢献したのは誰もが知るところ。以前彼にインタビューした際、竜のエースナンバーである20番に興味はないか?と質問したことがある。その問いに川上さんは、
「ありませんね。星野さんからも11番をエースナンバーにするぐらいの気持ちで頑張れと励まされていました」
と、きっぱり返答されたことを記憶している。まさに落合ドラゴンズ時代のエースナンバーは11番であり、最も輝いていた投手陣の屋台骨を支える番号であった。
マウンドを支えた11番の名投手たち
オールドファンにとって11番で思い出すのはサブマリン三沢淳投手ではないか。1972年に入団し、13年間にわたり、背番号11を背負い続けた。入団当初から先発を任され、入団3年目となる1974年には11勝を記録し、20年ぶりとなるリーグ優勝に貢献。翌75年にはジャイアンツ相手に5勝負けなし、自己最多となる13勝を挙げる活躍を見せた。内角に容赦なく投げ込むシンカーを武器に長きにわたりドラゴンズ投手陣を支え、引退後は活躍の場を国会に移した異才である。
平野謙とのトレードで西武ライオンズから移籍し、第一次星野政権優勝時で大車輪となる活躍を見せた小野和幸投手も入団時は13番だったものの、在籍最後の2年間は11番を背負った。小野からバトンを渡されたのが、地元豊田大谷高校からドラフト1位で指名され入団した平田洋投手。大成しなかったのが惜しまれる逸材だった。また現在21番を背負っている岡田俊哉投手は入団当初、川上さんから受け継いで11番を付けていたのは懐かしい話だ。
エースになれ!なるんだ!慎之介!
まさに背番号は選手が育て、やがて選手と一体となる。今年、背番号11を身につけ、5年目のシーズンを迎えた慎之介。正直まだまだ日本プロ野球界全体を見据えれば、11番イコール小笠原とは言い難い。多くのファンを納得させるのであれば、最低2ケタ勝利はもちろん。小笠原が先発ならば今日は負けだなと意気消沈するような絶対エースになることが条件だ。それだけの素質を持ち合わせるだけに、慎之介にはぜひ飛躍のシーズンを期待したい。
がんばれドラゴンズ!われらのドラゴンズ!
(竹内茂喜)