目標は三冠落合!竜ドラ1石川昂弥が描く未来予想図は超ド級のスケール!
「【ドラゴンズライター竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」
地元の逸材を他球団に渡すな!
待ち焦がれた右の大砲を射止めた!――10月18日に行われたプロ野球ドラフト会議において、我が中日ドラゴンズは地元愛知の超高校級スラッガー、東邦高・石川昂弥内野手の交渉権を獲得!ドラファンに今年最大のビッグニュースを届けた!
ドラフト前日の16日、石川獲得を大々的にブチ上げたドラゴンズ。噂されていた他球団の横やりを牽制しての公言。当初は東北楽天ゴールデンイーグルスも一位指名に石川との報道もあり、“地元の逸材・佐々木朗希に行けよ”と願っていたファンも多かったはず。しかしいざフタを開けてみたら、まさかのオリックスバファローズ、福岡ソフトバンクホークスも石川指名。あわよくば一本釣りの期待を抱いていた中での三球団競合。ホークスはともかく、バファローズには今シーズン途中、モヤを金銭トレードで譲渡したいきさつもあっただけに思わず“空気読めよ!”と声を荒げたものだった。
“神の手”を持つ与田監督
しかし与田監督は持っている!まさに神の手だ!昨年の根尾昂内野手に続き、引きの強さは抜群だ!抽選の並びがまさにドラフト横綱土俵入りそのもの。太刀持ちバファローズ福良GM、露払いにはホークス工藤監督を従え威風堂々の姿。そして昨年よりアクション少なめの獲得ポーズ。ある意味ドラゴンズの歴史が変わった瞬間。二年連続の当たりクジゲット!もうね、与田監督には生涯ドラフト抽選担当として球団に残って頂きましょう!営業さんは一日も早く与田剛監督・開運右手グッズを早々に売り出すべきである。
青い糸で結ばれた長距離砲
あらためて書き表す必要はないと思うが、ドラゴンズ期待の星・石川は今春のセンバツ大会において、エースで4番、そして主将という大役を担いながら、東邦高を優勝に導く大活躍を見せた。高校通産55本塁打。それも引っ張り専門ではなく、センターそしてライトへも広角に打てるバッティングは高校球界ナンバーワンの呼び声が上がっていた。また8月末に行われたU-18ワールドカップでは木製バットへの見事な対応ぶりが多くのスカウトから高い評価を受け、一気に石川株が上昇した。
ここで球団は決意したのであろう。地元の宝を他球団へ渡してはならないと。堂上直倫以来13年ぶりとなる地元愛知の野手をドラフト一位指名。石川はまた昨年入団した根尾同様、小学校6年時、ドラゴンズジュニアとして12球団トーナメント戦でドラゴンズのユニホームを身にまとって戦った実績を残している。まさに当時から石川とドラゴンズには赤い糸ならぬ“青い糸”で結ばれていたのだ。来るべきして来た右の長距離砲なのだ。
落合さんのようなバッティングがしたい
“新人王を取って、一年目からレギュラーを取る”
交渉権確定後の記者会見で強い気持ちを述べた石川。もちろんリップサービスではない。プロに入っての目標がとてつもなくデカく、そして目指す選手も大物だ。
“(プロに入ったら)三冠王を取れる打者になりたい。三冠王を3度獲得した落合博満さんのようなバッティングがしたい”
目標はでっかく“三冠王”。めざせ落合博満、追い越せ落合博満。ビッグマウス上等じゃないか!なかなかここまで言える選手は今までドラゴンズにはいなかった。さすが超高校級スラッガーである。
超ド級の未来予想図
ゲストコメンテーターの井端弘和氏は石川を以前から高評価。本人を目の前にし、あらためてその気持ちを伝えた。
“将来JAPANのユニホームを着て欲しい。守備はやればやるほど上手くなる。プロに入って最初に苦労するのは守備。まずはその不安をなくし、早く打つことに集中するようになって欲しい。今までドラゴンズにはいないタイプ。雰囲気から発言までジャイアンツの岡本にそっくり”
ジャイアンツの主軸へ成長を遂げた岡本をずっと見続けてきた井端氏だから言えるこのセリフ。ますます入団後の活躍が楽しみになってきたぞ!
番組恒例ドラフト指名選手の未来予想図。石川は1年後、新人王、与田監督の胴上げ。3年後はドラゴンズの4番、そして10年後は目標である三冠王を挙げた。その未来予想図にあえて加えるとするならば、3番根尾との“昂コンビ”の結成。彼ら二人がチームを引っ張る存在になれば必ずやドラゴンズは再び常勝チームと進化を遂げるはずだ。
石川以外も逸材揃いの指名選手たち
石川に続く指名も即戦力、好素材を指名。育成選手を含め総勢7人の“金の卵”の交渉権をモノにした。
2位にはサウスポーでは今ドラフト三本の指には入る即戦力として評価を受けていた大商大・橋本侑樹投手を指名。球の出所が見えづらいフォームからMAX148キロのストレートを投げ込む。今秋のリーグ戦でノーヒッターを達成。今季左の中継ぎに泣いたドラゴンズにとっては貴重な戦力になることは間違いない!
続く3位も右の即戦力社会人、東芝・岡野祐一郎投手を指名。聖光学院、青学大、そして東芝と野球エリートの道を歩み、主戦投手として活躍。2017年に出場した都市対抗野球では優秀選手に選出。抜群のコントロールと多彩な変化球で打者を翻弄。大崩れしない投球術をもってプロのマウンドに挑む!
4位は実戦に強く“打てる”捕手と評判の高い、慶応大・郡司裕也捕手を指名。インサイドワークに長け、東京六大学現役では最多となる9本塁打を放った。仙台育英高三年時、夏の甲子園で決勝まで進み、小笠原慎之介の東海大相模高と対戦。4年の月日が経ち、今度は恋女房となって同じユニホームを着る。
5位、6位は一転して好素材の高校生の指名に成功。
5位は地元三重の菰野高・岡林勇希投手の交渉権を獲得。投手としてMAX153キロのストレートを投げ、野手としても高校通算21本の本塁打を放ち、50メートルを5秒台で走れる外野手として高評価を得ている。外野が手薄なだけに強肩そして脚を活かした野手として期待がかかる。
6位には北の大地・北海道札幌で屈指の速球派として名を轟かせた札幌創成高・竹内龍臣投手を指名。名前からして、まさにドラゴンズに指名されるために生まれてきたようなピッチャー。小学校6年生の時の作文に“将来ドラゴンスに入りたい”と書いたという話には思わず涙!
そして育成ドラフトでは初の名古屋大学からのプロ野球選手誕生か!?と評判が上がっていた松田亘哲投手を指名。漫画『グラゼニ』の主人公そっくりの黒縁メガネが特徴。高校時代はバレーボール部に在籍し、硬式ボールを握ったのは大学に入ってからという異色のサウスポーだ!
継続願う戦力補強
“内野、外野とあと一人ずつ指名していれば”と井端氏は率直なる感想を述べた。外野にいたってはゼロという今回の指名結果。今後ストーブリーグへの積極参戦を期待したい。レギュラーと控えの差をなくさなくては来季もまた苦戦するのは目に見えている。是非戦力補強を!ドラゴンズには動き続けて欲しい。勝利をモノにするために。ただただそう願うばかりだ。
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
(ドラゴンズライター 竹内茂喜)