加藤愛アナが三重県伊勢市河崎の愛されフード『伊勢ひりょうず』を調査! 練り物店が作るこぶし大の絶品!巨大ひりょうず
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。今回は、『三重県伊勢市河崎地区』の『伊勢ひりょうず』です。
鮮やかで歯応えも楽しい具材タップリの伊勢ひりょうず
伊勢神宮の北東部“河崎地区”で聞き込みをすると、『伊勢ひりょうず』とは巨大な“がんもどき”。しかし、中は練り物で、ぎっしりの野菜にウズラの卵入り。おかずの一品として普段から食べているそうで、『若松屋』という店の看板商品だとか。
加藤アナがおじゃましたのは、創業120年! 老舗の佇まいが目を引く、練り物店の『若松屋 河崎本店』。お目当ての『伊勢ひりょうず』は、大人の握りこぶしくらいの大きさで中の具材も多く、シイタケ、ニンジン、ゴボウ、タケノコ、キクラゲ、枝豆、伊勢ひじきとワカメ、そしてウズラの卵の合計9種類が入っています。
関東でいう“がんもどき”と関西でいう“ひりょうず”は基本的に同じもので、豆腐店の商品ですが、練り物店『若松屋』が作る『伊勢ひりょうず』は、かまぼこ生地がベース。高級魚として知られるイトヨリダイを中心に厳選した白身魚を加えた“かまぼこ生地”に“少量の豆腐”を加えることで、ほどよい弾力と味のバランスを作り上げています。豆腐の割合が難しく、生地の調整に1年ぐらい掛かったそうです。
町で見た文字に「これだ!」と思った誕生の瞬間
この『伊勢ひりょうず』を考案したのは、現店主である4代目。25年ほど前、家業を継いだ頃に、『松尾観音寺』という1300年以上続く由緒ある寺の住職や地元の商店主と知り合い交流が始まります。その後、今から15年ほど前に本堂の床に龍の模様が発見されたことで話題にもなり、龍にちなんだ商品をそれぞれ考案して、寺や地元を盛り上げることになったとか。当時、かまぼこと龍を掛け合わせた商品を模索していたところ、運命の出会いが! 通りかかった豆腐店の前で「“ひりょうず”を見かけた」と言う4代目。それは漢字で書かれていて、“飛龍頭”という文字を見た瞬間、「これだ!」と思ったとか。この出会いが、練り物店で“かまぼこ生地を使ったひりょうず”の誕生へと繋がったのです。
“龍”にこだわって作り上げた逸品
さらに「顔に目が入って、初めて龍の頭ができる」と思った4代目は、その目を何で表現し、どう見せるか?を考えます。そして浮かんだのが、大きなひりょうずを半分に切った時に目のように見える、中央に入れた“ウズラの卵”だったのです。
手作りで揚げるのにも20分くらい掛かるという『伊勢ひりょうず』。大量生産はできないですが、どんどんクチコミで広がっていって、現在は年間10万個くらい作っているとか。「“伊勢ひりょうず”は作ったら終わりじゃなくて、お客さんに育ててもらえたと実感できる商品になった」と感謝を忘れない4代目でした。
(CBCテレビ「チャント!」1月18日(木)放送より)