加藤愛アナが三重県伊勢市の愛されフード『みつだんご』を調査! みつに秘密あり! 伊勢のソウル和スイーツ
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。今回は、『三重県伊勢市』の『みつだんご』です。
「想像と全然違う!」見た目と違う味とは?
聞き込みをすると、『みつだんご』は“みたらし団子”のような見た目ですが、実は黒みつ味! 甘みとコクが全然違うそうで、みつが濃すぎて団子が見えないくらいの黒色だとか。地元の人に薦められておじゃましたのは、『野むら製菓舗』。近鉄・伊勢市駅から歩いて5分、戦後まもなくから3代続く老舗の和菓子店です。
『みつだんご』の見た目は“みたらし団子”にそっくりですが、いただいてみると「想像と全然違う! 甘さはあるけど甘すぎない。香ばしさはあるけど苦みがあるわけでもない。結構サッパリしています」と加藤アナ。そのサッパリ感の秘密は?
高級砂糖の副産物! 持ち味の酸味が隠し味
一般的に知られる“黒みつ”は黒糖に水を加えて煮詰めたものが多く、原材料は沖縄などで作られるサトウキビ。しかし『野むら製菓舗』の黒みつは、高級和菓子に使われる砂糖の“和三盆(わさんぼん)”を精製する時に出る“糖みつ”。原材料は“竹糖(ちくとう)”と呼ばれる四国の一部地域のみで生産される幻のサトウキビです。その搾り汁を煮詰めて圧力をかけ、甘みを凝縮した結晶が“和三盆”で、残った液体“糖みつ”は甘みが少なく酸味があるのが特徴。ここに氷蜜(せんじ)を併せて、深いコクがありながらも甘さ控えめの特製黒みつに仕上げます。これが食べた時のサッパリ感になるのです。
団子作りにもこだわりがあり、使うのは一般的なお米。その米を特製のせいろで蒸し、少し芯が残るぐらいに炊き上げます。それを餅状になるようについたら、機械で串団子に。これで団子の完成かと思いきや、もうひと手間! まん丸い状態に出来上がった団子をわざと潰して、平たくしていきます。焼いた時にふっくら膨らむことを計算してとのことだそうです。
「僕が伊勢の味を守る!」5歳で決意した4代目(仮)
『みつだんご』の歴史は不明で、現在は伊勢市内で4軒ほどが販売。『野むら製菓舗』では3代目が生まれた年には作っており、少なくとも半世紀以上親しまれているのは間違いないようです。伊勢市民にとってはこれがみたらし団子だそうで、旅行先でみたらし団子を食べたら醤油味にびっくりした人や、進学や就職で他の地方に行き『みつだんご』がないことに驚く人もいるとか。地元の味を懐かしく思い、帰省した時には買いに来てくれるお客さんも増えています。
このように伊勢で愛されている『みつだんご』を末永く守ってくれる存在が既にいるようで…。現在、中学3年生の息子さんが5歳の時に「僕は菓子屋になる」と宣言したとか。「みつだんごは伊勢だけの伝統だから、伊勢神宮と共に残していきたいと思っています」と、早くも力強い志を未来の4代目が語ってくれました。
(CBCテレビ「チャント!」11月16日(木)放送より)