その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている！　その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCの松本道弥アナが全力で調査します。

今回は、織田信長が築城した小牧山城でお馴染みの『愛知県小牧市』の『ほていやのたこ焼き』です。30年以上愛されているフワッフワの醤油ベースのたこ焼きで、ソースもマヨネーズも何もかかっていないそう。松本アナが店に向うと、店頭に“10個入り　380円”と書かれていて、「安すぎませんか！？」とまず値段にビックリ。小牧山城の西側にある『ほていや』は今年で創業40年の老舗で、いつもお客さんが絶えない人気店です。

「食欲が抑えられないほどいい香り」と松本アナが待っていると、確かに何もかかっていないシンプルなたこ焼きが出てきました。つま楊枝を刺すと、落ちそうなくらいやわらかく、松本アナは慎重に口に運びます。ひと噛みすると、口の中は激熱！　たこ焼きの中がクリームのようにトロトロで、出汁と醤油の風味がきいています。

『ほていやのたこ焼き』で最も重要なのが、この生地。小麦粉をベースに色々な粉をブレンドしているそうですが、その配合は企業秘密のため完全非公開！　その日に使う分を毎朝調合し、少し硬めに作っておいて、気温や湿度、鉄板の具合を見ながら焼くたびに微調整をしているそうです。

そして、生地の旨味を最大限に引き出すため、具材に使うのは、タコ、国産キャベツ、天かす、紅ショウガの4種類のみ。最後に生醤油を加えて一気に仕上げることで、外側は薄いクレープ生地のようにパリッと。中は溢れ出てくるほどトロ～リな仕上がりになります。生地にしっかりと味がついているため、ソースもマヨネーズも必要ないわけです。

『ほていや』で使うタコは、モロッコ産の最高級グレードのみ。高級寿司店のネタで使われるものと同じ品質だそうで、ほどよい弾力とやわらかさがふわトロな生地にベストマッチ！　そんな話を聞いていると、毎日タコを届けてくれる名古屋の柳橋市場の業者さんが現れ、最高級のタコを使った「ここのたこ焼きが一番です」と太鼓判！

初代・克子さんは夫の知り合いであるたこ焼き店の店主から作り方を学んで、周りから反対や心配をされながらもお店をスタート。そして、オープン当初から行列のできる人気店に。たった1人で奮闘する母の姿を見て、最初は反対していた2代目・美紀さんもまめに手伝うようになったとか。「40年もやらせてもらえるなんて、なんて幸せなんだろう」と、克子さんがこれまでの思いを語ってくれました。

『ほていやのたこ焼き』は、支えてくれるお客さんの声を積極的に取り入れ、家族と地元が一丸となって作り上げた、小牧市の愛されフードでした。

（3月31日(金)　CBCテレビ「チャント！」より）